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中村敦夫コミュの焼き飯

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残り物ムダにせず活用


 昼間、自宅に一人でいる日は、フライパンを取り出してよく焼き飯を作る。休日、妻の代わりに台所に立つこともある。

 具は残り物の食材。インゲンやブロッコリーなどの野菜、肉や魚はもちろん、つくだ煮や煮干し、塩辛など、何だって使う。「入れたことがないのは梅干しくらい」

 こうした材料を「何だか分からないくらいに」細かく刻んで、ご飯と一緒に塩、コショウでいためる。「いろいろな具で試行錯誤してきました。家族の間では評判です」

 覚えたのは20代なかば。演劇を学ぶためハワイ大学に1年間、留学した。最後の3か月、アメリカ本土をバス旅行し、演劇の本場・ニューヨークへ。出会った若い日本人画家が、チャイナタウンでもらう残り物を活用する焼き飯作りを教えてくれた。

 「味も毎回、微妙に違って楽しい。万能の食べ物じゃないかと思う」

 自らを「食に対して複雑な思いを抱く世代」と言う。

 少年期は戦後の食糧難。大学時代も、学生食堂のカレーライスの中に肉を見つけて「あった」と喜ぶ声が上がるほど。食環境は今とは比べ物にならなかった。

 「木枯し紋次郎」の役を得るまでの俳優座時代も同じ。入れる具によって味が変わる焼き飯は、「豪華な気分が味わえる」食事だった。金がなくなると作ってしのいだ。

 ようやく中年になって、食の豊かさを享受できるようになる。だが一方で、情報番組のキャスターとして取材する中、食料自給率の低さや輸入食品の安全性の問題に突き当たった。参院議員時代にはBSE(牛海綿状脳症)問題に直面。輸入肉骨粉について追及するなど、安全回復のための活動をした。

 それだけに、焼き飯の食材には、こだわりがある。「妻の方針もあって、野菜などは有機のものを。産地にも気を配る」

 政治の世界から身を引いた今、俳優や作家業を続けながら、念願の仏教研究にも励んでいる。真言宗の寺で教えを学び、2年前、北インドを旅して釈迦(しゃか)の足跡をたどった。

 得心したのが、「少欲知足」という教え。「人の欲望は本来、大きなものではない。それを満たしたら十分、幸せなはず。食事もぜいたくを望まず、1日3食、きちんと食べられればいい」

 食の安全をないがしろにしかねない「経済至上主義」の風潮に疑問を抱き、「SLOW SMALL SIMPLE(ゆっくり、小さく、簡素に)」の3S社会の実現を説く。

 「私の焼き飯は食材をムダにしない。材料にこだわって安心だし、作るのも簡単」と胸を張る。焼き飯のように試行錯誤しながら、理想の社会の実現を夢見る。(西内高志)

 なかむら・あつお 俳優、作家。1940年、東京都生まれ。東京外国語大学中退。72年に主演したテレビドラマ「木枯し紋次郎」がヒット。98年から参院議員を1期。フジテレビ系のドラマ「CHANGE」に出演中。

(2008年6月17日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/food/shinagaki/20080616gr09.htm?from=yoltop

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