ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

memo メモ めもコミュのメモ 081208

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

付箋 blogを付箋のように使う。 (セシル×伊東豊男の対談のメモ)
http://blog.livedoor.jp/unich0621/archives/51201391.html

2006年11月23日
Cecil Balmond×伊東豊雄
少し時間が空いてしまったが時間が取れたのでレビューを書こうと思う。
レビューといってもタイソウな代物を書ける訳でもないのでメモに書き留めた事と、補足的な説明程度な内容となっている。

レクチャーはセシル・バルモンドによる、自身のイントロダクションも兼ねた近作についての話から始まる。対談という形式ではなく、語り手セシル・バルモンド、聞き手伊東豊雄という形式であった。
以下、レクチャーの流れに沿って。補足的に本からの抜粋も。

・一番初めは、伊東豊雄とのコラボによるサーペンタインギャラリー。
ザハ・ハディット、ダニエル・リベスキンドとのコラボ時(サーペンタインでの)には複雑な形態をとったが、今回はシンプルなボックスをつくろうと思ったという。但し、ある種のパターンでそれ(平面/ボックス)を壊すような形で。
具体的には正方形の隣接する2辺のそれぞれ1/2点、1/3点を結んで行き、その延長で出来る新たな正方形にも同じ操作を繰り返す。それを6度繰り返す事で基本的な構造が得られる。

「その美的な効果は編目の複層的な重なり合いを空間化することによるものであり、目がそれらの交線のセルをたどっていくに従って視線はその外に飛び出し、面であったものが無限のボイドとなる。そこにはもはやボックスは存在しないのである。」/a+u2006年臨時増刊Cecil Balmond より抜粋

ランダムというのは、恣意的につくり出すものではなく、あるアルゴリズムによってもたらされるものである。と氏は言い次のプロジェクトへ話は移る。

・その次に説明されたのはs-プロジェクトと呼ばれる、英国の複合商業施設のプロジェクト(実現せず)
Ulam's Rose(ウラムの薔薇)と呼ばれる数字の配列を参考に決定したダンシングコラムが踊る事で
planが踊り、elevationも踊る。
ループ構造のパターンで規制をし、その繰り返しで無限に可能。

・ポルトガル、コインブラのフットブリッジ
geometry makes materiality
柔らかく変化する構造、4つのライン→12個のガラスパネル。
二種類の構造体が川の両岸から伸びてきて中央部でスライドしながら繋がる。

「Their bridge climbs up, over the river Mondego, up from the East bank to rise at a steady gradient towards the centre, then steps aside in plan and begins its descent, to ramp down onto the West bank. The sun follows roughly the same movements, East to West, high and low, rising and falling. The sun moves in a countinuous path - but not the bridge. The bridge zigzags.
At the centre an offset in plan creates a place of pivot and celebrates reversal. The path is not linear, it meanders! How can the handrails then march in straight upright lines across the river ?(以下省略) 」/a+u2006年臨時増刊Cecil Balmond より抜粋(薄いピンクの文字が読みにくいので英文抜粋)


・もう一つは金属製のチェーンで吊られたフラクタルな構造のインスタレーション。
フラクタル。これも彼の多くの作品に表れるキーワード。

「フラクタルは非整数次元をもつ幾何学形態だ
(通常の空間は3つの次元を持つ。長さがD=1、D=2、D=3)。
非整数値は、あるパターンや形固有の折り畳みの度合いに関連している。
幾何学モチーフに働きかけるアルゴリズムはフラクタルにつながることができる。

ズームインしてもズームアウトしてもフラクタルは同じに見える。この言い換えとして、全ての固定スケールに対してフラクタルは無限の不規則性をもっている。」/informalより抜粋




以上でセシルによるイントロダクションと近作説明は終わり、伊東さんが問い、それに対しセシルが答えると言う形式に移る。



(伊東豊雄):
セシルにとっての幾何学とは一体何なのか?

(Cecil Balmond):
feel condition, general- non-linear
2000年以上前には、動的なgeometryがあった。今、幾何学と呼ばれている様な線・長方形・三角形等の形態はある時間における微細な部分のごく限られたものに過ぎなくて、純粋なからっぽの入れものに過ぎない。
円を描くという行為には「動き」が存在している。そこには生命力というものが介在して。
自然界というものは幾何学でできたものである。向日葵の形態にもフィボナッチ数列が存在している様に、植物が育つのにもルールがある。サーペンタインギャラリーの事を人工の花だと形容する人が居る。それは同じ原理だと私は思う。1/2と1/3点を結びその操作を繰り返す事でできる複雑な形態は、ランダムな様に見えて規則的なのである。


(伊東豊雄)
:セシルの美学/思想などについて、なぜ、自然界のルールに興味を持ったのか?

