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片手の魔術師(小説)コミュの片手の魔術師第19話

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第19話 エルリック登場
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「なんだってんだ・・この数!!!」

ローマンドと、エルザドルが死闘を繰り広げる中カレワラの正門へ猛ダッシュをしていたカレワラ2番隊長ロビン。
エルザドル軍が城の中央付近まで攻めてはいたが、さすがはルアスの3本の指に入る実力者の軍。そうとうの数がなだれ込んでくる。

下級魔法使いたち、中級魔法使いたちが必死に食い止めていなければ、中央付近はもっとひどいことになっていただろう。
ちなみに、ここは第2部隊の担当なのだが、自由奔放がもっとうなので、ちらほらしか第2部隊の魔術師はいなかった。

ロビンもそんなことはとうに忘れている。
シャフラを見つけ次第、戦闘を開始する予定らしい。
魔力を温存している。

向かってくる兵士達をかきわけ、攻撃をよけることに必死になりながらも、ちゃくちゃくと向かっていっていた。


「にがさねぇ!白い悪魔!!!ルナスラッシュ!(月円斬)」

迫り来る戦士たちの攻撃があちこちから降りかかってくる。
さすがは鍛えられた戦士たちの攻撃だ。ロビンがその攻撃をすれすれでよけると、剣を振ったあとの風が地面を切り裂く。同時に、ロビンの着ていた白いマントに亀裂が入った。

「邪魔だ!!」

ロビンが攻撃をしてきた兵士に対して左腕で殴りかかる。
兵士達は持っていた盾でその攻撃をふせぐ格好へとなる。

「(馬鹿が!!この盾は超硬度を高めた ネムア という種類の盾・・魔術師ごときが・・・!?)」

ガツン
と、鈍い音がしたかと思うと、鉄職人に作らせた硬度のある盾をロビンの左腕が貫通してきた。貫通してきた腕は、戦士の顔に届く。

「どりゃあああ!!」

戦士を弾き飛ばすかのように腕を振るロビン。
戦士は2,3m飛ばされるほどの強力な打撃だ。同時に人ごみとなっていたため、周りの戦士も一緒に飛ぶ結果となった。

「・・・!?な、なんなんだあいつ!!ネムアを貫通したぞ!魔術師にはそんなに力がないはずだ!!」

ロビンによってたかっていた戦士たちは、立ち止まってしまった。ロビンの強力な一撃をみて、おじけづいてしまったらしい。誰一人とて動揺を隠せないでいた。

「・・・こんなとこで時間を費やしてる暇はないんだ!!仕方ない、魔法で蹴散らしてやる!」

そういうと、左腕を戦士たちが密集しているほうへ向けた。
先ほど、盾を貫通した腕をむけられた戦士たちは、一歩うしろへあとずさりした。

「オーブ一個分で・・いいだろう!」

左腕の中央辺りが、青く光る。白い布地の服をきているため、余計にその青色が目立つ。まばゆい光を放つと、手の甲に青い光があつまってきた。

その光からはいやな感じをうける戦士たち。
もっていた盾をかまえて、攻撃にそなえるものや、その場から逃げ出すものもいたが、そんなことはおかまいなしのロビン。

「エクスプロージョン!(爆発弾)」

青い光が、戦士たちのあつまる中に球体の形でそそぎこんだ。
たった、ひとつの小さな光が、ものすごい速さで小さな爆発を起こす。

次第に、その爆発が爆発をうんで、大きな爆発を引き起こす。
かたまって盾を構えていた戦士たちは次々と吹き飛ばされ、逃げ出している戦士たちは小さな爆発に足をとられ、大きな爆発に巻き込まれる。あたりに煙が立ち込める。


あちこちで、地面に臥している戦士たち。その姿をみるやいなや、ロビンは立ち止まることなく、足を運ぶ。

「わりぃな・・俺はやつを討たないと。この頭のズキズキがとれねぇんだ。」

白いマントをばさばさとさせながら、倒れている戦士たちをよけるようにして進んでいる。


だが、ルアスの戦士たちの数はロビンが想像している以上だった。先ほど、倒したばかりの戦士たちとは違う別の隊が門から次から次へと入ってきたのだ。
それを目で確認し、一度足をとめた。その部隊の中から やつ の気配がするからだ。

おそらく、やつで間違いない。ぴりぴりとした鋭い視線を感じているからだ。

そんなことをおかまいなしか、ルアスの部隊たちはロビンに向かって猛ダッシュをしてくる。先ほどとは違い、皆戦いに手馴れているようで、殺気が違う。

そんなときだ


白い鎧、白い髪の2mぐらいある大男がその部隊から飛び出してきて、ロビンをもっていた剣で攻撃する。
あまりに突然のことだったが、奇襲があると感じていたのでぎりぎりのところでロビンはそれをよけるが、剣から生じる空気によって、服の一部に亀裂が入った。

そして、横にふってきた剣をすばやく右手に持ち、上から剣を振り下ろす形で白い戦士が攻撃をしてきた。
ロビンはすれすれのところで、地面を転がりその攻撃をよける。

剣がつきささった地面は深くえぐれ、地面におおきなひびが入っていた。その攻撃をくらっては負傷するだけではすまされないことを一目で感じてしまった。


その男は一度見たことがある。

「・・・この前の奇襲のリーダーか。」

中腰の姿勢で、すくっと立ちながらその白い男にロビンは話しかける。白いマントが若干茶色に染まっている。

「あぁ。あの時は世話になったな。」

ツンツンの白い髪の毛で、たらこ唇の大男がロビンに語りかける。最初にルアスに奇襲をかけてきたときのリーダー シルバーグ だ。

ぴりりとした視線はこのシルバーグによって放たれたものだった。ロビンはそのことにすこし残念な気持ちを感じたが、前着たときと雰囲気が違うので、すこし恐怖を感じていた。
シルバーグを取り巻くオーラが、あきらかに大きいのだ。
一線を越えたものの強さを肌で感じていた。

