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カナダの歴史と政治コミュの自由党暫定党首にレイ氏

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 自由党幹部会は5月25日、ボブ・レイ議員(62歳、元オンタリオ州首相・元オンタリオ新民主党党首)を暫定党首に選出した。
 元宇宙飛行士のマルク・ガルノー議員も立候補したが、クレチエン元首相らはレイ議員を推した。投票は非公開の幹部会で行われ、レイ暫定党首は次の党首選で正式な党首の地位を求めないことと、新民主党との合併を推進しないことを約束させられたという。
 それでも人々は、レイ暫定党首がこれまでどれほど党首の地位を望んできたかを知っているので、彼がうまいこと党を建て直し、その実績を掲げて正式な党首に立候補するのではないかという疑いを払拭しきれないようだ。
 レイ暫定党首は、こう述べた。
「私より強い権力が、アップス委員長と妻にある。私が任されたのは暫定党首の任務であり、私にはその意味がよくわかっている。」

 自由党は6月18日に臨時党大会を開催するが、そこで党首選開催を2012年11月から2013年2月までの間に延期すべきかどうか決定する。また隔年に開催していた党大会は、6月17日から1月13日までの間に延期される。
 次の党首には、ジュスタン・トルドー議員(トルドー元首相の息子)とドミニク・ルブラン議員(ルブラン元総督の息子)の名が挙げられているが、両名とも沈黙を保っている。かつてオンタリオ州首相としてオンタリオの財政を破綻させた前歴のあるレイ氏は、悲しいほど人気がない。

コメント(6)

 自由党のボブ・レイ暫定党首(63歳)は6月13日、2013年に開催される党首選に立候補しない意向を表明した。
「私は、党のために働くうえで最善の方法は、自分が党首選に立候補しないことだという結論に達しました。」
 総選挙に惨敗した1年前、党再建のため経験豊富な人を暫定党首に就けようと、レイに白羽の矢が立てられた。本当は正式な党首になりたいという彼の野心を誰もが知っていたが、オンタリオ州首相時代に財政を破綻させた前歴のある彼には異論が多かったので、「正式な党首の地位を求めない」と約束させたうえで暫定党首に指名した。だが自分のほかに、ハーパー首相に対抗できる経験豊富なライバルはいないとレイは自覚していたので、暫定党首としてうまくやれば、レイを正式な党首にしようという声が上がるものとみて、チャンスを虎視眈々と狙っていたのが実情であった。首相の息子で人気のあるジュスタン・トルドーは「時期が早い」として不出馬を表明していたし、黙っていれば議員たちの方から出馬を要請されるはずだった。レイの支持者たちも、11日まで彼が出馬表明するものと思い準備していた。
 だが、「正式な党首の地位を求めない」と明言した彼の出馬が取り沙汰されるようになると、反対派の議員たちがブログなどで批判キャンペーンを始めた。自由党が勢力を回復するため、最も確実に奪還できそうな選挙区はオンタリオだが、レイが党首になればオンタリオ有権者の反感を買い、候補者が大量に落選するおそれがある。オンタリオ選出議員たちは、レイの出馬に猛反発した。
 レイトン党首が死去したとき、最も喜んだのは自由党だっただろう。新民主党の躍進は、彼の個人的な人気によるところが大きかったからである。自由党は、次の選挙では野党第一党の地位を回復できそうだと考えたはずだ。だが新しい党首のマルケアは、世論調査で人気が高く、そのうえ元自由党議員で中道寄りである。次の選挙では、リベラル票は新民主党に集まりそうで、たとえ自由党党首に勝利しても、首相への道はなお遠い。現在63歳と、カナダ政界では高齢の部類に属するレイは、次の次の選挙を迎えるころには70歳をすぎているだろう。そんな年齢になってまで、党分裂のリスクを抱えてまで党首選を戦う価値を、レイは見出せなかったのではないだろうか。

