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★★庄内★北十字星俳人協会★★コミュの一季語、二例句、一駄句

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季語を選び、その季語を使った句を選び、最後にその季語を使い、駄句を捻り出すトピックです。

コメント(43)

虫:むし
[動物]
虫の声
虫の音
虫すだく
虫時雨:むししぐれ
虫の秋
虫の闇
昼の虫
残る虫
すがれ虫
虫籠
虫売

秋鳴く虫の総称。鳴くのはいずれも雄である。虫の音色にはそれぞれ風情があり、鳴いている所・時・数によって趣も違う。その声を聞くと秋の寂しさが身に迫って感じられる。「虫時雨」は虫の鳴き競う音を時雨にたとえた語。「残る虫」は「すがれ虫」ともいい、盛りの時期を過ぎて衰えた声で鳴いている虫。

行水のすて所なき虫の声 鬼貫
父通り過ぎたるこの世虫時雨
小檜山繁子
虫時雨歩み緩める家路かな
三等歌
月:つき
[天文]
初月:はつづき
二日月:ふつかづき
三日月
新月
弦月:げんげつ
上弦の月
下弦の月
夕月
宵月
夕月夜
有明月
遅月:おそづき
月白
月夜
月の出
月光
月明:げつめい
月影

月は四季それぞれの趣があるが、そのさやけさは秋にきわまるので、単に 月といえば秋の月をさす。初月は旧暦八月初めのころの月。二日月は八月二日の月、三日月は同月三日の月。新月は天文学では朔の月をいうが、実際には見えないので俳句では三日月のこともいう。夕月夜は、新月から七、八日ごろまでの上弦の宵月の夜のことで、夕方出た月は夜にはもう沈んでしまう。この月を夕月という。月白は月が出ようとして空がほの明るくなること。月はいわゆる雪月花の一つで、古来大いに詩歌に詠まれ、物語の背景を支えてきた。
春の月(春)・夏の月(夏)・冬の月(冬)

月はやし梢は雨を待ちながら
芭蕉

月の人のひとりとならむ車椅子
角川源義
静けさや月の光と風の音
三等歌
梨:なし
[植物]

有の実
長十朗
二十世紀
新水
幸水
豊水
洋梨
ラフランス
梨園
梨狩り
梨売り

バラ科の落葉高木の果実で、果汁に富む。明治の中期以降、赤梨の長十朗、青梨の二十世紀が主な品種であったが、昭和三十年代以降甘味の強い新水・幸水・豊水が栽培の主流になった。最近では洋梨も普及してきた。

梨むくや甘き雫の刃を垂るる
正岡子規

青き梨我より高き子へ与う 寺井谷子

梨喰て空を眺める昼下がり
三等歌



秋扇:あきおうぎ
[生活]
秋扇:しうせん
秋団扇:あきうちわ
扇置く
団扇置く
捨扇
捨団扇

秋になっても扇や団扇はしばらくは使用される。使うこともまれになったものが置かれたままになっているのが、「捨扇」 「捨団扇」で何となく侘しい。
扇(夏)

秋扇もてなしうすく帰しけり

佐野美智

秋扇生まれながらに能役者

松本たかし

捨て団扇過ぎ行く日々の名残かな

三等歌
秋の水:あきのみづ
[地理]
秋水:しうすい
水の秋

秋の水は透明で美しい。その曇りのないさまは、研ぎ澄ました刀の譬えにも使われる。「水の秋」は水の美しい秋を讃えていう。

魚の眼するどくなりぬ秋の水

佐藤紅緑

いのち減るはやさに秋の水流れ

馬場駿吉

掌に移ろう季節や秋の水
三等歌
茘枝:れいし
[植物]

苦瓜:にがうり
ゴーヤー

ウリ科の蔓性一年草、蔓茘枝の実。インド原産で、江戸時代に中国から渡来した植物で、果実は長円筒形で苦みがあり、表面が小さいこぶ状の突起に覆われている。未熟果を食用にし、沖縄料理のゴーヤー・チャンプルーはよく知られている。楊貴妃が好んだという茘枝はムクロジ科の常緑高木で別種。

沖縄の壷より茘枝もろく裂け

長谷川かな女

苦瓜を噛んで火山灰(よな)降る夜なりけり

草間時彦

苦瓜を噛んで眉よす夕餉かな

三等歌
地蔵盆:じぞうぼん
[行事]

