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日記ロワイアルコミュのぼらぎ途中下車の旅

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この世で最も残酷なコトは何でしょう。

それはもちろん、戦争だったり、伝染病だったり、飢饉だったり・・・

上をみればキリがありませんが、時に子供の無邪気さが、何よりも残酷な場面を生みだすこともあるのです・・・




先週末、関東地方を嵐が襲った日に、俺は友人2人と電車に乗った。

京浜急行の上り線、品川方面へ向かうその車両は、休日の昼間ということもあり、そこそこの人で賑わっていた。

俺たちの向かいの席には、歳の頃が30前くらいの美人ママさん。

そして、その傍らには小学校の低学年であろう女の子が座っている。


『声かけてみようぜ。』

友人の1人が私に言った。

いくら美人でも、子供連れの奥さんをナンパするような不貞は許されないだろう。

俺はもちろん、友人の言葉を軽く受け流した。

しかし、

『じゃあ、俺が行ってくる。』

と、意気込んで、友人が向かって行ったのは美人ママでは無く、小学生の女の子の方だった。

想像を越えたアブノーマルっぷりに、関係者である事実を消したいくらいだ。


そんな俺達のやり取りを知ってか知らずか、女の子とママさんはこっちを見て楽しそうに笑っている。

世の中には知らない方がいい事もある。たーくさんね。




そして、いくつかの駅を通り過ぎたその時、地獄の扉は開かれた。

ガラガラガラ!

隣の車両から、女の子と同じくらいの歳の男の子が入ってくる。

ずかずかと、足音を鳴らしママさんの隣の席に腰掛けた。

『よっこい・・・しょういち。』

最近のお子様は昭和のギャグも堪能だ。侮れない。




前の席の話を聞いてみると、どうやら、この男の子がママさんの子供で、女の子は友達の子らしい。

子供にとって、電車内で大人しくしてろというのは酷なのだろう。

先ほどまで電車内をぶらぶら歩きまわってたその男の子は、変化の無い車内に飽きてしまったご様子。

キョロキョロと辺りを見回し、遊べそうな物が無い事を確認して、しぶしぶ女の子に遊びを提案した。



『しりとりしよーぜ!じゃあ、俺からね。・・うんこ。』



始まったばかりでさっそく下ネタ登場。汚い回答ながら、女の子もしりとりに乗った様子。

『こ?じゃあ、恋わずらい。』

下の毛も生えてないような子が、何をわずらう。生意気な。

『い、かぁ。・・・・イースラー。元日本ハムの。』

俺の世代ですら、イースラー(1989年に引退した元メジャーリーガー。)が現役で活躍していた時代を知らないというのにこの子は。

『・・イースラー?誰それ?』

女の子なら、そんな昔の選手はおろか、今現役のプロ野球選手ですら話題にしないだろう。

そんな当たり前の返事に、男の子は、

『知らねーの?じゃあマネしてあげる。』

と言い、座席を立ち、バッターボックスに入るフリを見せた。


『ブェー、ブェーブェーブェーブェーブェー、ブェーデブェンデデデデブェーブェーブェー・・・・』


その独特のヒッティングマーチが電車内に響き渡る。
細かすぎて伝わらないモノマネの、360°モンキーズのそれには敵わないが、なかなかのクオリティで、乗客は大爆笑だ。


『ブェンデデデデブェーブェーブェ・・・んグ!』


男の子は調子に乗りすぎて、ママさんに口を押さえられていた。

そんなアクシデントを乗り越え、しりとりはさらに続く。女の子の番だ。

『イースラーの“ラ”、でいい?・・・・ラクダ。』

やっと普通の回答が出た。今までが濃すぎて少々味気なさも感じる。

『ダ?・・・・・・だっちょう。』

その瞬間、女の子の頭の上にはてなマークが見えた気がした。

『だっちょう?ダチョウじゃなくて?』

俺達を含む、車内の乗客の気持ちを女の子は代弁してくれた。

そして話は思わぬ展開へ。

『うん、脱腸。この前、お兄ちゃんがなったんだ。腸が出ちゃって痛いんだって。』

身近な人に脱腸になった人がいなくて詳しくは知らないが、話だけ聞いてると、とても痛そうだ。

『痛そうだね・・・で、お兄ちゃんはもう治ったの?』

女の子の質問に対し、男の子はあまり明るい表情をしなかった。


『うん・・・お兄ちゃんは治ったんだけど、ママが痔になった。』




その言葉を言い終わるとともに、顔を真っ赤にしたママさんが立ち上がり、子供を連れ、ドアの前に移動した。

痛いほどに気持ちがよくわかる。一刻も早く、この場から逃げ出したいはずだ。



そんな彼女に、子供は追い打ちをかける。



『ママ、次はまだ降りる駅じゃないよ!東横線に乗るんだから横浜で降りるんだよ!』



男の子はママさんのとった行動の意味が分からないようだ。


『ママはね、トイレに行きたいの。だから次で降りるね。』


平常心を装ったママさんの顔からは赤みが消え、だんだんと青ざめていった。

『トイレさっきいったばっかじゃん。もうしたくなったの?』

男の子の空気の読めなさに、やきもきしてきた。

そこに女の子からの一言。

『ホント、○○君は鈍感で、お母さんの気持ち、なんも分かんないんだから。』

ママさんはありがとうという表情を浮かべ、女の子にアイコンタクトをした。

そして女の子、



『トイレで痔の薬、塗るんですよね??』



しばらくの静寂の後、電車のドアが開き、子供を置いて猛ダッシュでどこかへ消えていくママさん。


こんな残酷な光景を目の裏に焼き付けた、土曜の昼下がり。








おや〜、ママさんこんなところで途中下車ですか〜

お〜だ〜い〜じ〜に〜

(語り:滝口順平)

コメント(172)

電車の中で読んでたから余計に…www

一票
爆笑!一票wwww 子持ちなら一度はこんな経験あると思うw
こどもの素直さは
時として残酷…(笑)
一票!
一票手(パー)
お母さんが痔になった
大爆笑うれしい顔うれしい顔うれしい顔(笑)

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