 暫定党首としての1年間を振り返り、彼はこう述懐した。
「私はある意味、避雷針のようなものだったと思う。」
 あえて暫定党首の任務を引き受け、新民主党時代のネガティブキャンペーンの矢面に立つことで、自由党が攻撃されるのを回避し、党再生に尽くすことができたということだろうか。
 ジョン・マッケイ議員は、暫定党首としてのレイの働きを賞賛した。
「ボブは本当によくやってくれた。ほかの誰にも、彼よりうまくはやれなかっただろう。」
 ワーホリ時代も今では、20年前の遠い青春の思い出になっていますが、当時オンタリオ州首相だったボブ・レイがいまだに政界をにぎわせていることにも驚きます(小沢一郎もすごいですが)。当時のトロント・スター紙(自由党支持で知られる)は、毎日のように反NDPキャンペーンを繰り広げていました。
 レイの不出馬宣言により、ジュスタン・トルドーに注目が集まっています。オンタリオには根強い(父の)トルドーマニアがいて、彼を党首にすればオンタリオで一定の勢力を回復できるでしょうが、中西部では依然として憎まれているため、彼が党首では中西部での議席獲得は絶望的になるでしょう。もっとも現在すでに、ほとんど不可能ですが。

 昭和の初めまでは、全国的に自由党と保守党の二大政党制であり、中西部もそうでした。マニトバ州では進歩党が強い勢力を持っていましたが、キング首相は左派票の分散を恐れ、進歩党の解体を目論み、21年の長期政権の間にこれを解散させ、自党に取り込んでしまいました。しかし進歩党の解体は保守党を利しただけで、中西部選出のディーフェンベーカー政権以降、中西部は完全に保守党の地盤となってしまいます。中西部での自由党の議席獲得が困難になると、トルドー首相は開き直り、中西部の地下資源をターゲットにした「国家エネルギー計画」を実施しますが、これで自由党は中西部で完全に見放されました。
 ケベック州はかつて自由党の金城湯池でしたが、1982年憲法でのだまし討ちにより支持を失いました。84年総選挙で大敗すると、自由党はその原因を究明し、失地回復の必要性を訴えました。ところが保守党政権がミーチレイク協定で勝手にこけてしまい、保守党分裂が漁夫の利となって、十分な反省も対策もされないまま、自由党はオンタリオだけで100議席を獲得し、政権に復帰してしまいます。しかし今世紀に入り保守合同が行われ、オンタリオに保守党と新民主党が食い込むようになると、自由党は中西部で議席が取れず、都市部と東部でしか議席が取れない党になってしましました。

 新民主党はかつては、オンタリオと西部だけの党でしたが、90年代のマクドーノー党首(東部選出)時代に東部に浸透し、2009年にはついに東部初の新民主党政権を実現させました。弱点だったケベックでも、2011年下院選挙で第一党になるなど、新民主党は長い年月かかって全国政党へと脱皮を遂げたのです。大票田オンタリオ一州の上にあぐらをかき、地方を見捨てて没落した自由党とは対照的です。
 アンガス・リード社が6月15日と16日、1500人のカナダ人を対象に実施したオンライン世論調査は、自由党の党首として最もふさわしいのはジュスタン・トルドー議員であり、彼が党首になれば自由党は支持率トップに立つことが判明した。

 まず政党支持率は、新民主党35%、保守党34%、自由党19%、ケベック連合6%、緑の党5%という結果となり、中道寄りにシフトした新民主党が依然として高い水準にあることを示した。
 続いて「誰が自由党党首にふさわしいか」の設問では、トルドー首相の息子ジュスタン・トルドー議員42%と、カナダ人初の宇宙飛行士マルク・ガルノー議員23%が、突出して高い数値を示した。以下マーク・カーニー(カナダ銀行総裁)15%、ラルフ・グッデイル元財務大臣14%、ジェラード・ケネディ元議員11%、ドミニク・ルブラン議員9%、スコット・ブライソン議員9%、デビッド・マギンティ議員9%、ホール・フィンドレイ元議員6%、マルタン・コーション元法務大臣5%という結果となった。
 自由党党首選は2013年に行われるが、現在のところ誰も立候補していない。
 保守党の党首をハーパー首相、新民主党の党首をマルケア党首と前提した場合、トルドーが自由党党首になった場合の政党支持率は、自由党40%、保守党30%、新民主党21%となった。いっぽうガルノーが自由党党首になった場合の政党支持率は、保守党32%、自由党28%、新民主党27%となり、自由党はトルドーが党首になれば、新民主党の人気を奪い支持率を上げることがわかった。

