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外国から見たニッポンコミュのむかしの日本のテレビ漫画

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先日、千と千尋の神隠しを見ました。

なかなかよくできたアニメ映画で感心しました。

そこで今日は、アニメの話を。

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私が小学校に通っていた昭和30年代から40年代(1960年代から1970年代)にかけては、日本でスポーツ選手をテーマにした漫画や、テレビのアニメ、ドラマに圧倒的な人気があった。

川崎のぼるが熱筆をふるった野球漫画「巨人の星」、女子バレーボールの「アタック・ナンバーワン」、「サインはV」、柔道をテーマにした「柔道一直線」、ボクシングを扱った「あしたのジョー」などは、その一例にすぎない。

そのテレビ主題歌では、根性、熱血、汗、涙、ファイト、命を賭けるといった、勇ましい言葉がちりばめられていた。

これらの漫画に共通していたのは、「強い意志の力さえあれば、不可能に見えることも、絶対になしとげられる」という、強烈な精神主義である。

今日の境遇は厳しくても、自分を律して、地道に努力すれば、必ず成果が上がるという前向きな考え方である。

敗戦から15年以上経って、高度経済成長が始まっていた、日本の当時の雰囲気が、漫画にくっきりと反映されている。

そこには、強い闘志さえあれば、竹やりでも米軍の戦車に勝てるという、戦争中の精神主義の残り香も感じられる。

当時の日本は今ほど豊かではなかったが、未来は必ず明るくなる、右肩上がりの成長が続くという希望があった。実際、スポーツ根性物の主人公は、「巨人の星」の星飛雄馬を初めとして、貧しい家庭の出身であることが多い。

この点が、子どもたちだけでなく、サラリーマンだった読者の共感を呼んだのである。

彼らは、熱血漫画の主人公たちに、自分の姿を重ね合わせていたのである。当時は、海外旅行など夢のまた夢で、フランスやイタリアのブランド商品を買うことなど、想像もできなかった。

だが若者の引きこもりやニート、家庭内暴力は、今ほど大きな問題になっていなかった。リストラなどという言葉さえなく、一つの会社に30年から40年勤めることは、当たり前だった。

ときおりクローズアップで描かれる主人公たちの瞳には、ファイトを表わす炎や、明るい未来への希望の星が、輝いていたものである。

だがバブル経済が爛熟期を迎えると、こうしたスポーツ根性物は急速にはやらなくなった。

バブル崩壊や終身雇用制の終焉を経験し、日本が中国に急速に追い上げられている今となっては、将来は絶対に明るいという前向きな「進歩史観」は、読者の共感を呼ばないのだ。

ある意味で今日は、星飛雄馬のようなヒーローを失った時代である。熱血と根性の時代を卒業し、成熟した日本社会は、どのようなドラマを必要とするのだろうか。

(ミュンヘン在住 熊谷 徹) 筆者ホームページ http://www.tkumagai.de

コメント(1)

誰も書き込みしていないので同情して書いてます。

うーん、すぽこんはやはりいやです。がんばればいいってものでもないし。でもひとつのことを粘ると言うことは大切ですね。

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