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小林よしのりコミュのSAPIO(2009,11/25)天皇論を読んで

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●天皇と我々(日本国民)の関係性について

小林さんもファナティックな男系主義者も、天皇陛下が「祈りの対象=神」に対して「絶対」の信仰をお持ちである、と言う事を認識されていない。天皇陛下がそう言われた言われないと言うのは問題ではありません。我々一般人が、信仰の絶対性などそう簡単に持てるものではない事は、私自身もよく知っています。我々は、常に悩み迷い続ける肉的存在ですから。しかし聖俗の区別は知っています。故にその肉的存在が聖なるものとなる時を目にしたり、聞いたりして我々が同調する時、心が洗われ昇華し、聖なる存在にひれ伏し、感謝し畏敬を抱きます。
こういう聖なる存在の権現(象徴)が天皇であります。そして俗世間にいる我々の聖なる昇華を具現したのが、特攻隊員と言う事になります。
天皇論で対立する両極はこの事を知らなければなりません。我々によって皇統が支えられているのではないのです。この日本から天皇の文字を一切目にする事がなくなっても、皇統は続くでしょう。民主国家日本は、天皇におそばにいて頂きたいと願うのが正しいと考えます。もちろん天皇もそう望んでおられるはずです。この信頼関係に疑念を抱かずに出発する思想イデオロギーが真の伝統保守である、と私は主張します。そのような心情を唱えた小林さんの「天皇論」は素晴らしいと感じました。
女系天皇になっても、「私も」失望しません。真の皇統が続く事を信じて疑いませんから。国家「君が代」の歌詞そのままの気持ちです。

さてそこで、民主国家日本において、皇室を制度として「実務作業」をおこなうより他に手立てがありません。出来る限り、この信頼関係を維持する最善策を講じなければなりません。本来であればお世継ぎを、我々が制度化するなどという資格も論拠も持ち合わせていないのです。たまたまの民主主義体制下に在ると言うだけです。信頼関係維持のための皇室典範でなくてはなりません。その皇室典範に天皇陛下を従わせるものではありません。全ては我々、民主国家日本の問題です。ゆえに「お世継ぎは今上陛下のご意志に一任する」などとの発言も、この信頼関係の原理を踏まえない発言です。

>SAPIO 57P
>天照大神は女性神である。ならば日本の天皇は女系だったと考える事も出来る。

考えるのは構いませんが、論理的必然性がある訳ではありません。記紀は謎が多いですね。藤原不比等が編纂させたと聞き及びます。
天照大神を持ち出すのは、今のところこのこの問題の正当性について関与しません。

>59P
>だが一方で「皇統は神話からの連続性だ」と唱えておいて……もう一方で「ホモサピエンスの遺伝子による連続性」を唱えたのでは大矛盾ではないか!

(小林さんは無自覚に踏み込んでおられる、科学と科学哲学の難問に。)
連続性が二つある事が矛盾なのではないのですから、小林さんの指摘する矛盾とは一体何か。
進化論で言えば、人類の起源は他の霊長類と分岐した時点と言う事になりますから、天皇の始祖神武天皇を科学的には認められない、故に皇統に科学学説を持ちこむなと言うのが小林さんのご意見のようです。しかし、染色体アダムの連像性は科学的「事実」(検証済みで普遍的)であるのに対し、ミトコンドリアイヴによるルーシー説アルディ説も進化論的「仮説」です。極めてせまいところでの人口分布などの統計データによるもので、「X染色体の不変な連続性」などは数学的に不可能です。事実に対して仮説で反論する事のナンセンス。
このアルディ説での反論は、小林さんにとって何の意味も無い反論であるだけでなく、天皇論の本質的認識の欠如と非難されるでしょう。
さらに、進化論は、DNA研究が物凄い勢いで進歩を遂げているにも拘らず、自然淘汰説・突然変異説を証明出来ず、さらに創造論との論争、科学哲学的問題を抱えています。故に進化論=科学を前提にすると、とんでもない事態を招く恐れがあります。

