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科学は愛ですコミュのIBM社が最新研究内容を明らかに、単一原子メモリーなどのデモ披露

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http://www.eetimes.jp/contents/200708/24625_1_20070831203633.cfm

 記録密度が最も高いハード・ディスク装置(HDD)でも、たった1ビットの情報
を記録するのに約100万個の磁性原子を使用している。こうした中、米IBM社の
Almaden Research Centerは、1ビットの情報をたった1個の原子を使って記録で
きるメモリー技術を開発したと発表した。この技術が実用化されれば、記録容量
が極めて大きいHDDが実現できるようになる。さらに同社は、Zurich Research
Labにおいて、分子スイッチのデモを披露したことを明らかにした。分子スイッ
チは、半導体技術を利用したプロセッサの置き換えを目指して開発を進めている
もので、この技術を利用すればスーパーコンピュータの機能を粉末ほどの大きさ
のチップに実装できるという。

 IBM社は、原子メモリーを適用したHDDに、既存技術によるHDDの約1000倍に相
当する情報を記録できることをデモで証明した。このHDDが実用化されれば、
「iPod」程度の大きさの機器に、約3万本の映画を収めることが可能になる。

 現在のHDDは、そのほとんどが垂直磁気記録方式を採用している。この方式で
は、従来の面内磁気記録方式とはまったく異なる磁性体を使う。垂直磁気記録方
式では、隣り合った磁性素子が引き合う力(磁気異方性)を利用することで、記
録密度を高めている。そのため、この方式に対応した記録媒体の開発時は、1ビッ
トの情報を記録する性能を表す磁気異方性を記録媒体ごとに測定することが必要
になる。

 Almaden Research CenterのScanning Tunneling Microscopy Labでマネジャー
を務めるAndreas Heinrich氏は、「われわれは、1個の磁性原子の磁気異方性を
計測することに成功した。1個の原子を取り出して磁気異方性を計測し、その原
子の隣に別の原子を置いて、(最初の原子の)磁気異方性にどのような影響を与
えるのかを観察した。この結果、極めて高い記録密度を開発する方法を発見した」
と説明する。

 今後IBM社では、さまざまな原子の磁気異方性を室温で測定する考えだ。この
結果、性能が安定した超高密度記録材料を見つけ出し、それを使ったHDDの実用
化を目指す。同社のサイエンティストであるCyrus Hirjibehedin氏は、「次に目
指すのは、磁気材料と媒体の最適な組み合わせを開発することだ。組み合わせて
も、磁化方向が安定していて、スピン方向が簡単に反転する材料を採用した新し
い媒体の開発を目指している。こうした記録材料を使ったデモを2〜3年後には披
露したい」という。

 さらに同社は、現在使われている半導体チップの置き換えを目指して、国際半
導体技術ロードマップ(ITRS:International Technology Roadmap for
Semiconductor)委員会が定める目標値よりも小型でありながら、理論的には
CMOSチップの処理性能を上回る分子スイッチの開発に取り組んでいる。

 Heinrich氏は、「半導体チップが発明されて以来、性能向上に向けた微細化が
常に課題だった。しかし、電子の波長は約10nmであるため、原子1個分の大きさ
である1Å(0.1nm)にまで加工寸法を微細化するのは不可能だ、コンピュータ処
理やデータ伝送を原子レベルの微細加工寸法で製造したチップで実現したいので
あれば、半導体に代わる技術を開発するしかない。それがZurich Labが取り組ん
でいる研究だ。分子サイズの新しい構成要素(ビルディング・ブロック)の開発
に取り組んでおり、Si(シリコン)基板上に作成した回路とCu(銅)配線を使う
現在の半導体技術を置き換えることを目指している」と語った。

(2007年8月31日 EE Times Japan)

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