(Cecil Balmond)
:古代ギリシアの建築・数学を観察した。そこにある創造性
空間を見ていてこうなるであろうと予想するのではなく、realizeして(気付いて)、空間をつくっていきたい。そこに興味がある。
表面だけを見ていると美しくvaluableな(価値ある)ものがある。
一見すると分らなくても、その根底に思想などがあるもの。。。そういったものに私は美を感じる。

(伊東豊雄)
セシルにとって、geometry自体が流動的なものであるとしたら流動的なものをつくるにはどうすれば良いのだろうか。
私は、Emergenceする(生成する)という言葉が、セシルの美学の流動性に対し言い当てているコトバなのでは無いかと考えている。そこにルールはあるけれども、全体型が予想つかない。そのルールがしっかりしている時に、その予想つかない部分が動き/流動性として表れるのではないだろうか。

(Cecil Balmond)
伊東豊雄の20年前のレクチャーを例に出しながら。。。
流動性について定義が果たして、出来るのか。静的、動的なものの共存/混在。
植物にはgene(遺伝子)が決定しているルールがあるが、最終的に決定しているのは外的な要因だったりする。
例えば花/木の場合、枝が右に行くのか左に行くのかは太陽の位置や水などの要因に因る。そしてさらに複雑にしているのがフィードバックの過程。

Emergenceする(生成する)という言葉について
美意識に対して感性を鋭くさせていくという意味で、流動的であるものをつくる建築家が流動的である事が大切である。それが、Emergenceする(生成する)という事だともいえる。

(正方形の中心に点が置かれた:A,正方形の中心からずれた位置でかつ正方形内に点が置かれた:B,正方形外に点が置かれた:C)
この仮にABCと付けた図を基に説明がなされたのが以下のこと。

Aは中心性、対称性などを持ち得ている古代の建築
Bは中心がずれる事で生じるディストーション(ゆがみ)が現れた後期モダニズム建築
そしてCがセシルの考えている建築。
中心が外にあり、点は正方形に包含されていない。つまり点と正方形の関係は自己参照的(こんな英語があるかは知らないけどもself-referencialと言っていた気がする。)により出来ている。
フィードバック過程がある事で建築家は固定された立場を取るのではなく、流動的な存在となる。
結果、建築を/がEmergenceする(生成する)/される。



会場からの質問で先ずは、構造設計家の新谷真人氏が以下の様な問いをかけた
「我々、構造設計者は構造を考える時(計算する時)に、力に対してある秩序を保たねばならないと私は考えている。その’生成’の過程において秩序は保たれているのか、あるいは秩序が壊れる事を前提とするのか?」

(Cecil Balmond)
力と力の融合、効率化→モデュール化 等の基本的な考えに基づいているのがlinear(線形的)な場合。
だが、non-linear(非線形)の場合、結果的に出てきたのがパターンなのであり、予想外のモデュールが発生し得る。それを分析・解析する事で新たな分節が可能となる。そう考えている。

次に佐々木睦郎氏が以下の様に問いをかけた
「ガウディーの事をどう考えているのか?」

(Cecil Balmond)
fantasistであって彼のつくるものはエキサイトするものでは無い。
しかし、彼が石を通して行なっていたmateriality(物質性)に対する考察については興味を持っている。サグラダ・ファミリアの列柱の正方形断面と円形断面をつなぐ手法など。学ぶ点はある。

「geometry(幾何学)に力学/外的なものを考えた時にどのような流れで考えるのか?」

(Cecil Balmond)
先ず,geometrical, mathematicalなアルゴリズムを構築(フィボナッチ等もこのフェーズ)→extention(拡張)可能なものへと変形/発展させる。 →taranslation/それを建築に置き換える。それぞれのフェーズの移行部(ここで言う→)に厳格な数学が介入する。


そして最後に会場に居た学生からの質問「グリムショウ、フライ・オットー、フラーらも同じ流れにあると思うが、リファレンスはあるのか?あるいは他の思想家らからとか?」

(Cecil Balmond)
フラーのジオデシック・ドーム、フライ・オットーのテンション材へのこだわり。そういった事のプロセスに関してはリファレンスがあるかもしれない。ただし、前者は建築として面白く無いし、後者は内的なものに終始している。
フライオットーは純粋なものを追求し、ガウディーのmaterialityへの純粋な追求
それに対し、私は「不純なもの」も入れて考えている。とでも言えようか。


と、長々と書いてみたが以上がレクチャーの記録。
レビューとしてはこれを受けて自分の考えを書くべきなのだが、頭の整理が出来次第、という事で勘弁してもらいたい。レビューならぬレビューだが以上の様な内容を話していた(と僕は解釈している)
一緒に聞いていた方々、訂正あればよろしく。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

memo メモ めも 更新情報

memo メモ めものメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング