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技術者のアイデンティティを探るコミュの【公開討論会】経営者技術者と労働者技術者

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スペースシャトル・チャレンジャー号事故の前日、ロケットブースターのサイオコール社では技術担当副社長に「技術者の帽子を脱いで、経営者の帽子をかぶりたまえ」という会話があったとか。
技術者倫理を学ぶと、技術者のジレンマとして技術者の良心と経営的判断との板ばさみに会う構図がよく出てくる。でも「技術者のアイデンティティを考える」ということは、その両者を包摂する‘技術者としての一致点’を見いださないといけないのではないか。それともあくまで対立するものなのか?
皆さんはどうお考えですか?

コメント(2)

討論をする前に、まず、『アイデンティティ』という言葉について、その改めて確認する必要があると思う。
Wikipediaには、『共同体(地域・組織・集団など)への帰属意識』との記載がある。哲学の世界では重要な概念の一つである。
『技術者のアイデンティティを探る』ということは、言い換えれば、『技術者の組織への帰属意識について探る』ということである。つまり、それぞれの技術者が自らが所属している組織についてどのように考えるかということである。
その視点で考えると、自ずと経営者と従業員では意識がことなるはずであるということが分かる。もちろん、経営者の中でも中小零細企業のオーナー経営者と、大企業の経営者とでは経営者としての立場も、スタンスも大きく異なるので、それを一体のものとして議論することは難しい。さらに言えば、経団連の御手洗富士夫氏と、経済同友会の北城格太郎氏を考えたとき、キャノンと日本アイ・ビー・エムということで、日本の企業とアメリカの企業の日本法人ということで、同じ大企業経営者でも大きく異なる。
大企業の場合、小さな失敗では経営に何ら問題を及ぼすことが無いケースもあるが、一方で会社を倒産にまで導くケースもある。一方で、零細企業の場合は小さな失敗でも会社は倒産につながる。大企業でも中小零細企業でも、企業経営者には常に緊張感が強いられている。中小零細企業の経営者の場合、会社のメインの技術者が社長をしているケースも少なくない。その場合、経営者として、技術者としての両方の視点を持つことになる。近年、企業経営においては社会への安全、安心を考え、公衆からの信用、信頼を勝ち得ることができないならば、経営している企業そのものを存続させることは難しくなってきている。公衆に対して、「まあいいか・・・」は通らない。実際、そういった点での経営者の意識が甘い企業には優秀な人材は集まらない。また、優秀な人材を育ててゆくことができない。さらには、企業としての存続も難しくなる。
中小零細企業においては、経営者と従業員である技術者とは、一丸となって会社の存続に向けて戦ってゆく必要がある。そのためには、従業員である技術者も経営に参画するという意識を持つ必要もあるし、また、経営者にも従業員と共に経営するという意識が必要である。
今の技術者倫理の議論の中には、「金勘定」の話しがあまり出ないが、これは「あえて避けている」という側面もあるだろう。一般論としての技術者倫理を考えたとき、このドロドロした問題に踏み込むことは難しいのかも知れない。もちろん、「金勘定」とか、銀行との融資の話などに関係したことの無い技術者には経営者の本当の苦しさを理解することは難しい。
技術者出身の経営者でも、既に技術者的価値観を失った人も居るだろうし、メインの技術者の場合もある、ということなのでしょう。
『技術者のアイデンティティを探る』というのは、まだ組織化されていない日本の技術者が「どいうアイデンティティの下に組織化され得るか?」を考えたい、ということなので、帰属意識を持つべき組織はまだ仮想的でしかない。そういう問題設定と捉えていただければと思います。
ということは、既に技術者的価値観を失った経営者は、ここでは対象外ということになる。私は技術者だ、と思っている人は技術者というカテゴリーへの帰属意識はあるはず。ただその根拠とするところが、今は恐らく人それぞれで、アイデンティティと言えるような纏まったものがない。逆に言えば、どうなれば技術者失格になるかわからない。そのあたりを考えたい、ということ。

「金勘定」が技術者倫理に出てこないのは、私もおかしいと思う。ただ技術者倫理からどうアプローチできるのかは難しいといえば難しかった。
技術の歴史のようなものを読むと(ただ今読んでいるのがあるが、それについては読了後に日記に書く予定)、技術が発達するには財力との結びつきが不可欠だったことが分かる。軍事技術が発達するのは国家財政と結びつくからだし、日本で民間技術が発達したのは軍事投資が少なく、他の技術に分散したからとも言える。技術にケチると、リストラで高い技術力を持つベテラン技術者が簡単に失われ、技術力回復不能になって、後々結局技術競争力が失われて経営が傾くなどということも起こる。
そういう意味では、経営者技術者も労働者技術者も、技術者としては同じ価値観を持てるのではないか?と思えるのです。もちろん技術の営みとはどういうものかについての教育的サポートが必要な(現在は決定的に不足している)のは言うまでもありませんが。

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