さて、一体誰のための皇室典範改正なのかを落ち着いて考えてみなければなりません。
皇室・皇統は武家制度下でも存立し民主主義体制下でも存立しています。存立しえた主体は、時の為政者・権力者の意志でしょうか。
民主国家日本は、「立憲君主体制」維持のために、英国王室を持って来る自由を持っています、論理的に。何故天皇を選択するのでしょうか。まるで皇統を、明治で輸入した、ドイツの民法体系とでも考えているのでしょうか。
私は民主主義体制を、人類が編み出した最も進歩した政治制度である、と支持します。しかし日本人としての私は、この天皇論で論争する小林さんと男系主義者も含めて丸ごと「民主主義者」め、と非難します。



コメント(30)

>1 LuciferVFXAGITOさん(ロックなお名前ですね。)

現人神には、さすがに無理がありましたね。しかし明治政府の切実さも理解しなければなりません。なんとしても不平等条約を改正し、近代化欧米化しなければ、と。
この明治の一時期だけなんですがね、現人神天皇は。あの三島由紀夫でさえ、「すめろぎはひととなりたまひし」と嘆いてしまった。小林さんたちの考えも無理はありません。それにしても民主主義、モダニズムの恐ろしさ、ですね。
>だが一方で「皇統は神話からの連続性だ」と唱えておいて……もう一方で「ホモサピエンスの遺伝子による連続性」を唱えたのでは大矛盾ではないか!

に対するでにやん氏の意見について

>故に皇統に科学学説を持ちこむなと言うのが小林さんのご意見のようです。

と理解しておられるのなら、

Y染色体アダム論であろうが、アルディ説であろうが

小林氏は男系維持の正当性を科学的論拠(事実、仮説にかかわらず)

で語ることに否定的である、と理解できますね。


要は、「小林氏は皇統に科学を持ち込むことには否定的である」

これが大切なのであって、でにやん氏の意見は、少し的を外れているように感じます



残りの文章は、少し論としてわかりにくいように思えます

何が問題点で、そして解決策は何か、

を簡潔に述べられていないように感じます。

トピックを立てられたのなら、そのあたりを明確にしていただいたほうが

他の人々も意見をぶつけやすいと思いますよ
>3 ジェミニ・ヒロシさん

少々誤解が在るように思います。小林さんが科学の持ち込み否定であるなら、アルディ説で反論する事自体ナンセンスだと申し上げています。

>トピックを立てられたのなら、そのあたりを明確にしていただいたほうが他の人々も意見をぶつけやすいと思いますよ

仰るとおりですね。天皇論トピックの続きのつもりです。貴方と大文字さんとお話しできれば、との動機です。質問させてください。

>でにやん氏自身が考える天皇における「絶対」と
小林氏が考える天皇における「絶対」とはズレがあるように感じます

私は、「信仰の絶対性」と申しあげているつもりです。小林さんの絶対とは何でしょう。
>少々誤解が在るように思います。小林さんが科学の持ち込み否定であるなら、アルディ説で反論する事自体ナンセンスだと申し上げています。

小林氏の反論の方法に問題がある、ということでしょうか?
アダム論で反論すれば問題はなかった、ということですか?
なぜナンセンスなのか、もう少しわかりやすくご説明願います

>私は、「信仰の絶対性」と申しあげているつもりです。小林さんの絶対とは何でしょう。

某トピックにおいての私の発言(天皇論379)は
でにやん氏の意見(天皇論367)に対してです。

小林氏が皇室をどのように考えているかは天皇論で述べられているので、
私から言えることは何もありませんが、
少なくとも小林氏の考える「信仰の絶対性」には、「男系だから云々、女系だから云々」
は含まれていないのでしょう
>5 ジェミニ・ヒロシさん

議論とは、論理の正当性を相争う事ですが、論理で出来あがる科学を否定する事でまず一つ目の誤謬です。
もう一つは、男系主義者の科学認識も低いようですので、きちんと反論しないので、新たにアルディ説などを持ちこんだのでしょうけれども、議論の一部の科学論争(Y染色体とX染色体の)は、かたや科学的事実に対してかたや科学仮説です。事実は仮説より圧倒的に正しいですから、これも反論にはなりません。

さて、
> 少なくとも小林氏の考える「信仰の絶対性」には、「男系だから云々、女系だから云々」は含まれていないのでしょう。

絶対はあるが、万世一系など相対化して良い付帯条件なのだ、との論拠はどこに在りますか。単なる時代の風潮と民主主義的判断としか、その論拠を私は見出せません。ぜひご教示ください。

