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季語コミュの暦法を知らずに季語は語れない

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 画像:嘉永戌三年(1850)の月の大小を書いた「大小暦」
 この年は、一月大・二月小・三月大・四月小・五月小・六月大・七月小・八月大・九月小・十月大・十一月小・十二月小
 年によって「大の月」(30日)と「小の月」(29日)の配列がかわる
 月の満ち欠けで日にちはだいたいわかる 日曜や祝日の休業もなかったから、その年の各月の大小と二十四節気との対応がわかれば日常生活に支障はない

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 別項にまた書きますが、
「朝顔」 も 「西瓜」 も、夏ではなくて、秋の季語ということになっています。
 これについて、ボクは納得できる説明をみたことがありません。たぶん、暦法を知らずに説明を書いているからでしょう。

 むかし使っていた暦を俗に 「旧暦」 といい、現在われわれが使っているものを 「新暦」 と称していますが、これがどのように違うか。時代物を書いている作家でさえ、ちゃんとわかっている人は少ないようです。
 その証拠に、忠臣蔵の題材となった元禄の赤穂事件について、「松の廊下の刃傷事件から吉良邸の討入事件までは一年九ヵ月」 と書いた本の多いこと。

 討入事件があった元禄十五年は、「八月」 の次に 「閏八月」 があって、13ケ月の年でした。
 だから、「松の廊下の刃傷事件から吉良邸の討入事件までは一年十ヵ月」 が正解です。
 この年の閏八月には脱盟者がゴロゴロと出ていたのに、書簡などの史料をあたっていないから、そういうことにも気づかない。

 元禄十五年閏八月には、南北の町奉行に加えて中町奉行所ができています。場所は、鍛冶橋の旧吉良邸があったところです(吉良邸は元禄十一年の大火後に呉服橋に移転)。

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 月別の季語を書いたものがあり、それにはこんな説明が。。。

「月遅れ行事・旧暦行事は、重複してそれぞれの月に記載しています」

 暦法、わかってるのかなあ。

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 さて、池波正太郎著 『鬼平犯科帳』の鬼平のモデル、長谷川平蔵宣以(のぶため)が火付盗賊改の加役を命じられたのは、天明七年(1787)のことでした。その翌年に、暦の解説書 「暦便覧」 が出版されています。

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 明治5年まで使われていた旧暦(太陰太陽暦)では、月の満ち欠けで暦の月を決めていました。月の満ち欠けの周期は約 29.5日なので、12ヶ月では354日ほどの長さになります。大の月を30日、小の月を29日として月の日数を決めていましたが、そのままだと今われわれが使っている暦(グレゴリオ暦)と比べて10日以上のズレがあります。これを補正するために、2年あるいは3年に一度、閏月(うるうづき)を設けていたのです。

 なので、月日に頼って農作業をすると季節とのズレでとんでもないことになってしまいます。

 そこで、月の満ち欠けによる月日に加えて、「二十四節気」(にじゅうしせっき)によって季節をあらわしていた。これが旧暦と称されている 「太陰太陽暦」 です。考案したのは、昔の中国人。

 二十四節気は、地球から見た太陽の運行によって1年を二十四等分したもので、立春 (りっしゅん)から大寒 (だいかん)まで。

「暦便覧」 には、下に記すように二十四節気の説明が書かれています(付記した月日は現在用いられているグレゴリオ暦による)。

 しかしこれも、季節とのズレがあります。これについては、二十四節気が遠く中国の殷の時代(紀元前11世紀頃 / 完成はもっと後)に黄河の中流域で生まれたことが原因だろう、と考えられています。
 日本でも桜前線の移動でわかるように、その場所によって季節感にズレがありますね。そのほか、大きなスパンでみると、時代によって平均気温が変わっています。

●立春 (りっしゅん) 2/4頃  
 春の気たつを以て也
●雨水(うすい) 2/19頃    
 陽気地上に発し雪氷とけて雨水となれば也
●啓蟄 (けいちつ) 3/6頃
 陽気地中にうごき ちぢまる虫 穴をひらき出れば也
●春分 (しゅんぶん) 3/21頃
 日天の中を行て昼夜等分の時也
●清明 (せいめい) 4/5頃
 万物発して清浄明潔なれば此芽は何の草としれる也
●穀雨 (こくう) 4/20頃
 春雨降りて百穀を生化すれば也
<ここまでが春>
●立夏 (りっか) 5/6頃
 夏の立つがゆへ也
●小満 (しょうまん) 5/21頃
 万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る
●芒種 (ぼうしゅ) 6/6頃
 芒(のぎ)ある穀類 稼種する時也
●夏至 (げし) 6/21頃
 陽熱至極し また日の長きのいたりなるを以て也
●小暑 (しょうしょ) 7/7頃
大暑来れる前なれば也
●大暑 (たいしょ) 7/23頃
暑気いたりつまりたるゆえんなれば也
<ここまでが夏>
●立秋 (りっしゅう) 8/8頃
初めて秋の気立つがゆへなれば也
●処暑 (しょしょ) 8/23頃
気とどまりて初めて退きやまんとすれば也
●白露 (はくろ) 9/8頃
陰気ようやく重なりて露にごりて白色となれば也
●秋分 (しゅうぶん) 9/23頃
陰陽の中分となれば也
●寒露 (かんろ) 10/8頃
陰寒の気に合つて露むすび凝らんとすれば也
●霜降 (そうこう) 10/23頃
 つゆが陰気に結ばれて霜となりて降るゆへ也
<ここまでが秋>
●立冬 (りっとう) 11/7頃
 冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也
●小雪 (しょうせつ) 11/22頃
 冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるがゆへ也
●大雪 (たいせつ) 12/7頃
 雪いよいよ降り重ねる折からなれば也
●冬至 (とうじ) 12/22頃
 日南の限りを行て日の短きの至りなれば也
●小寒 (しょうかん) 1/5頃
 冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故益々冷る也
●大寒 (だいかん) 1/20頃
 冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也
<ここまでが冬>

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