前田憲男 ピアノアレンジ『West Side Story』という、ピアノ曲CDを作成しようという企画から始まった。 ミュージカル『West Side Story』はバインシュタイン作曲の数々で構成されている。アレンジ候補は12曲ある。・ AMERICA・ COOL・ I FEEL PRETTY・ JET SONG・ MAMBO・ MARIA・ ONE HAND ONE HEART・ SOMETHING'S COMING・ SOMEWHERE・ TONIGHT・ A BOY LIKE THAT / I HAVE A LOVE・ JUMPの12曲である。 これらの曲のアレンジ仕上がりに前田憲男先生は言った。「これは自分でも弾くのは難しい」と。譜面の読めない僕には幾何学的な絵のようにしか思えないのだが・・・。 ともあれ数人の技術力豊かなクラシック系のピアニストに弾いていただいた。曲の中には、あたかも三本の手で弾いているような神業的な譜面もある。両手の間に、もう一本の第三の手を入れて、その手の弾く音を、左右の手に振り分けて弾くと言うものだ。そして更にスイングするという。これがなかなかクラシックピアノを学んできた方々には、まして難しいらしい。 いわゆるピアノ演奏家には、その前田憲男先生の意図する音世界が見えてこないのである。難しいのは承知の上だ。僕は羽田健太郎氏に演奏を、と希望を言ったこともある。だが、残念なことに惜しくも、その羽田健太郎氏は天国に引越しまう直前であった。 さらに問題はあった。このCD化の権利の許可を受けるために、アメリカのバインシュタイン財団に申請をしなければならない。日本での権利の代行している会社に、その申請書を英訳していただき申請をしたのだが、未だに返答がない。 それではステージで、これらの作品を公表しようということになった。前田憲男先生に僕は、先生独自のコンサートとして開催することを提案した。前田憲男先生には気負いはない。つねに人も求めるものに持てる最大限の力を発揮するという真摯な方である。ご理解していただける方がいれば・・・、ということでステージの企画がスタートした。 それが第一回Grand Seiko presents前田憲男コンサート、「前田憲男 ピアノアレンジによる『West Side Story』への想い」である。