地蔵会:じぞうえ
地蔵詣
地蔵幡:じぞうばた

八月二十四日は地蔵菩薩の縁日で、この日を中心とした縁日を地蔵盆という。特に盛んなのは京都をはじめとした近畿地方で、地蔵は子供を守るということから子供中心に行われる。町辻に寂しく立っている地蔵に新しい衣装を着せたり、土地によっては白粉をつけたりする。地蔵を前に子供たちは福引きをしたりおやつを貰ったりして一日を過ごす。今日の駄句は一句じゃありません。

子らが囃す夜空のまろさ地蔵盆

山田みづえ

蕗の葉に蝋燭ともす地蔵盆

宮岡計次

街かどに子らがはしゃぐや地蔵盆

隠れんぼ鬼の子数える地蔵盆

地蔵盆手向ける花の薫かな

水子らに柔和な笑み地蔵盆

地蔵盆子らの歓声風にのり

三等歌
秋の海:あきのうみ
[地理]

秋の波
秋の浜

夏の間賑わった海も、秋になると静けさを取り戻す。ひと夏の賑わいのあとだけに、高い秋空の下に広がる海は寂しさを誘う。

今立てる一白波や秋の海
京極杞陽

砕けねば己れが見えず秋の浪

長谷川秋子
秋の浜忘れられたる片草履

秋の波砕けて想う昨日かな


三等歌
竜胆:りんどう
[植物]

笹竜胆
深山竜胆:みやまりんどう

リンドウ科の多年草の花。鐘状で先が五裂した青紫色の花は、秋晴れの空の下でひときわ美しい。蔓竜胆のほか、種類が多い。

竜胆を畳に人のごとくおく

長谷川かな女
旅人を濡らせる雨に濃竜胆

下村槐太

竜胆の哀しきまでの青紫(せいし)かな

竜胆や眼下に広がる平野かな

三等歌
蜻蛉:とんぼ
[動物]

とんぼう
あきつ
やんま
赤蜻蛉
秋茜:あきあかね
麦藁とんぼ
塩辛とんぼ
精霊蜻蛉:しょうりょうとんぼ

トンボ目に属する昆虫の総称で、夏から秋遅くまでいろいろな種類が見られる。成虫・幼虫ともに肉食で他の昆虫を補色する。大きな複眼が特徴。都市部では数が減り、「蜻蛉釣り」をする子供の姿も見られなくなった。 蜻蛉生きる(夏)
糸蜻蛉(夏)
川蜻蛉(夏)

白壁に蜻蛉過る日影かな

召波

赤とんぼみな母探すごとくゆく

細谷源二

離れ逝く御霊の如く蜻蛉ゆく

赤とんぼ貧しき肩を通り越し

三等歌
爽やか:さはやか
[時候]

爽涼:さうりゃう
さやけし
さやか

秋の清々しさをいう。大気が済み、万物が晴れやかにはっきり見え、心身もさっぱりする。

爽やかや風のことばを波が継ぎ

鷹羽狩行

さはやかにおのが濁りをぬけし鯉

皆吉爽雨

日が落ちてさやけし風に
君の香や

三等歌

震災記念日:しんさいきねんび
[行事]

震災忌

九月一日。大正十二年のこの日、相模灘一帯を震源とする大地震が関東一円を襲い、各地ともはなはだしい被害を被ったが、とりわけ京浜地区に甚大な被害をもたらし死傷者は二十万人にものぼった。本所被服廠跡に建てられた東京都慰霊堂で犠牲者に対する慰霊祭が営まれる。防災の意識を喚起する日となっている。

江東にまた帰り住む震災忌

大橋越央子
路地深き煮ものの匂ひ震災忌

平川雅也

集落のサイレン響く震災忌

三等歌
風の盆:かぜのぼん
[行事]

越中八尾で九月一〜三日に行われる盆の行事。二百十日の風よけの風祭と盂蘭盆の納めの行事とが習合したもので、「越中おわら節」を歌い、踊り明かす。三味線、胡弓、笛太鼓の哀愁を帯びた囃子に乗って辻々を流す踊はしみじみとした情緒がある。

日ぐれ待つ青き山河よ風の盆

大野林火

格子戸を風の盆唄流しゆく

三村純也

宵闇に白き手の舞う風の盆

三等歌
稗:ひえ
[植物]