小林さんは、原則的に「今まで通りが一番良い」と明言されていますね。しかし、皇統の危機に際して、何故「女系容認」をも見据えた「皇室典範改正」なのでしょうか。改正が改悪に陥った後の話ではありませんか?
>議論とは、論理の正当性を相争う事ですが、〜

小林氏は科学的事実そのものを否定しているわけではありません。
アダム論は科学的に正しいのでしょう。
だとしても、それを皇室に持ち込むべきではない、というのが小林氏の意見です。

皇室の権威づけは神話や伝統など、
いわば非科学の分野であるべきだと小林氏は考えています。

科学的に考えれば、陛下の国民に対する祈りは無意味なものになってしまいます。
非科学で権威づけられた皇室であるからこそ、祈りは神事として、意味あるものになるのではないでしょうか



>絶対はあるが、万世一系など相対化して良い付帯条件なのだ、〜

万世一系が、なぜ絶対なのか、それをなぜ重要視しなければならないのか。
小林氏は、その論拠を「ただ続いているから」としか聞いたことがない、とおっしゃっています。

もし小林氏を納得させる「男系維持の論拠」を提示なされば、小林氏も意見を変えると思います。
現状はそうではないのでしょう。

小林氏は皇室を学ぶ中で、天皇の存在は、祈りの存在であると理解なされたのでしょう。
天皇陛下が祈りの存在であるならば、男系だろうが女系だろうが、それは重要なことではない。
との結論に達したのだと思われます。

そして今の皇統断絶の危機を鑑みて、女系も容認すべきではないか、と考えているようですね。

小林氏は「皇統の継続」を守ることを最優先課題だと考えているようです。
男系維持は皇統断絶の危機に比べれば、二義的なものなのでしょう。
>7 ジェミニ・ヒロシさん
>「ただ続いているから」

もし、本当にこう小林さんが仰ったのなら、私は彼の認識を変えなければなりませんね。にわかに信じられません。「ただ」はいただけません。
「続いて来た」事に重みを感じられないでなんの伝統保守でしょうか。それに「ただ続いて来た」と考えられていたものに、「物理的な連続性の事実」を突き付けられてもなお、科学を持ちこむな、と言うのであれば、狂信の誹りは免れません。
小林さんがそのような方では無いはずです。「運動」は嫌だけどやる、と仰ってますね。嫌々やる時などは、このような誤謬の罠にハマるものです。勘違いが大きくなって行く。そこを心配しています。八木先生など、男系主義者の論陣の甘さにも少々腹が立ちます。

>小林氏を納得させる「男系維持の論拠」を提示なされば、小林氏も意見を変えると思います。現状はそうではないのでしょう。

小林さんの納得が問題ではありません。小林さんの「立論・論陣」に誤りが在るのです。折角いい仕事をなさってきて、天皇論も素晴らしい。しかし何故女系容認などと飛躍しているのか。小林さんは、余りにも多くの誹謗中傷を日常的に受けて来ているがゆえに、自分は極右では無い、と証明したかったのか、とも推察します。

天皇論の基本原則は、日本国の象徴としてお迎えするに当たって、民主的方法でどのようにおもてなしするのか、どうすれば来て頂けるのか、と構えなければなりません。
陛下は、民主日本の決定に不満は仰らないでしょう。女系容認となればそのようになります。しかし、その「表」天皇とは別に、真の皇統は続きます。日本人の多数がそれで良いのならそうなるでしょう。
ひょっとすると、その方が皇統維持の観点からは、良い事かも知れません。
でにやんさんに一つだけお聞きしたいことがあります。あなたはこの「天皇論」を読まれて涙しましたか?
>9 Pigmanさん

私は小林さんにほぼ同調している、と申し上げています。私の書き込みからくみ取って頂けないのは残念な事です。心根を強いて申し上げれば、小林さんや貴方よりもこの問題に切実だと、自負しています。もちろん定量化出来ませんが。

