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科学は愛ですコミュの作家・広瀬隆が改めて警告「東海地震の危機」

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日本の活動家が新たに迫りくる「核地震」に警告を発する
( Japan activist warns another 'nuclear quake' looms:3月31日英語版配信分)

http://www.wa-dan.com/article/2011/03/post-78.php
[週刊朝日]
作家・広瀬隆が改めて警告「東海地震の危機」「浜岡原発は止めるべきだ」

週刊朝日2010年11月26日号配信

マグニチュード(M)8クラスの東海地震が起きれば、浜岡原発が破壊され、末期的な大事故が起こる−−。作家の広瀬隆氏(67)は近著『原子炉時限爆弾 大地震におびえる日本列島』(ダイヤモンド社)で、警鐘を鳴らした。原発事故の危険性を訴えた『危険な話』から23年、本当の危機が迫っているのか。改めて聞いた。



−−『原子炉時限爆弾』では、地球の内部構造から地震の起こるメカニズムを説き起こして、「原発震災」の危険性を訴えています。今なぜ、この本を書こうと思ったのですか。

 ここ数年、浜岡原発に近い御前崎が年々沈み込んでいるデータや、プレートのひずみの蓄積がわかる海底音波探査の結果などを見て、東海地震が近いのではと心配して調べていました。

 静岡の人たちに呼ばれた講演でそんな話をしようと思っていた矢先の昨年8月、駿河湾地震(M6・5)が起きたんです。とにかく浜岡原発のやられ方がひどかった。「これは心配だ」と思っていたら、太平洋を中心に地震が相次ぎました。

 昨年9月にはスマトラ沖(M7・6)、サモア(M8・0)、10月にはバヌアツ近海(M7・8)、今年2月のチリ沖はM8・8ですからね。これだけ地震が続いても、報道では「地震があった」としか言わないけれど、どう見ても太平洋プレートの動きが関連しているとしか思えない。「天災は忘れたころにやってくる」の「忘れたころ」とは、今ではないのか。そんな思いがありました。

−−昨年8月11日の駿河湾地震は、浜岡原発がある静岡県御前崎市などで震度6弱。東名高速の路肩が崩れて、お盆の帰省客が足止めをくらいました。浜岡原発では4号機と5号機が緊急自動停止しました。

 浜岡原発の被害は、予想を超えるものでした。中でも耐震性がいちばん高いと言われていた5号機の揺れが最も激しくて、被害が集中しました。10センチから15センチの地盤沈下が起きて、原子炉で発生した蒸気を配管で引き込んで発電するタービンがある建屋は、コンクリートの壁にひびが入った。原子炉の核反応を止めるための制御棒を動かす駆動装置の一部も故障しました。今も点検が続いていて、5号機は止まったままです。

 あのときは長野にいたのですが、ドーンと大きな揺れが来て、テレビをつけたら震源地が駿河湾だというから、ぞっとしました。

 07年7月にはM6・8の新潟県中越沖地震が起きて、柏崎市で震度6強を記録し、想定を超える揺れに襲われた柏崎刈羽原発で変圧器が火災を起こすなど大被害が出ました。それでも、地震学的には小地震です。悲しいかな、あんなに怖い地震でも。

 M8・0から8・5と予想される東海地震は、立っていられないような激しい揺れが1分から2分続くといわれます。地震のエネルギーでいうと、昨年の駿河湾地震の178倍から1千倍もの大きさがある。安政東海地震(1854年、M8・4)では御前崎の周辺が1〜2メートル隆起したことがわかっています。昨年の小地震でもあれだけひどくやられたのですから、1メートルも隆起したら原発の配管が持つわけがない。建物が傾いて、蒸気と高温の水が循環する配管はめちゃくちゃになってしまうでしょう。

◆大事故の放射能、3日で東京覆う◆

−−配管が弱点だと?

 配管が破断して、原子炉を冷やす水の供給が止まれば、ウラン燃料が灼熱状態になって溶け落ちるメルトダウンを引き起こして、大事故につながります。非常時に水を炉心に送り込む緊急炉心冷却装置も金属パイプでつながっています。

 原発は、核分裂で発生する熱で蒸気を発生させてタービンを回して発電する。発生した蒸気は、復水器という熱交換機で海水を使って冷やされて水に戻し、原子炉を循環している。水蒸気と水が流れるパイプは、すべて一本の回路でつながっているので、どこが切れても熱を奪えなくなる。世界的な原発論争で最大の論点になってきたのも、この配管破壊による「冷却材喪失事故」だったのです。

−−昨年の駿河湾地震では制御棒の駆動装置の故障も報告されています。

 原子炉を止めるには、中性子を吸収する制御棒を使います。浜岡原発のような沸騰水型の制御棒は四つのブレードを持つ十字型で、燃料体のすき間に下から挿入する。縦揺れと横揺れが同時に襲ってくると、周囲にぶつかって正常に挿入できなくなる可能性がある。

 電気系統が破壊されることも考えられます。浜岡原発では、チェルノブイリの原発事故が起きた2年後の88年、1号機で無停電電源という絶対に停電してはいけない電源がストップした事故が起きています。水を循環させる再循環ポンプや制御棒の駆動装置が止まった。記録計も止まってしまい、何が起きているのかわからなくなった。最後は手動で原子炉を止めたのですが、大惨事につながる恐れのある事故でした。

