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映画の森コミュのベンジャミン・バトン数奇な人生

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「もし、人が80歳で生まれ、ゆっくりと18歳に近づいていけたなら、人生は限りなく幸福なものになるだろうに」とマーク・トゥエインは言った。この言葉を受けて、フィッツジェラルドは奇妙な短編を書き上げた。これが「ベンジャミン・バトン〜数奇な人生」の原作である。この原作を元に「セブン」「ファイトクラブ」の監督のディヴィッド・フィンチャーが見事な映画を作り上げた。ベンジャミンに扮するのはブラッド・ピット、そしてその恋人にケイト・ブランシャットがなった。ネットを見ると割と好意的な批評が多かった。アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞など最多13部門にノミネートされている。
 物語の舞台はあのハリケーン・カトリーナで大被害を被ったニューオーリンズである。腕のよい盲目の時計職人の一人息子が第一次世界大戦に行き、戦死してしまう。それを悲しんだ彼は新しく駅に設置する大きな時計を作り上げるが、それは逆回転し過去に向かって時を刻むものだった。そうすれば、死んだ息子も帰ってくる。彼はそう信じていた。だがもちろんそれは叶わぬことだった。第一次世界大戦が終わった夜、ボタンで財産を築いたバトン家に赤ちゃんが生まれる。世間は勝利の喜びと戦争が終わったほっとした気分に溢れていた。慌てて家に戻ったバトンが見たのは、しわくちゃな見にくい赤ん坊だった。その上、愛する妻は出産に耐えきれず死んでしまう。衝動的に赤ん坊を外に連れ出したバトンは、老人ホームの入り口に赤ん坊を置き去りにする。たまたま外出をしようとしていたホームに勤務する黒人の心優しき女性のクイニーに引き取られ育てられることになる。医者に診せると長くは生きられない、80歳の肉体を持った赤ん坊と診断されてしまう。クイニーは彼をベンジャミンと名付け愛情を持って育てることにする。老人たちが生活をするホームの中に老人たちと容姿がそっくりの赤ん坊がいる。何とも奇妙なところからスタートする。
 彼はどんどん若返っていく。よちよち歩きを始める頃には、背も少しずつ伸び、膝もしっかりとして車いすでしか移動できなかったのに、立つこと、歩くことも出来るようになる。彼が12歳の時にホー
ムを訪れた少女デイジーと出会う。とても素敵な一時だった。しわくちゃな顔と眼鏡、小さな体。でも、顔はブラピ。6人の役者がブラピを演じたとの情報もあったが、特殊メイクだけではなく特殊効果の撮影には脱帽するしかない。
 17歳になったベンジャミンはホームから旅立つ。世界中を渡り歩くことになる。その時に彼はデイジーに約束をする。必ず手紙を書くと。船乗りとなり、ロシアでイギリスの大使の奥さんと懇意になったり、第二次世界大戦に参加したり。再びホームに戻ったときに、デイジーとの再会があった。そんなときに、ずっと子供を捨てたという思いがあったバトンが息子に全財産を譲る。しかし、デイジーはバレーの世界では大いなる才能を開花し、ベンジャミンとの生活は選べなくなっていた。一度は別れを決意するが、パリでの公演のある日。交通事故に遭い、膝に決定的な傷を負い、再起は不能となる。ベンジャミンはそんな彼女を支え、父親の財産を使って気ままな人生を過ごす。その時間は二人のそれぞれの時間の流れがちょうど一致している至福で二度と戻ってこない時間だったのだ。二人の間に女の子が生まれる。母親は確実に年を取る。でも、父親は若返っていく。ベンジャミンは娘が父親を意識しないぎりぎりの時を一緒に過ごすが、二人に財産を残して再び旅立つ。それから10年の時が流れ、再び彼女の前に現れた彼はとても若かった。デイジーは再婚してバレー教室の先生となっていた。その夜、簡単な挨拶をして分かれた二人だったが、ひょんなことから青少年保護施設からデイジーの元に連絡がはいる。ベンジャミン少年のことだった。どんどん若返るベンジャミン。デイジーは彼の世話をする決心をする。彼女は年を取り、ベンジャミンはどんどん若返っていく。
 実は冒頭は老女がベッドに横たわっていて、そこに娘が末期の母親を看取る準備をしているところから始まる。母親が手記のようなものを読んでくれと娘に頼み、それはベンジャミンの手記、すなわちデイジーと二人の物語だったのだ。その場面と上に書いたことが交互に現れる。そしてカタリーナが近づいてくる。病院はハリケーンへの対処でてんやわんやだ。手記を読み終えたとき、デイジーは息を引き取る。娘はたくさんの人生を母親の末期で共有する。
 メタファーとしてハチドリの話が出てくるが、最後に窓越しに見えるハチドリの影を見て映画は終わる。
 すべての生命は確実に年齢を加える。逆はあり得ない。80年の年月を生きるとして逆に年齢を重ねるとき、どんな喜びがあるだろうか?明るい人生になるだろうか?「若返り」は永遠のテーマだろうが、歳を重ねることの大切さというか、重さを考えての一作だった。この歳になるとそんなことも考えてしまう。

コメント(1)

この映画、ちょっと興味あります!みてみようかな!!!

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