天皇教を作らない事、小林教を作らない事を熟慮して腑に落とし込んでください。きちんと理性(論理的・科学的に)で判断すれば、天皇論についての小林さんの願いは、叶えられ、それは至極当然の帰結なのです。しかしいくらこちらにに義が在っても、議論で負ける場合もあります。
小林氏の伝統に対する考え方は「天皇論P371〜P375」で述べられていますので、再読願います。
守るべき伝統とは何か、について述べられています。
そこを読めば女系容認は飛躍でなく、小林氏なりの結論であると理解できると思います。

前にも述べましたように、
皇室は、神話や伝統など非科学的なもので権威付けられてきました。
そして皇室の存在意義も、祈り、神事など、非科学的なものです。
そこに科学を持ち込むことは権威の失墜につながりかねません。
あくまで皇統は神話からの連続性なのです。

科学は科学を語ることには必要不可欠ですが、
伝統や、宗教など、語る上で必要ない場合もあるのです。

イエスは死後3日に復活しました。
聖母マリアは処女でイエスを身ごもりました。

「それは科学的ではないから、聖書を書き換えよう」と発言したら、どうなるでしょうか。


でにやん氏が言う
「小林氏の立論・論陣の誤り」、「女系容認が論理の飛躍」というのがいまいち理解できません。
今一度わかりやすくご教授願います。
余念が入らぬように極めて簡潔にお尋ねしたのですが、念の入ったご返答感謝致します。
皆さんの議論を拝読していますがなかなか入り込むだけの時間が取れません。

しばらくお待ち下さい。
>11ジェミニ・ヒロシさん

貴方も、ですか。買って読め、と。私は長らくサピオを購読しています。天皇論もサピオ連載中に読んでいます。その本質は理解ているつもりです。間違いがあればご指摘ください。西部邁氏との共著も読んで、小林さんの思想(伝統保守)はほぼ把握しているつもりです。
神道、日本史に関しては私なりに勉強もしています。その上での意見です。
私の意見に反論するのであれば、小林さんの主張を貴方なりに租借して言うべきではありませんか。
このトピックの主題のどこかの矛盾の指摘や、反論が在るのなら議論致しましょう。私には教授する義務はありませんよ。

>12 Pigman さん

私に「踏み絵」を試みた、と言う事ですか。
大文字さん
ゆっくりで大丈夫ですよ。
すみません、私の議論の前提が間違っておりました。
でにやん氏はすでに「天皇論」を熟読しているものだと勘違いしておりました。

私が指摘したページはSAPIOでは掲載されていない描き下ろしの部分です。
今現在小林氏がSAPIOで展開している論は「天皇論」の補完であると私は理解しております。

まず小林氏の「天皇論」を熟読なさった方が、よろしいかと思います。
ファン心理云々ではなく、あなたほどの人物が「天皇論」を読まないなんて勿体無い。
これはお世辞ではなく私の素直な感情です。

小林氏の主張を借りて、私の言葉で述べてしまうと、
ズレや誤解が少なからず生まれてしまいます。直接読んでいただくのが一番ではないでしょうか。

その上で、疑問が解消されない、論理矛盾がある、と仰って頂いたほうが、私自身も答えやすいですし、
ほかの方々も議論に参加しやすくなるはずです。


あと申し上げにくいのですが、でにやん氏の論説は大変わかり辛いように感じます。
私自身の読解力のなさもありますが、
どなたでも理解できる、簡潔で素直な文章を心がけたほうが、
より多くの人にでにやん氏の考え方を伝えることだできると思います。

その上で、「小林氏の立論・論陣の誤り」「女系容認が論理の飛躍」という主張をもう一度ご教授ください。
私も、でにやん氏の考えを少しでも理解できるように努力いたします。
「踏み絵」とはどういう意味でおっしゃっているのか解りかねますが、私はでにやんさんのご意見に反論するつもりは無いのです。にもかかわらず、あなたの文章にどうしても違和感が付き纏うのは何故なのか?基本的なところで感受性に致命的な差異が存在するのかもしれないと感じて、単純な質問をさせて頂きました。
でにやんさん。ロック好きな社会不適合者とあらば、さらに同学年であるなら、親しみすら覚えてしまいます。余計なお世話かもしれませんが、単行本の「天皇論」をお読みになりませんか? そして共に涙しましょうよ。議論はそれからでも遅くはありません。
>16 ジェミニ・ヒロシさん