 沸騰水型の原子炉では、配管などが壊れなくても地震で核暴走が起きる可能性があります。93年の宮城県北部地震では、わずか震度4の揺れだったにもかかわらず、近くの女川原発で核分裂を起こす中性子の数がガッと上がって、原子炉が止まってしまった。

 核暴走の瞬間的な反応を計器がとらえ、自動的に制御棒が挿入されたのです。83年と87年に同じ沸騰水型の福島第一原発でも、小さな地震で同様に中性子数が異常上昇しました。

 沸騰水型では燃料棒の周りにあぶくがたくさん出ていて、その効果でウラン燃料の核分裂が一定の割合で継続している「臨界状態」になっています。ここに地震がドーンと来ると、沸騰したやかんをドンと置いたときのように、あぶくが消滅する。すると瞬間的に核分裂の連鎖反応を促進する中性子が増えるのです。

 中性子数の異常上昇は別の原因を挙げる報告書もありますが、いずれにしても沸騰水型の弱点として、小さな地震でも核暴走が起きる危険性に変わりはない。浜岡原発も沸騰水型なので、一瞬のうちに核暴走が起きる可能性があります。

−−本の中では、原発の大事故が起きると「日本は『放射能汚染地帯』の烙印を押されて世界貿易から取り残され、経済的にも激甚損害を受けて廃虚になると考えるのが、最も妥当な推測だろう」と書かれています。

 浜岡原発が大事故を起こしたらどうなるかというと、風速2メートルほどのそよ風でも、3日くらいで首都圏、中部経済圏、関西経済圏が大量の放射能で覆われてしまう。ここの人口を合わせると7千万人以上です。本の中の事故のシミュレーションでは、この時点で「100万人をはるかに超える人たちが肉体的な被害を受け始めた」と書きました。

 87年に『危険な話』を書いたときは、チェルノブイリの事故が起こった直後だったので、原発事故は本当に起こることだと、みんなが理解していました。今は忘れてしまっています。危険は何も変わっていないし、老朽化が進んで、地震が来なくても原発事故はいつでも起こりうるのです。
 若い世代が心配です。かわいい孫を見ていると、「この子たち大丈夫なのかな」と思いますよ。これから生きていく人たちが、このままいったら非常にまずい状態にあるのに、ボーッとしている。やっぱり僕はメディアの責任が大きいと思います。記者の人が自分の頭で考えて、原発事故の危険性について、しっかり伝えてほしいと思います。

−−本の中では地球の成り立ちから説き起こして、地震発生のメカニズムをわかりやすく解説しています。

 伊豆半島が太平洋から動いてきて、本州にぶつかってくっついたなんて知ってました? 「この本を読んで初めて知った」と言う人が多いですね。あまり細かい議論をするよりも、もっと大局的に、日本の成り立ちそのものが、地震が必ず起きる、とんでもなく危ない国だと知ってほしい。

◆巨大地震が続く活動期に突入か◆

 江戸時代の地震活動を調べると、どれもみんなすさまじい。1703年の元禄大地震(M8・1)、1707年の東海・南海地震(M8・4)。2カ月後の富士山の宝永大噴火では江戸まで全部灰に埋もれている。

 今の日本が、このような活動期に入っているかどうかはわかりませんが、起こっていることがあまりにも似ているので、当時と同じ力が作用している、と思います。

 76年に浜岡原発が営業運転を始めた5カ月後、当時東京大学理学部助手だった石橋克彦先生(神戸大名誉教授)が古文書で過去の地震を調べて、東海地震の周期説を打ち出しました。

 このような地震発生のしくみや地球物理学の知見をまとめるかたちで、『原子炉時限爆弾』の中では「地震と地球の基礎知識」も書きました。大陸移動説から日本の成り立ちを説明し、地球の原理をまとめました。ここは、楽しみながら読んでほしい。東海地震の起きるしくみを理解すれば、浜岡原発の危険性がだれにでもわかるはずです。

 今回、放射能の危険性についても、あえて基礎的なことから書いたのは、知らない人が多いからです。原発を取材している記者からも「『死の灰』って何ですか?」と聞かれました。記者の人たちに、私たちが原点を説明してこなかったこともいけない。もう一度、きちっと伝え直さなければ、多くの人が原発に反対している理由も、わからないでしょう。

−−政府の地震調査研究推進本部によれば、東海地震は30年以内に起こる確率が87%とされています。

 いつ起こるかはわからないけれど、近い将来に東海地震は必ず起こる。起きてしまえば壊滅的な被害を受けるという意味で、原子炉はまさに時限爆弾です。まずは東海地震の震源域に建っている浜岡原発を止めなければいけない。逆に言えば止められるんですよ。

 クリーンで原発よりもはるかに熱効率がいい最新鋭の火力発電所を、中部電力も建設すると発表しています。電力供給の点からいえば、浜岡原発が止まっても問題はありません。大事なのは世論です。みんなが危険性に気づけば、浜岡原発は止められるはずです。 (構成 本誌・堀井正明)

    *

ひろせ・たかし 1943年生まれ。作家。早大理工学部応用化学科卒。原子力の危険性を訴えてベストセラーになった87年の『危険な話 チェルノブイリと日本の運命』(八月書館)、近刊『二酸化炭素温暖化説の崩壊』(集英社新書)など著書多数

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