僕がサムのゴスペルを最初に聴いたのは、 "The Two Sides of Sam Cooke" という70年代に出された編集盤を再発したCDでした。 そのレコードはSpecialty時代のサムのゴスペルの曲とポップの曲を半分ずつ収められたものでしたが、そこで聴いたゴスペルは、思っていたほどとっつきにくいものではなく、ポップ時代とまるで違うといった印象は受けませんでした。
サムのゴスペルをもっと聴いてみたい・・・そう思っていたおりにちょうど発売されたのが、 Sam Cooke with the Soul Stirrers / "The Complete Specialty Recordings" という3枚組ボックスでした。店頭で見かけた僕は、同時に見つけたポップ時代の4枚組ボックス、 "The Man Who Invented Soul" とどっちを買おうか迷ったのですが、結局ほとんど知らないゴスペル時代のほうを先に聴くことにしました。
音楽的には、2ndリードの荒々しいシャウター、ポール・フォスターとのスリリングなかけ合いと、それを支える安定感あるバック。素晴らしい歌がいっぱい聴けます。さらに、ソウル・シンガーの父ともいわれる Julius Cheeks (The Sensational Nightingales) とサムの夢の競演、そして、ゴスペルとはなんぞやをこれでもかとおしえてくれる、シュライン公会堂での超絶的なライヴも収められた、まさに決定版といっていい内容です。
Soul StirrersとFamous Blue Jay SingersがGospel Quartetのムーブメントを揺り起こした双璧と思います。
Fairfield Four やKings of Harmony og Alabamaも
彼らに次ぐ優れたカルテットですね。
フェバリットはBlue Jay SingesのSlas Steele
後のSpirit of Memphis Quartet 時代の壮絶なバリトンに
敵う者は皆無と思います。
R.H.Harrisと並びQuartetの父と呼ばれるBirmingham Jubilee Singers を経てBlue Jay Singersに加わったCharles Bridges
も忘れられない偉大な存在です。
彼とSilas SteeleがBlue Jay Singersでリードを分ちあった
数曲、素朴かつ雄渾であり、深遠であり
長年の私の魂の救いかな?
Sam Cookeを耳にしたのも大半Specialty時代ですが
keen時代のものも愛聴しています。
Specialtyで残念なのはSP盤、78回転の強烈な歌声の響きが
LPからCDと変貌しても相変わらず生かされていない事
Soul Stirres然りFive Blind Boys Alabama もChosenも。
機会有ればSP盤を耳にされる事お奨めします。
Sam Cookeの一曲にさえ時代と空間を超越して
よりいっそう素晴らしいSamに出会える事約束します。
Sam Cookeに加え彼と同等の力量を持ち、感動を与えてくれた
やはりR.H.Harris直系シンガー
Five Blind Boys of MississippiのArchie Brownlee
Spirit of Memphis時代Silas Steeleの驚愕のバリトンに
脅威のハイ・テナーで張り合った
Wilmer "Little Axe" Broadnax
彼らこそ私には
Harris Schoolの三羽烏とも言える大切な存在
と言ってもみな既に天国に召されたわけだけど。
Wilmer "Little Axe" Broadnax、Blind Boys Of Mississippiに参加していたときリードをとった「Weeping For A Mighty Long Time」と、Golden EchoesでPaul Fosterとリードを分け合う「When The Saints Go Marching In」は聴いたことがあります。いいですね〜。
Archie Brownleeは「Somewhere Listening For My Name」が一番好きかな。
Spirit of MemphisやMississippiをこれだけ纏めて出すってのも偉業ったら偉業なんですが、やや編集に物足りなさが。
私としてはKing録音で統一したSwansが一押しです。
本人は自分の意向が反映されなかったとの事だけど
Claude Jeterの最も光輝くファルセットが耳に出来ること
またJeter最愛のメンバーながら突然の死を迎えた
Bobby Womackの叔父、Solomon Womackの初々しい歌声に
MississippiからAlabamaと渡り歩いたGreatなバリトン
Percell ParkinsとJeterのツイン・リードが圧巻。
SwansをSpecialty、Vee Jayでしか耳にされてこなかった方には是非お奨め
実際このCDが出るまでSwansのKing録音の全てを聞いた人って
そんなにおられないと思うのですが。
蛇足ながらSpirit of MemphisのKing録音の僅か2曲を耳にするのに、私は十数年費やしました。
ツーさん、
Fairfield FourじゃやはりカルテットとしてのハーモニーワークからStanding in the safety zone と、かつて若き日のBB.KINGの憧れ、Sam McCraryのしつこ〜いDo〜〜n't let Nobody Turn you aroundtが大好きです。
今では失われたカルテットの重厚さは、ベース・シンガーの力量によるところ多大ですが、その中でもピカ一のIsaac Freemanの生の勇姿が見られたなんて、それだけでも生きてて良かったと思えましたよ。
Spirit of MemphisのEarl Maloneも実力伯仲だけど
更に凄い、仙台酒屋おやぢにして人間技でない!と言わせた
カルテット界の重爆撃機 Flying Clouds of Detroitの
William Turner!!
