ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

*H16*本を読むこと=教養コミュの現代日本文明論−神を呑み込んだカミガミの物語−★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【著者】:上野 景文

【出版社】:第三企画 (2006/09) 新書

【あらすじ】:
内容(「BOOK」データベースより)
西洋の一神教的世界観に対峙せざるを得ない日本、この日本の本質とは?第一の視点はアニミズム的メンタリティ、第二の視点は文明の二重性、これらを軸に日本文明の特色を浮かび上がらせ、国際社会での日本の文明的位置づけを明示する。豊富な在外体験をベースに、欧米だけでなく、中南米、アジアをも視野に入れたスケールの大きな文明観を提示している著者が、日本の真髄を解き明かす。


【コメント】:
 久々の本紹介で、またまた日本論についてですが、今回は様々な文化・国家と日本とを比較し、日本が文化的にどの程度進歩的であるかを述べたもの。作者曰く、日本はアミニズム的(相対主義的)である要素が強いため、アメリカや中国、北朝鮮のような一神教的(絶対的)価値観を持った国家を相手にした場合、交渉ごとなどは非常に弱いという(経済摩擦、靖国論、拉致問題など)。しかし、相対主義的であるからこそ、歴史的に様々な文化を取り入れて各時代において文化を隆盛させてきた。日本史を勉強された方であれば、教科書に「国風文化」という名称がついていた時代の文化があったことを知っているだろう。ということは、その他の時代において形成された文化は、他国からの文化的要素を多分に含んでいると言える。現代もそうですよね。西洋文化・文明の要素を多分に持っている。日本は、歴史的に全く異質な文化を日本に適用できる形で変化させ取り入れてきたスキルを持っているため、他国と比べ文化的には最も先進的な国である、と作者は言っています。

 面白いのは、相対主義的価値観で見れば、日本人は、アメリカや中国よりもグァテマラや北米の先住民、東南アジアの民族に近い、ということ。彼らの土地に行ってみたくなりました。旅行というと、洗練された先進国やハワイ、グアムなどのリゾート地が人気ですが、同じアメリカでも先住民族が住む土地やオーストラリアのアボリジニ、本で紹介されているグァテマラのような国にも行ってみたいですね。

 また、これを読んで、少し気が楽になりました。というのは、自分はこれといった絶対的な価値観を持っておらず何でも相対的に見てしまう。中立性を常に保とうとするマインドを持っているんだが、逆に決断が必要な時には優柔不断な面が出てしまう。これが自分の短所と捉えていたが、本にあるように、それは元々日本人のアミニズム的特性なのだから仕方がない、と好意的に解釈すれば「なーんだ、決めつける必要なんてないじゃん」って思えました(笑)ある意味、相対的価値観を重視する人間の方が、絶対的価値観を理解した上で議論や共存を考えるので、許容的寛容的で非常にスマートであると思いますが、いかがでしょうか?

本そのものの評価としては、全体で2章の構成になっていて、この時点で違和感を感じた。これまで2章だけで構成されている本を見たことがないからだ。要は、大きくは2つだけ言いたいだけ?と捉えられ、文章の作り方にちょっと懐疑的になった。と思ったら案の定、前半がアミニズム的メンタリティの説明を中心とした日本人の文化的特性について、様々な国や文化と比較している。こちらは良いが、後半はあまり論じる必要性を感じなかった。あらゆる国が西洋文明をどれほど取り入れているか、あるいは土着の文化を重視しているか、その程度を 測った説明をしている。これは、普通に各国事情を見ればわかることなので、あえて内容を難しくして論じることもないな、と思った。
ということで★3つ。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

*H16*本を読むこと=教養 更新情報

*H16*本を読むこと=教養のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング