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ビリー・ワイルダーコミュの「乾杯 ビリーワイルダー」

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突然失礼します。
先日、六本木で、ドイツ脚本家時代のワイルダーの処女作と言える作品を2本観ました。活動弁士澤登翠さん主催のものです。ピアノ伴奏つきです。

1本目『火の玉レポーター』(『悪魔の記者』と自伝類には紹介されたもの)。
草野仁のようなマッチョのエディ・ポロ扮する記者が、金が無いのか、走って延々車を追いかけるのが間抜けで笑ってしまう。そして、ちゃっかり追いつくのだから、当時の(1929年)クラシックカーは遅かったのである。ドイツの映画人も当時は、やはりチャップリンやキートンに憧れたのか、それっぽいアクションで車から車へとマッチョ・エディが飛び移るシーンがあり、決して身軽な感じのしない彼が飛び移るのが痛々しい。
13人もの令嬢をまとめて誘拐しようとする強引な展開。13人も人質がいたら手に余るだろうに…。101匹ワンちゃんの誘拐に近いノリ。令嬢たちのサービスカットもあり、娯楽作としてそつなくまとまっているが、流石にワイルダーも若い頃は(この頃23歳)緻密な脚本とは言いがたい。本人も、「酷い映画、ちょっとしたアイデアからのでっち上げ」とコメントしている。13人もまとめて乗れる長〜いクラシックカーを見るだけでも価値あり。

2本目『日曜日の人々』
ワイルダー以外にも、ローベルト・ジオドマク、フレッド・ジンネマン等、後の巨匠監督が参加している伝説の佳作。カメラマンは後に『ハスラー』を撮るオイゲン・シュフタン。まさか、日本で拝見できるとは!! ちょっと興奮した。ワイルダー関連の本には必ず載っている幻の作品。何でも見られる時代ですね〜。
とある日曜日の若いカップルたちのデートを描いた、スケッチ的、セミドキュメンタリー的小品。しかし新鮮。とてもサイレントとは思えない。今の“ぴあ”なんかに投稿するアマチュア作家が、知人の男女を使って撮るような、シンプルだが現代的な作品。だから全然古い感じがしない。上映中の『パリ・ジュテーム』の中の挿話として入れても違和感が無い位。というか、77年前も今も若者のやることは変わらないということか。2本ともサイレントなのだが、『火の玉〜』が今見ると古色蒼然なのに対して、こちらの若者の姿は永遠に輝いている。出演者が生きていれば100歳近い計算になる訳で、それを思うといつの時代にも青春はあるんだなと溜息が出る。
素人俳優を使い、オールロケで撮影、シナリオというより即興的演出など、その後に来るイタリア・ネオ・リアリズモやヌーベルバーグの先駆けのような実験的作品。ルノアールっぽい。必見である。素人でも出演者は芸達者で、それぞれキャラがハッキリしている。女の子が可愛く、男はアホ面である。

4/8(日)に世田谷美術館で再演するそうです。詳細は『マツダ映画社』のHP参照。二本立て1500円、安い!!!

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