イネ科の一年草。高さ一〜一・八メートル。かっては救荒作物として、畑や水田に栽培された。九月ごろ実を結ぶ。実は小さく、今では小鳥の餌としたり、藁は青刈りして飼料としたりする。

ぬきんでて稲よりも濃く稗熟れぬ

篠原甍

日照雨来や峡田は稗を躍らしめ

石田波郷

稗熟れぬ風受けそよぐ田舎道

三等歌
秋刀魚:さんま
[動物]

さいら
初さんま

刀に似て細長く、背は蒼黒色、腹は銀白色のサンマ科の海産魚。九月ごろ北方から南下する群れは十月のころには九十九里沖まで来る。そのころには脂の乗った秋刀魚は大衆的な魚として家々の食膳を賑わす。

火だるまの秋刀魚を妻が食はせけり

秋元不死男
秋刀魚焼くどこか淋しき夜なりけり

岡安仁義

秋刀魚の目裸電球が照らす

三等歌
落とし水:おとしみづ
[地理]

水落とす
田水落とす

稲刈りが近づくと、田水は不要になるので、畦の水口を切って水を落とし、田を乾かして刈り入れに備える。音をたてて流れていく水を落とし水という。

落とし水闇もろともに流れおり

草間時彦

荒海へ千枚の田の水落とす

下村非文

落とし水稔りに向かう流れかな

三等歌
鬼灯:ほおづき
[植物]

酸漿:ほおづき

アジア原産のナス科の多年草の実。庭などに栽培されるが、野生状態のものも見られる。六〜七月ごろ淡黄白色の花が咲き、花後に萼がしだいに大きくなって球形の漿果を包み、熟するとともに赤く色づく。これを盆棚の飾りにも用いる。漿果は珊瑚の玉のように艶やかで、この外皮を口に含んで吹き鳴らして遊ぶ。

鬼灯に娘三人しづかなり

大江丸

少年に鬼灯くるる少女かな

高野素十

鬼灯の灯明のなかただ朱き

三等歌
台風:たいふう
[天文]

颱風:たいふう
台風圏
台風の眼

南洋やフィリピン沖で発生北上する大きな空気の渦巻きで、中心付近の最大風速が毎秒一七・二メートル以上の熱帯性低気圧。海難・風水害など甚だしい被害を生じさせる。台風の中心にある静かで風のない部分。

台風の充ちくるものの如く待つ

右城暮石

颱風の去って玄界灘の月
中村吉右衞門
台風の去って涼しき夜風かな

三等歌






衣被:きぬかつぎ
[生活]

小ぶりの里芋を皮のまま茹で塩味で食べるもの。衣を脱ぐようにつるりと皮が剥ける。中秋の名月のお供えには欠かせない。もとは「きぬかづき」で衣を被く意から。

衣被しばらく湯気をあげにけり

八木林之助
夜ふかしの口さみしさに衣被

片山鶏頭子

衣被土の香に噛り付き

三等歌
案山子:かがし
[生活]

かかし
捨案山子

竹・藁などで作った人形で、鳥獣の害を防ぐため田畑に立てるもの。古くは鳥獣の肉や毛を焼き、その悪臭をかがせて追い払ったことから、「嗅がし」といった。

倒れたる案山子の顔の上に天

西東三鬼

棒の手のおなじさまなるかがしかな

丈草

雨浴びて顔をながれ落つ
捨案山子

三等歌
芒:すすき
[植物]

薄:すすき
尾花
花芒
鬼芒
糸芒
十寸穂の芒:ますほのすすき
真赭の芒:まそほのすすき
縞芒
鷹の羽芒
芒原

青芒(夏)・枯芒(冬)

芒はイネ科の大型多年草で、日当たりの良い山野のいたるところに自生する。屋根を葺くのに使用したため、カヤともいう。秋、稈頭に中軸から多数の枝を広げ、黄褐色から紫褐色の花穂が開くと真っ白な獣の尾を思わせるような形となり尾花と呼ばれる。花穂の長さは一五〜四○センチで、秋の七草の一つ。風に一斉になびくさまは美しい。細長い葉は刃物のように鋭く、触れると指を切る。十寸穂の芒は十寸(三十センチ)もあるもの。真赭は穂が赤みを帯びて輝いているという意。縞芒・鷹の羽芒は葉に白い模様がある。

