科学は愛ですコミュのイスラエル政府が、イスラエル・アラブ人の町への経済支援案を開始する

（ラエルサイエンス英語版３月２２日配信分）
Source: BBC
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/8576282.stm
　イスラエル内閣は、長い間不平等と差別の歴史に苦しんだイスラエルのアラブ人に、
２億１４００万ドルの投資案を支援することにしました。

イスラエルのアラブ人団体は、このニュースに対し用心深く歓迎の意を示しましたが、それは
昨年のイスラエル・アラブ人への予算削減をただ埋め合わせるものでは、と述べました。

イスラエルの人口の約２０％は、１９４８年にイスラエルが誕生した後もその地に残った、
アラブの人々です。

イスラエル政府は今年ＯＥＣＤ（経済協力開発機構）に加盟しようとしています。そのため、
イスラエル政府はＯＥＣＤから、イスラエル人とイスラエル・アラブ人の間の富裕格差問題に
取り組むよう圧力を受けています。

「水面下のこの経済支援案は、政府の政策方向を劇的に変えるものです。」と少数派担当の
イスラエルの大臣、Avishai Braverman は言います。

　　イスラエルのアラブ人

・　イスラエルの人口の５分の１、約１２０万人は、イスラエル・アラブ人である。

・　彼らはイスラエル市民だが、広く差別に直面している。

・　前イスラエル首相 Ehud Olmert は、イスラエル・アラブ人が長い間差別を受けてきたのは
疑いようのないことである、と述べた。

・　アラブ系イスラエル人は、イスラエルの土地の２．５％を所有し、政府の支出の３．５％を
占め、ユダヤ系イスラエル人よりはるかに高い貧困状態にある。

・　１２０の議席の内、アラブ系イスラエル人は１３席を占め、１０人がアラブの政党を代表
している。

　この支援案は、５年にわたって、８億シュケルを１２のアラブ人地域の住宅や交通網などの
経済基盤に投資するものです。同時に地域内の暴力も減らす予定です。

イスラエル・アラブ人の地方自治体の公共施設は、ユダヤ人の地域のものより劣悪で、学校の
教室が足りなかったり、道路も老朽化しています。地元の人々の雇用機会も不足しています。

イスラエル首相ベンジャミン・ネタニヤフは、イスラエルのアラブ人の人口の「秘めた可能性は
まだ実現化されていない」と述べ、この計画がもたらす経済の成長と平等性が、イスラエル社会を
変えそうである、と述べています。

イスラエル当局は、この計画はイスラエル・アラブ人の雇用率、特に女性の雇用率を上げ、
国全体の経済成長を押し上げるだろうと述べています。

しかし、この経済支援案は、イスラエル・アラブ人が頻繁に差別があると主張している教育問題
には取り組みません。

イスラエル・アラブ人の権利を主張しているモッサワ・センターのJafar Farah は、この支援案
の発表は何年にもわたる運動の成果であると述べています。

しかし、彼はこう述べています：「私たちは、長年、（イスラエルのアラブ人の状況を改善する）
政府の決定は、法律制定すら履行されたことがないことを経験しています。」

昨年のイスラエル政府の予算削減で、アラブ人の地方自治体への資金が２億５千万シュケル減少
した、と Farah 氏は述べています。

Farah 氏は、この新しい経済案は本質的にこの削減された分を埋め合わせるだけのもの、と述べて
います。

イスラエルは、裕福な国の集まりであるＯＥＣＤに参加できそうな位置にいます。

しかしＯＥＣＤは、イスラエルは社会の主流の人々とイスラエル・アラブ人、超保守的なユダヤ人と
の間の富裕格差を解消すべき、と発言しています。

イスラエル・アラブ人の約５０％は貧しい生活を送っており、超保守的なユダヤ人は６０％が貧困層
です。

イスラエル全体では２０％の人々が貧しい生活をしており、この数字はＯＥＣＤの貧困層の平均
１１％を明らかに上回っています。