「6000人の死んだ部下のためにも・・・シャフラのためにもオイはお前をここで討つ!覚悟!」

突き刺さった剣を引き抜き、両手に持った瞬間
右足で地面を強くけり、一瞬のうちにロビンに詰め寄る。
ふわっとした空気とともに、ロビンに一太刀を入れるシルバーグ。が、ロビンの左手が大きな盾となり、シルバーグの攻撃を防いでいた。

ガキンという鈍い音が響くと同時に、続けてシルバーグが攻撃をする。その攻撃をロビンは、盾に変化した左手で受け止めるのに必死になっていた。

「(ちっ、これじゃらちがあかねぇ!)」

すばやい攻撃からの、さらに連打の攻撃。攻撃は最大の防御なりといわんばかりに、連撃の嵐だ。
次第に、ロビンの体は後ろへと運ばれていく。

「その左手は、盾にも変化するんだな!」

その声が聞こえたかと思うと、次の瞬間、シルバーグは宙にとび、上から剣を振り下ろす形で体の体重を一気に剣にのせ、一刀両断をかましてきた。

さすがに、この攻撃を左手で受けるにはリスクがありすぎるので、後ろに転げる形でその攻撃をよける。

ロビンはここまで自分のペースを崩されることがなかったせいか、少々戦闘においてあせり見せていた。

それを見ていたルアスの戦士たちが、転げたロビンに向かって攻撃を一斉にしてきた。シルバーグも負けじと、ロビンに追撃を食らわせようとする。

ロビンもその攻撃を地面を転がりながらよけたり、たまには左手をつかって攻撃を防いだりしていた。が、シルバーグの攻撃が左手でつくった盾にあたると、宙を舞う。
相当の衝撃が加わるのだ。他の戦士たちとは違う。

頭の芯がぐらぐらとゆれ、時には脳震盪のような錯覚にもなる。一時はまともに立てないほどの衝撃を受けてしまうのだ。

そんなときに、いっせいに攻撃を食らってしまう局面が着てしまった。気づけば後ろに、岩があり、まわりには無数の戦士たち。逃げ場所がなくなった状況になってしまった。
しまいには、先ほどシルバーグから強烈な衝撃をもらってしまったので、まだ視界がぼやけているし、まともに動くことすらできない。ここまで追い込まれたのは初めてで、ロビンはあせりにあせっている。


「覚悟!!!!」

シルバーグがこう合図すると、まわりを囲んでいたルアスの兵士たちはロビンに向かって一斉に走り出した。剣を上にかざし、ギラリと剣の刃の部分を光らせる。

「(正直なめてたぜ・・!!)くそったれがぁ!!!」

とりあえず、攻撃を防ぐために左手を大きな盾へと変化させ体を丸めるロビン。

目をつぶり、最期を覚悟したが・・・・

「・・・・・・・・・ん?」

ロビンが用意した盾おろか、ロビンに攻撃の衝撃がこないのだ。
目を開けて、構えた盾をゆっくりとはずすと、いっせいに攻撃を仕掛けてきた戦士たちがものすごく 遅く なっているのだ。止まっているわけではなく、ただ動きがかなり遅くなっている。そんな状況に、はっ!っとしながら、まわりをきょろきょろするロビン。

「・・・ふぅ。まにあってよかったよ。」

その声の先をみると緑髪のロング。さらさらとした髪質で、赤い着物に身を包んでいる。目が細めで、白い肌。
第1部隊の隊長 エルリック がそこに立っていたのだ。

「ロビンさんがここまで追い込まれるなんて、珍しいですね。」

「エルリック隊長。この遅くしているのはエルリックさんですか?」

と、なぜかエルリックには頭が上がらないロビン。自然と言葉が敬語になる。

「うん。僕の魔法 スロウ を使っているよ。時間的に1分間すべての行動が遅くなるんだ。今のうちに、先に進むんだロビンさん。ここは僕がどうにかするから。」

「し、しかしなんで先に進むことを知っているんですか?」

「そんなの僕の勘だよ。ロビンさんの表情を見ていれば、何かの目的のために進んでいるんだろう?この先にある何かを。」

まさに的確な言葉をいうエルリック。その言葉を聴いて、ロビンはコクッと小さくうなずくと、その遅くなっている戦士たちの間をするすると抜ける形で走り抜けた。


1分が立ち、戦士たちが元のスピードに戻ると、ぎょっとして一瞬立ち止まる。今までロビンを攻撃する形で攻めていたのに、そこにいたのは別の人であったからだ。

ロビンとはうってかわって、清潔な感じを漂わせるエルリック。だが、ロビンには負けないほどの魔力の持ち主だ。

「・・・お前だ誰だ。」

先陣をきってシルバーグがエルリックに問う。

「カレワラ城 第1部隊仮の隊長 エルリック。ここから先は僕が進ませない!」

そういうと、持っている本を右手に持ち、開く。

「そうか。あの白い悪魔を打つ前に貴様を討つ必要があるようだ!!!」

そういって、シルバーグは持っていた剣をつよく握り締める。自然と体に力が入る。まわりにいた兵士たちも同様に力を入れる。

「(なるほど・・ロビンさんが追い込まれる理由もわかる。あきらかにここの部隊は強い・・・。だが、僕はここで負けるわけには行かない!ロビンさん、頑張れよ!)」

細い目を大きくあけ、黄色い目でまわりの戦士ににらめを聞かせる。


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