あなたの好きな作家コミュの私のおすすめ本「ダルタニウスの苦悩」（嶋村伸夫著）

この作品は、3部構成になっている。第１部がエッセイ、２部が詩、俳句など、３部が詩劇。１部のエッセイでは時事問題を独自の目線で論評、また人体や言語論。あるいは思想を扱うなど大変内容が幅広く、政治・教育などから歴史、文学まで縦横に語る読み応えのある内容だ。詩では、まさに命をテーマに、失われつつある生命への尊さや、生と死、個と社会といった深遠なテーマも謡っている。行き先を見失いつつある現代日本社会を鋭く深く批評する社会評論的な詩も含まれている。また、３部の哲学的なテーマを内包してい、ギリシャ神話をモチーフとした詩劇は、日本文学界に新たなジャンルを切り開いている。権力と破滅、生と死、その中での人間の愛と苦悩は、時代を象徴しうる知的好奇心を刺激して止まない。おおいに社会への目を根底から開かせてくれる、ひさびさに読み応えのある作品です。

全国書店で発売です。ネットでは　http://www.7andy.jp
定価　1470円(税込み)