眼の限り臥しゆく風の薄かな

大魯

線香やますほのすすき二三本

蕪村

芒原踏み分け迷う旅路かな

風吹きてなびく他なし
芒かな

三等歌
秋の灯:あきのひ
[生活]

秋灯:しうとう
秋ともし

日暮にともり始めた家々の灯はどことなく懐かしく、家路を急ぐ気持ちを誘う。秋の夜長をあかあかと照らす灯は人を思索へと誘い、静けさを感じさせる。

秋の燈のいつものひとつともりたる

木下夕爾

秋灯を明うせよ秋灯を明うせよ

星野立子

秋燈下くびすじの白さかな

三等歌
秋の日:あきのひ
[時候]

秋日:しうじつ

秋の一日をいう。大気の澄みわたった晴れやかな日を思わせる。

秋の日のずんずんと暮て花芒

成美

秋の日の白壁に沿ひ影とゆく

大野林火

秋の日や因果を知りし日暮れ道

三等歌
秋彼岸:あきひがん
[時候]

後の彼岸:のちのひがん

秋分の日を中日とする前後三日の七日間。「暑さ寒さも彼岸まで」というように、このころから秋涼の気が定まる。春の彼岸に対して、後の彼岸という。単に彼岸といえば春の彼岸をさす。

水の上を墨の流るる秋彼岸

吉田汀女

人は灯を囲みて後の彼岸かな

三田きえ子

夜明け前咳ひとつする秋彼岸

三等歌
秋の声:あきのこえ
[てんもん]

秋声:しうせい

秋になると風雨の音、葉擦れ、虫の音など、さまざまな物音の響きが敏感に、しみじみと感じられる。具体的な音だけでなく、心耳でとらえた秋の気配をもいう。

人去れば林泉(しま)のいづこも秋の声

角田独峰

旅衣かろし秋声身をつつむ

高木晴子

秋声を聞きてまどろむ日暮れかな

三等歌
曼珠沙華:まんじゅしゃげ
[植物]

彼岸花:ひがんばな
死人花:しびとばな
天蓋花:てんがいばな
幽霊花
捨子花:すてごばな
狐花

ヒガンバナ科の多年草で、彼岸ごろ、地下の鱗茎から三0〜五0センチの花茎を伸ばし、赤い炎のような花をいくつも輪状に開く。花後、細い葉が出て、翌年春に枯れる。鱗茎は澱粉を多量に含み、有毒だが晒して救荒食物とするため、畑の傍らや墓地など人里に近い所に植えられた。近縁に白花曼珠沙華がある。

まんじゅしゃげ昔おいらん泣きました

渡辺白泉

むらがりていよいよ寂しひがんばな

日野筑邨

緋々と手首の傷と彼岸花

三等歌
柿:かき
[植物]

甘柿
渋柿
富有柿:ふいうがき
次郎柿:じろうがき
熟柿 :じゅくし
木守柿:きもりがき
柿日和:かきびより

秋を代表する果物。東北地方以南で古くから栽培されてきた。甘柿と渋柿があり、甘柿では富有・次郎がよく知られる。渋柿は焼酎などで渋を抜いたり、干し柿に加工して食す。木になったまま甘くなるまで熟したものが熟柿。木守柿は梢に一、二個もがずに残しておくもので、翌年もよく実るようにというまじない。

別るるや柿喰ひながら坂の上
憔然

柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺
正岡子規

柿赤し残りし日々を数え上げ

三等歌

血のにじむ口中苦し柿かじる

三等歌


霧:きり
[天文]

朝霧
夕霧
夜霧
山霧
川霧
狭霧
霧襖:きりぶすま
濃霧
霧笛

水蒸気が地表や水面の近くで凝結し、微少な水滴となって大気中に浮遊し、煙のように見えるものをいう。古くは春秋ともに霞とも霧ともいったが、平安時代以降、春の方を霞、秋の方を霧と呼びわける。

霧しぐれ富士を見ぬ日ぞ面白き

芭蕉

白樺を幽かに霧のゆく音か

水原秋櫻子

霧の中還らぬ日々を懐古かな

三等歌
秋時雨:あきしぐれ
[天文]

晩秋に降る時雨のことで、うら寂しさが漂う。 →時雨(冬)

秋しぐれ塀をぬらしてやみにけり

久保田万太郎

果樹園のほそみち光り秋時雨

比良暮雪

秋時雨漂う身にも降り注ぎ

三等歌
刈田:かりた
[地理]

