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School of Pharmacy London UniコミュのNovel Natural Product!!

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そろそろしっかりと薬について書いていきます。

このごろ、海外でも生薬(漢方ではない。)がちょっとした盛り上がりを見せています。

その中でも、あまり日本ではメジャーではない海洋生物からの生薬を紹介します。
まだ薬としては市販されてないですし、臨床試験・または研究段階のものですので、市場では見つけられませんが、日本の企業もいくつか開発に携わっています。

海洋生物といっても、基本的には珊瑚や、有機生物。つまり、あまり動かない生物群からのものが中心になります。
人間の潜水の限界が約40mなので、それ以上深い場所からのものは、殆どが未知物質です。

珊瑚や藻類、海綿動物は基本的に岩肌に生息しているのですが、異種のものが混在する場所では、場所の取り合いが発生しています。
つまり、そこでは、相手を殺して場所を奪おうとする化学物質がそれらの内部で生産されている可能性が高いのです。
そういった成分は、抗生物質として利用が可能であり、非常に効果の高いものが多いです。
また、軟体動物である蝸牛(海底に生息)、海月、一部の海綿動物などは食物を麻痺させるための成分を合成できます。
それらは痛み止めなどとして利用可能なのです。

たとえば、
・Aplidineという薬物があります。これは今ヨーロッパとカナダで臨床試験をされているものですが、抗がん剤になります。
細胞分裂サイクルのG1相に働きかけ、細胞の増殖を抑制します。

・日本のキリンビールが琉球大学と提携して研究開発している、KRN-7000.海綿生物からの抽出物で、免疫疾患や、転移した癌の治療などに使います。今Phase?の臨床試験中です。

・アルツハイマーのアミロイドたんぱく質からの脳神経を保護する成分として、大正製薬が研究している、GTS-21。フロリダ大学との提携です。

◎僕が一番興味を持っているのは、CONOTOXINSですね。
CONOTOXINSとは、TOXINという文字通り、元来毒物です。やどかりが作る成分なのですが、とても強力な麻痺作用を持っています。CONOTOXINはとても強力な鎮痛作用を含みます。その効果はモルヒネの100倍から1000倍です。そして、すばらしいことに、耐性ができないのです。
モルヒネは、がん患者、HIV患者の人たちにとって、今現在ではQOLをあげるものとしては最高の薬です。しかし、その唯一とも言える問題が、副作用の多さと構造の複雑さにあります。
モルヒネは投与するごとにその量を増やす必要があります。人間に耐性ができ、薬に対する感度が悪くなるからです。また、構造が複雑であるため、精製に時間がかかっていました。

CONOTOXINSは、線上ペプチドで、20〜30のアミノ酸の連なりになります。そして、耐性も出来ず、効果も非常に高いために、投与量も少なくてすみます。
この薬はすでに、臨床試験の3相まで来ていますので、後数年後には市場にでてくると見ています。
この薬によって、多くの患者さんのQOLが向上することが予想されます。とても期待値の高い薬です。
僕らの大学の教授がアメリカのユタ州立大学にいたころに開発に携わっていたそうです。

このように、海洋には、地球の80%の種類に当たる生物が生息し、その半分以上がいまだに未知のものです。
それらの開発には相当の資金が必要であり、採取方法にも限界があるために、とても難しいものでもあります。
さらに、地球の温暖化が進んでいますので、海洋生物の何種類かは、刻一刻と絶滅に向っているため、とても研究が急がれます。

とりあえず、大まかな情報としてはこれくらいです。
ご質問やご意見がありましたら、是非ご連絡ください。

コメント(2)

むむっ!海洋生物とな!!
目の付け所が非常にいいですな〜。地球上で海は陸よりもはるかに広いし、当然未知の生物がいまくりですよね。
しかし、やどかりが毒物を作っているとは知らなんだ…。
すまん。。。
それヤドカリじゃなくて、イモガイだ<m(__)m>
日本語に訳すの間違えてた(ーー;)
まだまだ未熟だ。。。

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