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日記ロワイアルコミュのクワイエットルームにようこそ

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最近は特に日記に書くようなことも無いので、少し昔の話をします。



お恥ずかしながら、以前、空き巣の被害にあってしまいました。

とはいえ、我が家に金目のものなどあるはずも無く、部屋を荒された形跡もほんのわずかでした。






まず、仕事から帰ってきて、玄関のドアのカギを回した時に違和感。

不安を抱きつつ、部屋に戻ると、見渡した景色がいつもと違う。

何が違うのかその瞬間は分からなかったが、部屋の入口のドアからは、普段見えないはずの観葉植物が見える。

とりあえず、テレビでも点けようかと、リモコンに手を伸ばして、そこでやっと気付いた。




“テ レ ビ が 無 い !”



テレビ台の上は、プレステ2と、バリ島のカエルの置物が残っているのだが、四角くホコリを残して、肝心のテレビがどこかへ行ってしまった。

テレビが無いのなら、もはや、これはテレビ台では無い。

今日からこの台はプレステ2・カエル台になる。

とても語呂が悪い。

無機質な表情のカエルですら、こちらを見て嘲笑ってるような気がする。




とりあえず、オロオロしてても始まらないので、警察に連絡してみる。

ぷるるるる・・・・・。

ガチャ。

電話に出たのは若い婦警さん(予想と期待)だった。

事の一部始終を話すと、警官をこちらに向かわせるとの事。さすがK県警、口だけはうまい。

なかなか到着しなさそうなのが目に見える。


電話から2時間ほど経ち、最初に家に着いた警官は、全体的にヨレヨレだった。

よほど疲れているのだろう、かったるそうな顔して、部屋の様子を見る。ヨレヨレで。

その後、数人の警官が到着し、調査を始める。段々と、大ごとになってきた。




『どんなテレビを盗まれたんですか?』

と、聞かれたので、

『ソニーのです。24型くらいの。』

と、答えると警官は

『ソニンの?』

と、聞き返してきた。

ソニンのテレビってなんだ?そんなものヤマダ電器のチラシにも載っていない。

そして警官は呆れるような取調を続ける。

『テレビの裏に自分の名前とか書いてあった??』

小学生の体育館履きや、ファミコンソフトじゃあるまいし、名前など書いてあるはずが無い。

そんな、スットコドッコイなやりとりはしばらく続いた。

取り調べも終始ヨレヨレだ。





なぜ、プレステ2を盗まず、テレビを盗ったのか。

なぜ、わざわざ運びにくい、重たいものを選んだのか。

テレビだけが狙いだったのか。




不可解な点が多く、皆揃って首を傾げていた。




そんなこんなで調査は終わったが、警官はいぶかしげな顔をしている。

『電化製品でしょ?一応、調べてみるけど、たぶん犯人捕まんないよ?』


警官はやる気をみせるどころか、早くもギブアップだ。

こちらも頼りになどしていない。





その日からテレビの無い生活が始まった。

聴きたい音楽なども特に無かったので、コンポなどを使うことも無く、部屋の中はとても静かで落ち着く。

おかげで、いかに普段の生活が、雑音にまみれてるのかが、よく分かった。

今までテレビに費やしてたはずの時間を、筋トレを始めてみたり、読んでなかった本に目を通すことに使った。

その日のニュースは、テレビじゃなくても新聞や携帯でチェックできる。

テレビがついてると、部屋の片づけなどの作業中であっても、つい目をとられてしまう。それが無いので、掃除もはかどり、部屋の中は常にきれいになっていた。

予想していた、テレビの無い、不自由なはずの生活は、意外にも充実して、有意義な時間を過ごせた。

もうテレビなんかいらねえなぁ・・・





そんな、テレビの無い生活にも慣れた、ある日の朝。

玄関を出て、信じられない光景を目の当たりにした。






・・・・なんと、家の前にテレビが寝っ転がってるのだ!!

恐る恐る近づいてみると、生まれ変わった姿のソニンだった。


灰色のカラダは、大人の女の雰囲気を漂わせるブラックに。

24インチのグラマラスな画面は、俺のお部屋にぴったりの、スリムな20インチに。

ステレオだったスピーカーは、シンプルで機能美あふれるモノラルに。

日本産まれだったはずの彼女は、いつの間にか韓国籍に。

そして、“SONY”と書かれていた場所には“GOLD STAR”と書かれている。




もう完全に整形済みの別人だ。



決して、ゴールドスター社が悪いわけではないが、総合的にランクダウンしたことは否めない。



しかし、なぜ家の前にテレビが転がっている?

たまたま、誰かがここに捨てて行ったのか?

いや、それにしてはタイミングが良すぎる。



では、ソニーのテレビを盗んだ犯人の罪滅ぼしか?

そもそも罪の意識があるなら盗みなどしなければいい。



犯人の部屋は新しいテレビになったから、古いテレビは要らないということか?

それにしても、フツーに考えて、あなた(犯人)にいらないものを、俺がどうして欲しがりましょうか??



とりあえず警察に届けたが、そのテレビから指紋などは発見されず、犯人につながるような証拠は見つからなかった。


数日を置いて、ゴールドスター社のテレビは俺の家に来る事になった。

プレステ2と、カエルに挟まれ、デンッとテレビ台に鎮座する韓国スター。

彼女は、日本での待遇が気に入らないのか、気まぐれで電源が落ちる。

映画のクライマックスシーンでプチン。

クイズ番組の答えの場面でプチン。

ユンソナが映ってプチン。プチン。プチン・・・・・!

このじゃじゃ馬め!



そんな、じゃじゃ馬娘でも、慣れてしまえば可愛いもので、一か月もすると、電源が落ちるというワガママでさえ、愛しく思えた。

ソニーのテレビのことなど忘れて・・・




それから数ヶ月後、隣の市で、盗まれたテレビが見つかり(犯人は見つからず)、身元を引き取りに行くことに。

家に持ち帰り、車から部屋にテレビを運んでいると、隣の家のおばちゃんに、

『新しいテレビ買ったの?景気いいね!』

と言われた。説明すらめんどくさい。



ソニーを部屋に運び入れるが、テレビ台の上にはソニンがいるので、まず彼女をどかした。

20インチで、モノラルで、韓国籍のソニンだけど、今日でバイバイとなると少し寂しいので、ソニーが来てからも部屋の隅に置いていた。

一夫多妻(テレビ)生活の始まりである。

俺と、ソニーが乳繰り合っていると(リモコンを使わずに、テレビ本体でチャンネルを変える行為)ソニンがやきもちをやいてるような目で俺を見ているような気がした。

気になり、ふと、ソニンの画面を覗き込むと、

『お願いだからソイツじゃなくて、あたいにテレビ線差してよー!』

と、訴えてるようだった。

『このケーブルを差してほしいか?これが欲しいのか?』

と、テレビ線をちらつかせ、俺はじわじわとソニンを虐める。

が、差さない。

絶対に差さない!

しばらくして、ソニンを辱めるのにも飽きた頃、ふと画面を見た。そこに映っていたのは、テレビのケーブルを持ち、性犯罪者のように高揚した俺の顔。

さも、人を見下したような目でこっちを見ている。



やめろ、そんな目で俺を見るな!憐れむな!うわああ!



と、茶番劇はこの辺にして、盗んだ犯人とゴールドスターのテレビとの因果関係はいまだ不明ですが、犯人(ルパン)はとんでも無い物を盗んでいきました。




俺の心と、









画面の下の、チャンネルを変えるボタンの所のカバーです!







返して!

コメント(138)

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出来事自体も面白いけど、書き方が上手くてより面白いっハート

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