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コミ・セミNETコミュのコミュニケーションが足りない

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 遠出をしなかったゴールデンウイーク中に、新宿の映画館で日本人のアカデミー助演女優賞ノミネートで話題を呼んだ「バベル」を見た。モロッコ、日本、メキシコと国境を越え、4つのエピソードが絡み合っていく見ごたえのある作品だ。

 登場人物が「助けてほしい」「分かってほしい」、でも通じないという「コミュニケーション不全」の状況が繰り返し展開する。「コミュニケーション」への危機感という現代の普遍的なテーマを再認識させる物語だ。

 社員に増え続ける「心の病」の改善に取り組む都内の人材派遣会社を取材したことがある。同社によると、発症はパソコンに黙々と向き合うエンジニア職に圧倒的に多いという。

 やはり、人間は命の通うものと触れ合うことが生きていく上で欠かせない生き物なのだろう。一日中パソコンと向き合っている時の独特の疲労感は、多くの人が想像がつくはずだ。インターネットを使って世界の情報を収集できてメールで「会話」するコミュニケーションツールであるパソコンが、一方で人間同士のコミュニケーションを希薄にしているのは皮肉ではある。

 現代のヒット商品には、「コミュニケーション」をテーマにしたものが多いという。ちょっと前なら、画面の中のキャラクターを育てる「たまごっち」、インターネットの会員制サイトのミクシィなど「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)」、個人が不特定多数に情報発信できる「ブログ」、そもそも携帯電話もコミュニケーションツールだ。ブームとなって久しいペットも愛情を注ぎ触れ合う「コミュニケーション」の対象だ。

 だが、コミュニケーションを便利にしたはずのこれらを使えば使うほど人間同士の生身の触れ合いの機会が減るのはどうしてだろう。つながっていたい、でも摩擦は避けたい究極の人間の心理が、モノを介してのコミュニケーションを選択したということか。

 2007年5月6日 産経新聞
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/50636/

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