 保守党のハーパー党首の支持率は38%、不支持率は53%だった。新民主党のマルケア党首の支持率は45%、不支持率は33%だった。
 低迷を続ける自由党に、新しいスターが満を持して登場した。4月14日に開催された自由党党首選で、ジュスタン・トルドー議員が当選した。彼は41歳でまだ当選3回の若手だが、カナダ人なら誰でも知っている国民的英雄ピエール・トルドー元首相の息子である。
 トルドー元首相は、国歌制定・英仏二ヶ国語の公用語化・1982年憲法制定などの功績を残し、また女優バーブラ・ストライザンドやギタリストのリオナ・ボイドらと浮名を流したプレイボーイでもあった。熱烈なトルドーマニアを生んだが、新憲法制定においてケベックに約束した「独特の地位」を反故にしてケベック人を失望させ、地下資源に課税する「国家エネルギー計画」で中西部を怒らせた。自由党が金城湯池ケベックを失い、中西部から完全に閉め出され、今日の低迷の原因をつくったのも彼である。
 自由党が復活を賭けて戦う主戦場は、主にオンタリオとケベックである。オンタリオは、自由党が90年代には100議席を獲得した地盤だが、前回総選挙では自由党支持者の少なくない人数が新民主党にシフトしたことで、結果的に保守党候補に漁夫の利を与えた。だがこれら保守党当選者と自由党落選者との得票差はわずかであり、少しばかりの追い風が吹けば、自由党は僅差で失った選挙区の多くを奪回できるだろう。その意味で、トルドーマニアの多いオンタリオの候補にとっては、トルドー当選を絶好の追い風と好意的に受け止めるだろう。現に彼が党首選出馬を表明した10月から、自由党は支持率を上げている。
 ケベック州民は、特定の支持政党を持っていない人が多い。彼ら無党派層は、前回総選挙では雪崩をうって新民主党に投票したが、同党の支持基盤は決して磐石とは言えない。次回総選挙ではケベックが壮絶な草刈り場となるだろうが、トルドー新党首がケベック選出であることから、自由党と新民主党の野党どうしのつぶし合いは、避けられないだろう。
 そして、長い間議席獲得が困難になっている中西部では、トルドーの名が呪われていることから、トルドー新体制においても依然として中西部は暗黒選挙区であり続けることになる。

 トルドーは若さと経験の少なさを不安視されていたが、それを逆手に取り、古い政治との決別と新しい時代の到来を訴えた。それはネガティブ広告に飽きた有権者に、新鮮に受け止められた。
「我が国の歴史に、我々が新しい章を記す時が来た。何の結果も生まなかった古い争いと古くさい議論はやめよう。党利党略のためのレトリックと、古い政治に訣別しよう。」
 自由党はまた、党首選において新しいシステムを採用した。全国308の選挙区に100ポイントを割り振り、得票率に比例したポイントを各候補が獲得するシステムである。

1位 ジュスタン・トルドー議員:24668ポイント(80.1%)
2位 ジョイス・マレイ議員:3130ポイント(10.2%)
3位 マーサ・ホール・フィンドレー元議員:1760ポイント(5.7%)
4位 マルタン・コーション元法相:815ポイント(2.7%)
5位 デボラ・コイン氏:214ポイント(0.7%)
6位 カレン・マックリモン氏:210ポイント(0.7%)


