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科学は愛ですコミュのグーグルの科学者、量子コンピュータを使ったデモを実施へ

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http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20360784,00.htm

 Googleの科学者が米国時間11月12日、量子コンピュータのデモンストレーショ
ンに参加する。しかし、他の科学者らは、公開されるシステムの有効性を疑問視
している。

 ネバダ州リーノーで開催のスーパーコンピュータ関連のカンファレンス「SC07」
で行われるセッションの中で、Googleの画像認識の専門家であるHartmut Neven
氏が、ある機器を使って画像認識アルゴリズムのデモンストレーションを行う。
この機器は、新興企業のD-Wave Systemsが開発したもので、世界初の実用的な量
子コンピュータと言われている。

 同システムは、世界初の商業的に実現可能な量子コンピュータといわれている。
このコンピュータは、1つのシステムのさまざまな量子状態を利用して複数の計
算を同時に行うことにより計算の迅速化を図るというものだ。そのようなシステ
ムでは、あらゆる可能な量子状態が存在する。そのため、仮定の話だが、量子コ
ンピュータは、時に「パラレルユニバース(並行宇宙)」と呼ばれるものの中で、
ある問題に対するあらゆる可能な回答を同時に検証することにより、最適な回答
を導くことが可能だ。

 そもそも量子コンピューティングは、1980年代にノーベル賞受賞者のRichard
Feynman氏が提案し、David Deutsch氏がその詳細な説明を行った。その後、量子
コンピュータの開発には時間がかかっている。その理由は、複数の量子ビット
(qubit)を持つシステムを開発した上で、それらの量子ビットを「コヒーレン
ト状態」に維持し、さまざまな量子状態が同時に、かつ有用な作業を行うのに十
分な時間、動作可能にするのが困難だったためだ。長い「デコヒーレンス時間」
を得るために、量子コンピュータは外界からの完全隔離を余儀なくされてきた。

 ベンチャーキャピタリストからの資金援助で設立され、カナダのブリティッシュ
コロンビア州に拠点を置くD-Waveは、いわゆる「断熱量子コンピューティング」
を使ってこの問題を解決したという。断熱量子コンピューティングでは、特定の
問題を解決するために設計された機器が「アニーリング」と呼ばれるプロセスを
通じてその問題の答えを決定する。D-Waveの最高技術責任者(CTO)、Geordie
Rose氏によると、そのシステムは熱雑音で動作可能なため、デコヒーレンス時間
は問題にならないという。

 D-Waveは世界で唯一の商用量子コンピューティング企業だ。同社はこれまでに、
Draper Fisher Jurvetson、GrowthWorks、BDC Venture Capital、Harris &
Harris Group、British Columbia Investment Managementなどのパートナー企業
から総額4400万ドルの資金を調達した。同社は2月に、16個の量子ビットを持つ
「Orion」と呼ばれる量子コンピュータのデモを行った。しかし、査読誌でデモ
の結果が公表されなかったため、学者らは、D-Waveがデモを行った量子コンピュー
ティングが本物なのか疑念を抱いた。

 カナダのウォータールー大学量子コンピューティング研究所所属の理論計算機
科学者、Scott Aaronson氏は次のように述べ、D-Waveの姿勢を批判した。「科学
者たちはD-Waveに対し、同社が実際に成し遂げた斬新な成果について質問したが、
同社は過去1年間、それらの質問には回答せず、これまで以上に最低レベルの商
業主義企業に成り下がったようだ」

 Aaronson氏は、Orionは恐らく古典的なコンピュータだろうと指摘する。同氏
は、夏にGoogleの複数のオフィスで行った講演で「D-Waveが開発したのは、16の
超伝導量子ビットを持つ機器と思われる」と語った。Aaronson氏によると、この
量子ビットは、情報をシステム内に送り込み、古典ビットと同様の動きをすると
いう。「ようするに、それは、D-Waveが実際に開発したものを表現するなら、16
ビットの古典コンピュータが最もふさわしいという証左と一致する。私の言う16
ビットとは、アーキテクチャのことではなく、実際のビット数が16個という意味
だ。それについてはすでに先行技術が存在する」(Aaronson氏)

 カリフォルニア大学バークレイ校でコンピュータサイエンスの教授を務める
Umesh Vazirani氏は、仮に量子ビットが実際に古典ビットと同じ動きをするとし
ても、同じ結果が出るだろうと語る。「(量子ビットが古典ビットのように動い
たとしても)デモの結果と一致するだろう。なぜなら、デコヒーレンス状態にあ
る量子ビットは古典的なランダムビットと同様の動きをし、断熱コンピュータは
シミュレーテッドアニーリングを実行している古典コンピュータと同様の動きを
するからだ」(Vazirani氏)

 しかし、D-WaveのRose氏はこれを否定するとともに、そのシステムはさらなる
進歩を遂げたと語った。「われわれはデモを行って以来、われわれのプロジェク
トのサポートインフラの開発を行ってきた。また、そのインフラを使って、7つ
の世代のプロセッサプロトタイプの設計、構築、テストを行った。各世代のプロ
トタイプでは、商用プロセッサの性能および拡張性に関する特定の問題に焦点を
当てている」とRose氏は語る。同氏によると、SC07では、28個の量子ビットを使
い、Neven氏と共同開発したアルゴリズムのデモを行うという。Neven氏は、
Googleが2006年に画像処理企業のNeven Visionを買収して以来、Googleに勤務し
ている。

 Rose氏によると、D-Waveはまだ同社のシステムを対外的に実証していないとい
う。「(なぜなら)この種の技術を実証する上で有意義な手段は1つしかないか
らだ。このシステムの性能は、人々が関心を持っている測定基準で、現在一般に
利用されているシステムの性能を上回るか。われわれはもう少しでこの目標を達
成する」

(2007年11月12日 CNET)

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