小林さんの「戦争論」にも描かれていましたが、歴史の連続性には時間軸の「縦軸」があります。そして「横軸」にはその時代時代の日本人の営為奮闘、喜怒哀楽と言った相互連関のドラマがあります。我々がここで対話する事も日本史の構成要素と認識されます。

日本人のアイデンティティとは、この歴史総体の中に自分を同一化する事です。私も小林さんもこの点において共通認識を持っています。判り易く言えば、「伝統保守」的立場です。
「日本の本質」とは何か、と考えた場合、「本質」とは日本を日本たらしめているもの、動かしがたいものの事です。そういう意味で日本史を俯瞰した時、古代から現在までを貫き通す一本の直線で表わされるものは、皇統であり「和」であることは、どなたも反論できないでしょう。

我々が、日本人として(アイデンティティを持って)存在するためには、当然過去の日本の歴史によってです。この点で、私と小林さんは思想的基盤において同調しています。論理的に。
小林さんの「天皇論」で初めて日本人としてのアイデンティティを持った方も、同じ思想的基盤に立った事を意味します。

さて、ここに天皇のお世継ぎ問題があります。この問題が発生した根拠は、日本が近代的民主主義を標榜する国家体制下に在るためです。明治以前にはその問題の萌芽すら無く、戦後のGHQ占領体制下での現憲法及び皇室典範による論理矛盾、さらに時代の風潮によって引き起こされています。
この問題の論争の「真」の論点は、明治以前を維持できるのかどうかです。「女系も容認VS男系絶対主義」は、この真の論点をぼかしています。
「維持VS変革」と見るのが正しいと思います。

お世継ぎ問題は、変革する側に問題提起があります。決定的なのは、今の社会常識が側室制度を認めないであろう、と対立するどちらにも共有されています。旧宮家復活も実務的に難度が高い。そして現実に、皇太子・秋篠宮両殿下の後の皇室の男子はおひとり。
皇統は宮家と側室制度で維持してきたのです。それを阻むものは、近代思想そのもので、民主主義システムと風潮(世論)です。
「女性セヴン」に代表される皇室報道は、皇室のアイドル化であって、まさに「ひいきの引き倒し」現象。子供を産み育てる事を、自分の職業的キャリアと天秤にかけるような相対化した現状とこのお世継ぎ問題は全くシンクロしています。
「不倫は文化だ」と主張する輩、結婚相手は「絶対浮気しない人」などとの風潮は、側室制度をもどこかにやけたものに貶めて、その厳粛なリアリズムを理解できない。

ヒトゲノム解析が済んで、人間の肉体には本質的な違いは無い事が明らかにされました。歴代の天皇も我々と同様に、肉体の欲望から誘惑を受ける存在であると言う事です。誘惑に翻弄もされたでしょう、或る時は挫けてしまったかもしれません。しかし、歯を食いしばるような切実な思いで、後世に伝え残してきたのです。神へ捧げる聖なる祈りは、天皇から天皇に伝わる秘儀として連綿と悠久の時を刻んで現在に在ります。この神の庇護のもとで、さまざまな苦難に遭いながらも日本文明が成立してきたのだ、との認識を持って改めて「天皇論」を語って頂きたい。

最近の欧州の気鋭の社会学者エマニュエル・トッド氏の著書でも明らかにされていますが、家族制度の構造と宗教との密接な相関関係を人口統計データから氏の自論を展開しています。西洋のみならず、世界中の家族制度の中に「権威」があり、それは神の権威の具現であり、家族の権威は父親に託されていた事を証明しています。
人間には「畏怖の対象」が無ければ、人間たらしめない事の証左です。権威には厳格さが必要ですが、厳格な母親でもいいでしょう。しかし、一般的に厳格さは、つまり「男らしさ」と言ってもいいのではないでしょうか。
その男らしさ(女性にはないもの)とは何かの、最新科学の見解は「Y染色体」であるとの「事実」です。

