Slawomir Rumiakコミュのスワヴォミル・ルミャック展　"Slawomir Rumiak"

<メスと霊性>
解剖用のメスで霊的な要素を探求することには長い歴史があります。
人体内部には、幾度となく形而上学的な探求が向けられていました。
アンドレイ・タルコフスキーは、むかし人体の内部には神と私たちの関係に呼応する器官があったと書いています。
私たちがその器官を失ったのは、自然な適応のためです。
経済的な法則が支配する世の中がその器官を排除しました。

実用本位で世俗的なグローバル市場の時代には、私たちにとって不必要な錘のようなものだったからです。
隔世遺伝や、あるいは単に霊的なものを必要とすることが、次のようなことを引き起こす可能性があります。
それは、ある臓器(それはデカルトが考えたような脳内の小さな松果体ではなく、人間の腹部のどこかにある巨大なすべすべした腺だと私は夢想します)が、
私たちに神とのより近く原始的な接触の機会を再び作り出し与えてくれることです。

最近、私たちは大衆文化によって、理想化された身体のイメージに慣らされています。皮膚の下に隠された生身や神聖さの神秘は失われました。主として、女性の身体は度をこした理想化のプレッシャーを受けており、そこにはまるで際限がないように思われます。
大衆文化によってつくられるイメージの中の女性は、なめらかな肌で個々の特徴がない体形をしており、不完全なものが存在する余地はありません。
その影響はなんでしょう？
いくつか試しに例示すると、ヴァーチャルやマンガの美女、雑誌の表紙やピンナップなどです。しかし、理想化は世の中を疲弊させます。
「多様性はよろこびの源なり」
身体のイメージが理想化されればされるほど、私は懐疑的になります。―私が見ることができるものは、ごまかしや仮想的につくりだされた幻想ばかりではないと思います。それらのおぼろげな表面の下に生身はあるのでしょうか？
私は目の前の身体に触れる必要があると感じます。さらに福音書の聖トマスのように傷の中まで指を差し入れたいと感じます。

一般にいう傷とは？

存在論の視点からそれらを見ると、傷は基本的な実体です。この物質世界のなかで、私たちは頻繁に怪我の危険に冒されています。ここでは傷は私たちの存在を確認し記録します。臍の緒を切って最初の傷跡をつけられて以来、私たちの身体には傷跡が増えていきます。それは私たちの身体の状態のイメージとその脆弱さです。

そして、他にもあります。

歴史上しばしば、身体の美は痛みと結び付いたものでした。様々な文化の人々、特に女性は、身体をより魅力的にするために痛ましいほど傷つけてきました。
例えば、ハスの花の形にするために足を変形する中国の女性、ナイフで皮膚に大きくて深い模様をつけるアフリカの部族の女性、あるいは極端にきついコルセットを身に着けて苦しみながら肋骨を変形する昔のヨーロッパの女性。

私の新しい写真の何枚かは、この問題を扱っています。
「もし物理的な痛みがなかったら、女性は自らの身体に何をなしえたでしょう？」

－スワヴォミル･ルミャック

コメント(11)

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[1] mixiユーザー 04月30日 22:35

ぺヨトルから復刊したyaso（旧.夜想）の第一号の特集がゴス、で
ルミャックも取り上げられています。1500円。
http://www.2minus.com/y01_n.html
高いなぁ～

BURSTでもルミャックの特集？みたいなのがあったらしいのですが
（アレってそんな雑誌なの？）もう手に入らないみたいです。

[2] mixiユーザー 06月16日 17:19

これですね。