写真左:ジュスタン・トルドー新党首とソフィー・グレゴワール夫人。
図右:上昇する自由党の支持率。
「カナダ人は支配ではなく、導かれたいのだ。国民は、ハーパー保守党によるネガティブな分断政治に疲れている。国民を国民に、西部を東部に、貧しい者を富む者に、ケベックを残りのカナダに、都市を地方に敵対させる政治に、国民は飽き飽きしている。」
 自由党は、苦境に陥った党を救ってくれる救世主を求めていた。甘いマスクの御曹司トルドーの当選は、初めから仕組まれていたといえよう。唯一有力な対抗馬は、元宇宙飛行士で人気の高いマルク・ガルノー議員だったが、大本命と戦うことの無益を悟りリタイアしてしまった。2位になったマレイ候補は、保守党政権を倒すため新民主党・緑の党との選挙協力を訴えたが、選挙協力なしでも選挙に勝てそうな看板であるトルドーの敵ではなかった。彼女は党首選をこう振り返った。
「そうすることが党を前進させる道だと考える人は、おおぜいいるということだ。ただ我々のリーダーになる人物は、明らかに我々とは異なる戦略を持っている。私はチームの一員として、ジュスタンを支えていくつもりだ。」
 また、保守党の執拗なネガティブ広告に悩まされたステファン・ディオン元党首は、保守党がネガティブ広告をオンエアする前に、先手を打ってトルドー新党首の人となりを紹介すべきだと説いた。
「我々は、我々のリーダーがどういう人物なのかを、保守党がやる前に紹介しておかなければならない。」
 いっぽう保守党広報のフレッド・ドローリー氏は、新党首の経験不足を指摘した。
「ジュスタン・トルドーには有名な名字があるかもしれないが、世界的に経済が不透明な時代に、彼が首相になるには判断と経験が不足している。」
 この日まで暫定党首を務めた重鎮ボブ・レイ議員は、トルドー・ジュニアの当選を祝福した。
「今日という日は、保守党政権の終わりが始まった日として記録されるだろう。
 レイもまた、トルドー首相に憧れて政界の道を進んだ。1982年憲法が批准されたとき、連邦議会に議席を持っていたのは、現職議員ではレイが唯一の人である。また彼の姉妹ジェニファーは、トルドー元首相の恋人だった(余談だが5位に敗れたデボラ・コイン候補は、トルドー元首相の愛人で、彼の最後の子を産んでいる)。


図左:「御曹司様のお通りだい!」大本命の登場に恐れをなし、道を譲る自由党重鎮たち。宇宙飛行士の格好をしているのは、もちろんマルク・ガルノー。
図右:トルドー新党首のための、新しいネガティブ広告を用意をするハーパー首相。彼が標的にする自由党リーダーは、これが4人目。
 ハリス=デシマ社が4月18日から28日にかけて、2008人のカナダ人を対象に実施した電話世論調査は、ジュスタン・トルドー新党首の就任直後から保守党が激しいネガティブ・キャンペーンを実施したにもかかわらず、自由党の支持率が依然として高いことを示した。

 全国での政党支持率は、自由党35%、保守党28%、新民主党22%、緑の党7%だった。これは、今総選挙が実施されれば自由党が少数政権を樹立することを意味する。
 カナダ最大の票田であり、自由党にとって失地回復の主戦場であるオンタリオ州では、自由党38%、保守党34%、新民主党20%、緑の党7%と、自由党が第一党となった。
 トルドー党首とマルケア党首の地元で、激戦が予想されるケベック州では、自由党37%、新民主党24%、ケベック連合23%、保守党9%、緑の党5%と、ここでも自由党が第一党となり、カナダの2大州を制している。
 東部では、自由党48%、新民主党27%、保守党22%、緑の党2%と、自由党が万年与党時代を彷彿させる圧倒的なリードを保っている。
 西部のブリティッシュコロンビア州では、新民主党34%、自由党30%、保守党22%、緑の党13%となり、自由党は悪くない位置につけている。
 保守党のお膝元中西部のアルバータ州では、保守党58%、自由党22%、緑の党13%、新民主党7%と、保守党が圧倒的強さを見せつけている。
 中西部のマニトバ州・サスカチュワン州では、保守党50%、自由党22%、新民主党21%、緑の党5%と、ここでも保守党が大きなリードを保っている。

 トルドー新体制に替わってからの高支持率は、マイケル・イグナティエフ前党首が2009年3月に就任して以来最も高い水準である。イグナティエフ前党首も就任当初の支持率は非常に高かったが、2011年総選挙で結党以来最低となる大敗を喫し、自由党を史上初めて、与党でも野党第一党でもない第三党に導いた。
 新民主党のトム・マルケア党首は、就任直後はもっと高い36%もの支持率を記録したが、党の支持率はその後一貫して低下しており、特に自由党党首選が始まって以降は顕著に低下している。

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