科学であれ、いかなる学問であれ、さらに小林さんの「天皇論」も勿論、「論理的必然性によって何事かの「正しさ」を主張しているのです。その論理的主張の中で、人種・文明に関係なく万国共通のコンセンサスを持つものが「科学的思考」です。科学とは判らないものに説明をする行為です。科学の進歩はその領域を広げて来たに過ぎません。近代思想・制度も科学的思考の産物です。科学で判らない事が在るのですが、科学で明らかにされた事を無視するなど、日本文明だけでなく、文明そのもの人類の歴史そのものを否定するのと同様の最も愚かな行為です。
西部先生の女系容認論は2005年に「正論」で発表されていたようです。小林さんも同じかどうかは判りませんが。

【日本国家を統合するための象徴機能は皇室において、つまり「血」統よりも「家」系を重視する方向において、よりよく維持されると思われるからである】
(西部邁;正論より)

「維持するための方法論」を述べておられます。その前提として、血統(万世一系)、家系(皇室)を分けて考える、と言う事のようです。
これは「天皇論」ではありませんね。しかも「思われる」ですから、「主観的」である、と言う意味になります。
小林さんの論拠もこれと同じとは断定は出来ません。
今回のSAPIOのゴー宣の感想

・女系天皇反対の集会やデモを「ここでは女系容認の意見が言えない」として「沖縄の同調圧力」と同じだとしているが、あれはそもそもそういう意見の人たちが集まる集会なのだから沖縄の例とは違うと考える。例えるなら個人の日記に嫌いな芸能人の悪口を書くのはかまわないしそれを抑えるのは圧力だが、その芸能人のコミュでその人に対する悪口を禁止するのは普通だし批判の自由も認めろという方がおかしいだろう。

・有識者会議の報告を評価し批判する人間をおかしいとしているが、2006年当時は「挑戦的平和論」などで小林氏もこの有識者会議を批判していた。もちろん意見を変えるのはいいがならば当時の反省は必要だろうし、当時は自分もそう言っていたのだから人に対しても「当時の言説」は批判すべきではない。

・「大御心が女系容認だったらどうするのだ」とあるが富田メモへの姿勢と矛盾しないか

・「八木氏のようなやけっぱち女系容認では正統性のなさを左翼に利用される」とあるがそもそも左翼はやけっぱちであろうがなかろうが女系容認に賛成の人が多い。小林氏も利用されない策を考えるべきであろう。

・竹田氏に関しての章は概ね賛成。

・全体的に極端な「ファナティック男系主義者」に対しての反論だからか、女系反対な時点で一切認めないかのようなこわばりが見えてきている。そういう意見の人との議論の場ももってもうちょっと柔軟な主張がほしい。
>21 木下統さん

ご感想の表明に恐縮です。全く同感です。
小林さんは、手を広げすぎで忙殺されていますね、おそらく。体調不良なのでしょう。無理もありません。沖縄、台湾そして相当に大変だったであろう天皇論ですから。
「大御心が女系容認だったらどうする、その可能性はあると思う」と推察してそれを論拠にする事自体に違和感があるんですよね。これは逆に「大御心が女系反対ならどうする」と言っている論者がいたとしても同じことです。
そして大御心がはっきり明らかになることがあったとしてもそれでどうこう議論が変わるのはよくないのではと。
> 日本解体阻止!!from風さん

こばやしさんのご発言は、日本の「論壇」「言論界」の論争の中にあります、故に「私的発言」ではありません。私が、日本国民として自覚を持って議論参加するのであればそれは、「公論」です。たとえ声が届かなくても。
天皇論議論が終結した時に、小林さんが何事かを表明するのであれば、それは公的な職業倫理的な責任感によるのでしょう。決して身内の集まりでの発言とは違いますよ。


結局の所、男系維持か女系容認かってのは「伝統を堅持する」か「国民の納得をとる」かのいずれかの選択肢をとるのかってことですからね。難しいことですな。
> 日本解体阻止!!from風さん

そうでしたか、当時小林さんはそう発言されていたのですね。誤読してしまいまして大変申し訳ありません。

>28 モロ會長 さん

その二者選択に集約されることが、この問題の本質だと私も思います。
日本のご先祖様全員の人口は何人なのか、定かではありませんが現・国民よりも多いであろうと推測します。
伝統的日本人の小林さんは、ご先祖様にどう申し開きしようとするのでしょうか。

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