Heaven時代のものからCD化されていますがカルテットの重厚感
は常々私の五本の指に入れています。
クックさん
AcrobatのSwansはKing録音45曲全て収録しています。
SP盤についてですがKeen、Aladdin、ImperialといったレーベルはリイシューされたLPもさして差異は無かったように思いますが、King Specialty,Chess,Duke-Peacock Modern VeeJayと
50年代を代表するところで、CD時代となつた今もなおSP盤との格差を感じます。
これが解消されればSP盤とてただの「重いで」の一枚でしょう。
管理人さん
やはりMississippiのAcrobat盤はArchieの初々しいエネルギーに満ち溢れたExcelsior初期8曲が必聴かと。
Stirrers、Blue Jays,Fair Field Four,Kings of Harmonyの名曲をピックアップした点は偉大な先駆者達への敬意?はたまた挑戦状?
ただAcrobatは全体に音質がいまいちという声もあって
MississippiのPre Peacock時代は
P-Vine 「ロード・ウィル・メイク・ア・ウェイ・アーリー・レコーディングス 1947-51 」をお奨めします。
ツーさん
左CD左隅に私の写真がぁ〜。。ちゃうかm( _ _ )m
Shanachie「Kings Of The Gospel Highway」
R.H.Harris師の初期録音からKng Specialty Peacockといったレーベル枠超えて名カルテットの名演をよく一枚に詰め込んだものと感心。
http://www.emusic.com/album/10596/10596610.html?fref=700057&refsrc=spire
真ん中P-Vine 「アカペラ・ゴスペルの真髄」は10年先もその価値を失わないでしょう。
補足としてLP時代のコンピ名盤Stashの「All Of My Appointed Time」はCD化に際しちと過剰サービス有りましが先のCDとともに今だ必携盤かな?
http://www.amazon.ca/All-My-Appointed-Time-40/dp/B000001LYP
これにCD時代のコンピ名盤Gospel Heritage
「Glad I Found The Lord: Chicago Gospel 1937-47 」
見つければ買いの一枚
http://www.amazon.com/Glad-Found-Lord-Chicago-1937-47/dp/B000001BHU#moreAboutThisProduct
左端、Kings of Harmony of Alabamaとは異なり
東海岸ニューヨーク筋?
P-Vine(Original?)Kings of Harmony Quartet
はSelah Jubilee Singers等とともにジュビリー系ハーモニーワークの真髄を聞かせる歴史的カルテット。
そのKing Solomon録音を全て集め
世界のゴスペル・カルテット・フリークを唸らせた(とか?)
仙台酒屋おやぢ様蔵出しの
渾身の一枚でした。
ついでだから、もう一枚
CD化で、やや音は貧粗になったものの
元は超GreatなTimeの名盤LP「Spirituals」SIW 音源集
「O Gospel Where Art Thou 」あるうちどうぞです
http://www.ntimemusic.com/Scripts/prodView.asp?idproduct=2789
こいちさんが紹介頂いたものも
やはり素晴らしい内容のものばかりで
There Will Be No Sweeter Sound ColombiaLegacy C2K65229
The Best Of Exello Gospel Ace CDCHD687
の二枚が視聴出来ます。
一枚目は私にとっても特に貴重かつ秀逸なナンバーが並び
Mello TonesはDixieairsとタイプを同じくする、
見事なハーモニー・ワークの中から、溜め息の出るようなリードの歌声を聴かせる大好きなカルテットのひとつ。
これだけ纏めて聴けるだけで感謝感謝でした。