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アンリ・ベルクソンコミュの第7回ベルグソン読書会(「哲学的直観」を読む)

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第7回

 すみません、一日遅れてしまいましたね。すっかり夏も終わって、なかなか忙しくなってきているので、こういうこともあります。

(第14段落)この段落は、バークリの哲学についてベルグソンの抱いたイメージを記述しています。物質とは、「人間と神との間の薄い透明な膜」だという( la matière comme une mince pellicule transparente située entre l'homme et Dieu)。実に示唆的な表現ですね。ベルグソンがバークリをどう読んだか?そして、それを『物質と記憶』の中にどう反映したかというのは実に興味深く感じられます。透明なというのは、要するに「非物質」即ち「精神」ということです。バークリによれば、物質とは観念に他ならない。観念の形で僕らの知覚にあらわれてくる。知覚上の諸観念は、神によって支えられているわけです。従って、これらの物質=観念を通じて、神が我々に語りかけていることを「聞く」ことが出来るというわけです(la matière serait une langue que Dieu nous parle.)。ところが、普段我々は常識的にはそうは考えていない。ものはものだと思っている。それで、こういった常識的な見方に従って形而上学を打ち立てるとすると、デカルトにように、実体だ、力だ、延長だといった言葉が出てくるわけです。こうなってくると、物質=観念は、たちまち重さを帯びてきて、透明ではなくなってくる。物質が実体化されれば、神の意図も見えなくなるというわけですね。これがベルグソンの抱いたイメージです。

(第15段落)さて、ここも大切なところですね。ベルグソンは、哲学の表現手段をイメージと概念だといいます(Nous n'avons que deux moyens d'expression, le concept et l'image.)。概念は、哲学体系の構成要素ですね。いままで見て来た「部分」です。これらは、その自体に流布していた観念であることが多い。哲学者たちは、それらを採用して自分の哲学を語っているわけです。それで、これらの構成要素を見ていたのでは、その哲学体系の独創性も、全体像も見えてこない。体系をひとつのイメージとして捉える必要がある。ところで、ここでもう一つの概念というのが登場しますね。このもう一つの概念は、イメージを図式化したものです。従って、「前の概念よりも、さらに漠然としていて、さらに一般的な」概念なわけです。それで、この概念が、イメージを「抽象的公式」(la formule abstraite)に換えたものということになります。最初のイメージに比べれば、実に無味乾燥で空虚なものだ。ところが、公式であるからに単純であるという利点があるわけです。従って、前の概念(つまりは構成要素)はここばらばらでこれをこのままの形で扱っていたののでは、ごちゃごちゃしていて本質的なものは何も見えてこない。公式の利点はここにあります。これらの構成要素をこの公式にのっとって整理してみれば、じつにうまく体系を単純化することが出来るというわけです。そして、この公式とともに、「学説の中で弛緩し広がった形で述べられていたものが、緊張し集中した形で見出される点にまで登って」ゆこうというわけです(montons vers le point où se resserrerait en tension tout ce qui était donné en extension dans la doctrine )。そうすると、その中心から衝動(エラン)が生じてくるのを見ることができる。(nous nous représenterons cette fois comment de ce centre de force, d'ailleurs inaccessible, part l'impulsion qui donne l'élan, c'est-à-dire l'intuition même.)すなわちこの衝動(impulsion)が直観なわけです。これによって動かされた哲学者が別の時代に生まれたとしても、この衝動は、同じものなのだから、たとえ形が変わったとしても、出てくる哲学の中心は同じだというのです。

【次回予習範囲】
第8回(9月18日(日))まで、以下のとおり読んでおいてください。
  ?Quadrige版:
    始め:p133 11行目〜 La relationから
    終り:p134 10行目〜 tourbillon.まで。
  ?世界の名著版:
    始め:p125 下段 14行目〜
    終り:p126 上段 最終行「思想ではないのです。」まで

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