刈田道

稲刈りが終わったあとの田である。にわかに広々として、一面、刈株が並ぶ。

待ちかねて雁の下りたる刈田かな

一茶

うすうすと刈田の匂ひ日に残り

上村占魚

刈田道日入る空や右手かな

三等歌
冬の雨:ふゆのあめ
[天文]

寒の雨

冬に降る雨。寒い中、細かに降る雨はうら寂しい感じがする。「寒の雨」は、寒の内に降る雨のこと。

面白し雪にやならん冬の雨

芭蕉

戸一枚だけの灯もらす冬の雨

田中午次郎

亡き君の涙の如し冬の雨
三等歌
ストーブ
[生活]

暖炉
ペチカ
オンドル

ガス・石油・電気・石炭・薪などを用いた暖房装置をストーブといい、それ以前には暖炉も多く作られた。また北欧やロシアのペチカや朝鮮半島・中国北部のオンドルは、小説などを通して日本に知られるようになったが、戦前、大陸で過ごした人などは実体験に基づいて俳句に詠んでいる。

ストーブを蹴飛ばさぬやう愛しあふ

櫂未知子

夜の海見て来て寄れる暖炉かな

安住敦

ストーブを眺めて暮れる夕べかな

三等歌
虎落笛:もがりぶえ
[天文]

柵や竹垣などに吹きつける強い風が発する笛のような音をいう。「もがり」は、枝のついた竹を立て並べた物干しや、竹を斜めに組んで編んだ垣や柵などをいう。「虎落」は中国で、虎を防ぐために組んだ柵のことを言った。

樹には樹の哀しみのありもがり笛

木下夕爾

もがり笛風の又三郎やあーい

上田五千石

田舎道泣けよとごとくもがり笛

三等歌
大根干す:だいこんほす
[生活]

大根干す:だいこほす
懸大根 :かけだいこん
掛大根 :かけだいこん
干大根 :ほしだいこん

沢庵漬けなどにする大根を干すこと。一斉に大根を干す光景は眩しいばかりである。

柿といはず桜といはず大根干す

山本洋子

掛大根月あそばせて家眠る

柴田白葉女

日暮れ道目に侘しきや干し大根

三等歌
冬枯:ふゆがれ
[植物]

枯る:かれる

冬が深まり木や草が枯れはて、野山が枯一色となった景。一本の木や草についてもいう。

冬がれの里を見おろす峠かな

召波

草山の綺麗に枯れてしまひけり

正岡子規

冬枯れの道鈍色の空

三等歌
雪女郎:ゆきぢょろう
[てんもん]

雪女:ゆきおんな

積雪に長く封じ込められる雪国の伝説や昔話に現れる雪の精。白ずくめの女の姿だとされ、幻想的な季語である。

雪女郎おそろし父の恋恐ろし

中村草田男

埋めたての水子を掘りに雪をんな

木内彰志

雪女郎叫ぶが如き日暮れかな

三等歌



湯婆:ゆたんぽ
[生活]

湯たんぽ

中に熱湯を入れて、寝床などで用いる保温噐。陶製・金属製などがある。

起こさるる声も嬉しき湯婆かな

支考

ゆたんぽのぶりきのなみのあはれかな

小澤實

湯たんぽを抱えて季節をやり過ごし

三等歌
乾鮭:からざけ
[生活]

干鮭

北海道、青森・秋田などでは鮭を塩漬けにするばかりでなく、素干しにして保存した。食べるときには木槌で打って柔らかくし、火にあぶったり煮たりする。

雪の朝独り干鮭を噛み得たり

芭蕉

乾鮭の切口赤き厨かな

正岡子規

乾鮭や爪噛むごとき夜半かな

三等歌
凍土:いてつち
[地理]

厳寒地で地面が凍りつくこと。地中深くまで凍りついて地面が隆起して、家が傾いたり、線路を浮き上がらせて曲げたりすることもある。これを「凍上」という。

凍て土をすこし歩きてもどりけり

五十崎古郷

凍土に起ち上がりをり葱の屑

北村保

凍土を掘る明日を埋める
三等歌
雪催:ゆきよもひ
[天文]

雲が重く垂れ込め、今にも雪が降ってきそうな空模様。

人中や風船ゆきて雪催

秋元不死男

手の中に小さき手のある雪催

辻美奈子

雪催胸踊らして苦笑い

三等歌

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