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萬葉集・万葉集コミュの持統天皇の夏と天香具山

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藤原の宮に天の下知らしめす天皇の代(高天原廣野姫天皇(たかまのはらのひめのすめらみこと))、元年丁亥(ひのとゐ)の十一年に位を軽太子に譲りたまふ。尊号を太上天皇(おほきすめらみこと)と曰ふ)
天皇の御製歌

春過ぎて 夏来るらし 白栲の 衣干したり 天の香具山
((私にも)春が過ぎて夏がやってきたようだ。人々は天岩戸神社の祭事のために香具山の裾野で真っ白な斎衣を干しているよ、香具山を背後にして)

(持統天皇・巻一 ー28)



私が最も早く覚えた万葉歌で今でも大好きな歌の一つである。修学旅行で伊勢に行くのに大阪からは近鉄で伊勢まで行くのだが、目の前に大和三山が見えまた季節的にぴったり(私達の頃は修学旅行は六月初めに行われることが多かった)だったこともあるうえに、先生がこの歌を解説してくれるのだから、その時に見た(後に作られた灌漑用の池らしいが)「耳成の池」(3788参照)とともに、この歌は非常に印象が強く今でもはっきりと覚えている。


この歌はその配列の年代や尊貴性といったことから、前後の27、29といった歌を考えると持統称制の初め、中でも邪魔者の大津を除き夫・天武や皇太子草壁の葬儀が一段落して自ら正月に即位して漸く落ち着いた持統四年(690)の初夏と考えてよいのではないか。
因みに藤原京遷都は持統八年(694)十二月のことである。

以前にも書いたことだが私は、この歌は持統の帝位獲得を誇らしげに宣言する歌(大濱先生)であると同時に飛鳥の都を四神で守護させる意を寓した歌に違いないと確信している。
すなわち、「春過ぎて 夏来るらし 白栲の 衣干したり 天の香具山」の
「春」過ぎての春は→青龍
「夏」来るらしの夏は→朱雀
『白』袴の」の白は→秋→白虎
「天の香具山」は→飛鳥京の北→冬→玄武
ということで、もうお分かりのことと思う。
この頃にはもう人麻呂も宮中にいたが、人麻呂がこんな風に歌に四時思想を直接的に詠み込むとは思えない。聡明な持統なら題詞通りにこのくらいの歌は作れるだろう。


この五行説、四時思想については七、八年くらい前迄は私も知らなかったのだが、当時マイミクであった万葉集専攻の女子大生の方から教えてもらったものである。
彼女は大学の教授から授業で教えて貰ったと言っていたが、それがこの28番歌を読んでいる時に頭にあったので春夏秋冬の都合よく春夏まではあるなと気がつき、これはもしかして秋冬もあるかもしれないと無い知恵を絞って考えた挙句に「白→秋、白虎」ということに至った。
それからまた長い思考の末に「香具山」→飛鳥京の「北」→「冬、玄武」に辿り着いたというわけで、この歌の五行説、四時思想については深読みだなどと言う人もいるが、それは認識不足というもので52番歌、高松塚古墳や木寅古墳の壁画を考えれば当時の皇族、貴族階級や神祇官氏族の間で深く浸透していたことは間違いない。

ただ、このことに気が付いた時はとても嬉しかったのだが、伊藤先生の学友、大濱厳比古先生はそれよりも何と四十年も前に既に気が付いていたことを後に先生の著者「万葉幻視考」を読んで知り、その余りの脳力差にがっくりしたことも今ではよい思い出になっている ^^;



>夫・天武や皇太子草壁の葬儀が一段落して自ら正月に即位し、漸く落ち着いた持統四年(690)の初夏と考えてよいのではないか。
この時の京は飛鳥板蓋宮に違いない。すると飛鳥板蓋宮から香具山山麓の風景が鮮明に見えたかといえば疑問である。しかし私たちアマチュアにとってはそういったことは大きな問題ではないかと思うのである。235のように持統が香具山に近い雷辺りまで国見に出かけた時にでも見た風景かもしれぬし、意志の強い持統ならばたとえ香具山の山麓の白い斎衣が見えずとも、幻視でも見たと言ってこの飛鳥京を四神で守護させる意を含んだ帝位獲得宣言歌を詠んだに違いないと確信する。
要するに持統は流行していた四時思想を詠み込んだ歌の言霊で守られた京で帝位獲得宣言歌を詠みたかったのだろうと思う、仮託や代作は考え難い。


私たちはこの美しい歌にはそういった寓意が含まれている可能性があるということを念頭に、見えるの見えないのなどといった言痛きことには固執せずこの鮮やかな新緑に囲まれた香具山の山麓に干された白衣というこの爽やかで美しい叙景歌を素直に味わうのが大事かと思うのである。藤原京で見た風景を詠んだのではと考える方なら、持統は白袴の衣装を間近な香具山の麓に十分に見ることができたと考えてよいと思うし、私的にも場所云々よりも、例え幻視ででも持統がその風景を見たということに重きを置きたいと思う。

正しい議論の応酬ならそれも結構だが、せっかく万葉集という文学を楽しむのに歌もロクに味わいもせず、香具山は別府の鶴見岳などと意味不明なトンデモ説を振り翳した挙句、言痛き理屈の押売りに終始するのは勿体ない話だと私は思うのである。国土地理院もビックリのトンデモ説には神楽女湖の巫女もさぞ驚いていることだろうww

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