ちょっといい話コミュの底抜けに優しい人の話。

皆さん、ロンドンブーツ１号２号の『田村淳』さんを知ってますよね。
彼が芸能界にいるキッカケになった人物は誰か、知ってますか？

淳さんは、高校卒業後、お笑い芸人を目指して山口県下関市から相方と共に上京して来ました。

『俺はコイツとお笑い芸人になるんだ！有名になるんだ！』

と思っていたら・・・相方が、病気のためお笑いを続けられなくなってしまいました。
もちろん、コンビは解散。

その相方と頑張っていくと決めて上京してきた淳さん。
早々とコンビ解散という予想だにしなかった事態に遭遇して、失意のどん底だったそうです。

『このまま東京にいるのか、地元に帰るか、お笑いを続けるのか』

どうしていいかわからなくなった淳さんは、２ヶ月間、アパートの一室で鏡を見つめていたそうです。
お笑いの卵なんて貧乏が当たり前ですから、部屋にテレビもなくて、食事で外に出る以外ははずーっと鏡を見ていたそうです。

当時、淳さんは歯が悪かったそうで、近所の歯医者に通ってました。

ある時、歯医者に行くと・・・待合室に、ある有名人がいました。


そこにいたのは・・・・・松村邦洋さん。

『あのー、松村さんですよね』

淳さんは、松村さんに声をかけました。

『俺のアパート近所なんで、良かったら話していきませんか？』

『うん！』　

松村さんは、淳さんのアパートを訪れたそうです。

信じられますか？
その当時、無名で、お笑いを目指しているってだけの１９歳の、見ず知らずの声をかけてきた青年の家に、松村さんは訪れたそうです。
普通は『いやー、この後用事あるから・・・』とか言って断りますよね。

こんな有名芸能人がいるでしょうか。

アパートの一室で、松村さんは、淳さんの話を３時間ほど聞いてくれたそうです。

コイツとお笑いやるんだ！と思って一緒に上京した相方が病気で事務所を辞めた話。
山口県に帰るか、東京で頑張るか悩んでいる話。
芸人としての夢、目標。

そんな話をずーっと、ただ聞いてくれたそうです。
説教も、アドバイスもせず、ただ聞いてくれたそうです。

『うーん、まぁいろいろあるけどさ、頑張りなよ！』

と言って、３時間後、松村さんは帰っていったそうです。

普通ならそこで、

『へー、疑うってことを知らない人なんだね』で終わる話ですが・・・・・

そこで話は終わらなかったのです。

ある時、淳さんが部屋に帰ると・・・・・

アパートの部屋のドアノブに、マクドナルドのバリューセットのお持ち帰りが掛かっていたそうです。

松村さんが歯医者に行くたび、ついでに淳さんの部屋を訪れ、バリューセットを掛けていくらしいのです。

信じられますか？
もちろん、当時はまったく無名で、ただの１９歳の青年だった淳さんに対して、です。
何の得があるんでしょうか。

それは、１週間に１回ぐらいのペースで、２ヶ月間ぐらい続いたそうです。

淳さんはそれを食べながら、

『もう少し、東京で頑張ってみようかな』

と思ったそうです。

ロンドンブーツ１号２号の田村淳という有名芸能人が生まれたのは、あの日、あの時、歯医者で松村さんに会ったことがキッカケだったのでした。

この話は、淳さんがラジオで語っていたことで、松村さんと淳さん両方のwikiにも載っていない話です。


ちなみに、有名芸能人となった淳さんが、松村さんにこの事を言うと、松村さんは『まったく覚えてない』そうで・・・

彼らしいですよね

正直、私は松村邦洋さんに対して、何の感情も持っていませんでした。
とくにトークが面白いわけでもない、モノマネも微妙だし、嫌いじゃないけど好きでもなかったし、『デブキャラ』以外の印象がまるで無い人でした。

でも、なぜ彼がずーっと芸能界で食べていけるか。
それは、なんの意図もなく、他人に優しくしてきた結果なんですね。

もし彼が、仕事が無くなって困ったら、淳さんが仕事をあげるはずです。
そんな人が芸能界にたくさんいるから、彼はずっと芸能人でいられるんでしょう。