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四元康祐コミュの「ゴールデンアワー」

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私が初めて読んだ四元さんの詩集「ゴールデンアワー」

私の想うところを書きます!

「別冊 詩の発見 第2号」にも載っているものです。


(持ってない方、おもしろぃょ!買おう!笑)

(対談とか、ご本人の書き下ろしの詩も載ってるょ!)


「ゴールデンアワー」を読んだ方、これから読む方、

ここで感想とか書き合えたら楽しいです****


読んだことない方も読んでみようって想ってくれたら


嬉しいです+.(*′艸`*)。゚+.




 この詩集の作者は1959年生まれの現代詩人、四元康祐。
本作の目次を見ると、それだけで同年代人の心は持って行かれることだろう。彼の幼少期である1960年代前半(大阪)、同後半(広島)、1970年代と、順を追って懐かしいアイテムが並ぶ。
それらのアイテムはアニメであったり歌であったりするが、いずれも懐かしさを通して一瞬の間に同じ回想と微笑みの共有を促してくる。とすると、これは同世代への、懐かしいよね、的な発信であろうか。

 本詩集でモチーフとなっている時代のさらに後、80年代半ばに生まれ、ぎりぎり昭和世代の私たちは、その微笑みについてはいけない。クレイジーキャッツ?ハレンチ学園?夕日のガンマン?ちあきなおみ?わからないのである。やむをえず、なんだか仲間外れの気分のまま読み進める。すると次第にわかってくるのだが、この作者は、私たちの世代が雑誌を回し読むように、またラップにのるようにして、ごく当たり前にその時代に馴染み、未来を想像してみたり、変にものわかりよく冷静でいたりするのだ。この多様な態度は、過去の時間と現在の時間が意図的に混在していることから引き起こされているのだろう。


ハロー、サンキュウー、グッドバイ、
1970年の「こんにちは」のなんという虚ろさ、平和の

鳩の羽ばたきのよう、塔の先で太陽を仰ぐ顔、孤独なロボットに
群がる陽気な人々、若かったニッポン、

何かが取りもどす術もなく終わりを迎えたということ
そこだけに生まれる豊かさだってあるさ

(「大阪万博」部分)


 ここにはたくさんのヒーローが登場するが、彼はヒーローになりたかったわけではないらしい。そこにいるヒーローたちはすでに「Lost Hero」、つまり失われているのである。たとえば、サザエさんは不在であるし鬼太郎はフリーターで途方に暮れている。大人になった詩人は、行方不明になったヒーローたちを、26年後のミュンヘンで《補導》しているのだ。作者は言う。ヒーローたちは時間を往還するその旅の、道先案内人であったと思うのです、と。ヒーローたちを今からでも追いかけなければ、あの少年時代の溜息の意味を解くことができいなかったし、母を亡くした時の「断層」に直に触ることも出来なかったのだ。


鬼太郎には母さんがいない
父さんはいるけれど顔のかわりに目玉だけ
母さんはどんなひとだったのだろう

一本足の蛇の目傘
ふすまお化け
ろくろ首

人間には恐ろしい形相を見せるお化けたちも
母のない子にはやさしかった
草葉の陰で寛いで

スーツとネクタイのぼくらに混じって
よれよれのチャンチャンコにちびた下駄を履いた
鬼太郎が歩いてゆく

ロンゲに茶髪の
堂に入ったフリーターぶり
一度たりと試験をうけたことはなかった

どこへ帰っていくのだろう 君たちの
領土は父母たちとぼくらとで踏みつぶした
明るい国の成れの果てで

魂はひしめきあっている
唄うことも泣き喚くこともできない
のっぺらぼう

(「ゲゲゲの鬼太郎」全文)


 詩人は、四元少年を核として、外部に次第に溜まっていった層を一枚ずつはいでいく。その時代をともに生きた共同体への追想を背後に響かせながら。そのようにして生まれたこの詩集は、いつか過去になる現在を皮肉りながらも、永遠の少年の仕草で微笑む。そんな佇まいには、多くの世代からの光が浴びせられることだろう。







コメント(2)

今、僕の中で「四元さん再読モード」へ突入しております。しばし、お待ちを。おって書き込みにまいります。

ゲゲゲの喜太郎について、少し。
お父さんは、お母さん(妻)をなくして、悲しみのあまり、溶けて、なきじゃくった両目の目玉だけが生き残り、そして、その片方がお父さんとなり、もう片方が鬼太郎となった、という感涙エピソードを(ある方から)聞かされた覚えがあります。だとしたら、すごい愛情と絆ですね。

僕はだまされてもいいから、上記のエピソードを信じています。
にじむにじさま*


いいですね、再読モード!

私もまた読み返そうっと@


鬼太郎について。へぇ〜。そんなお話があったとはっ。
それ、信じたい!笑


というか、この詩を読む迄、鬼太郎のお母さんの存在について
考えたことがなかった…
そういわれれば…って。

それに、ロンゲで茶髪のフリーターって、
すごくニヤニヤしてしまった記憶があります。笑


鬼太郎くらいなら、私もわかる世代ですし*

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