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日経サイエンスコミュの朝に道をきかば夕べに死すとも可なり

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茂木健一郎先生の「クオリア日記」(2006/10/27)に、このように書かれています。


 先日手術をされた、河村隆夫さんが会場に
 いらして、びっくり。
「朝のクオリア日記を読んで、どうしても話を聞きたくなりまして」
 と河村さん。
 お元気そうな姿に、本当に安心して、
 飛び上がるほどうれしかった。


医師からは安静にするように言われていたのです。
そして妻も身体をやすめたほうが好いと私をひきとめましたが、
理化学研究所主催の科学講演会に行ってまいりました。

なぜって、ノーベル賞受賞者野依良治理事長のご挨拶のあと、
茂木健一郎博士の講演があったからです。

演題は「心を持ったコンピュータは実現可能か?」
これを聞かずして生きている意味はありません。
「朝に道をきかば夕べに死すとも可なり」と心に決めて、
丸ビルに向かいました。

講演の直前に会場の席に着き、パンフレットをひろげていると、
眼の前に茂木先生が立っていました。

「外へ」とさそわれて、会場のエントランスで挨拶をかわしました。
「お身体はいかがですか?」
「医師からは安静にするように言われているのですが、
 この講演はぜひお聞きしたかったものですから」

癌の部位や浸潤の検査結果を11月1日に知らされることなどをおはなしして、
会場に戻りました。

科学講演会が始まり、ノーベル賞受賞者野依良治理事長が挨拶と茂木先生のご紹介をされて、
いよいよ先生のご講演です。

いつものようにすこし早口の、立て板に水というような軽快な語り口でした。
おそらく最前列に居並ぶ来賓の方々、白髪のお歴々は、
つまり象牙の塔の中での椅子とりゲームに夢中になっていらっしゃる方々は、
テーマのあまりの斬新さに腰を抜かしたのではないでしょうか。

「open endedness」「contingency」「utility」「anomalies」「Ellsberg's Paradox」
などなど、とてもエキサイティングなお話しでした。

現今の脳研究は、過去のアルファベット対応のような、
表象と脳細胞の一意対応を研究する次元から、
個人差のある不確定な領域へ足を踏みいれていることなど、
そして人間にとっては、
「行動すること自体が喜びである」ということ、
つまりは最初のペンギンになる勇気を見出す世界観を私たちは持つべきであり、
そのような姿勢によってのみ心脳問題への道はひらけるだろう、というお話しでした。

講演のあと茂木先生にお誘いいただき、丸ビル1階の喫茶店で、
毎日新聞社論説委員の青野由利様、電通の佐々木様と雑談を交わしました。
もとより私はもっぱら聞き役でしたが、その話のさなかに、
私がはじめて茂木先生にお会いするきっかけになった『脳とクオリア』、
小林秀雄賞授賞式にお招きいただいたときの『脳と仮想』、
この2冊にサインをしていただくことができました。

先生は東京駅での別れ際に、
「11月1日の結果が良いといいですね」
と笑顔で励ましてくださいました。

癌摘出後の腹部の痛みを微塵も感じることなく、
「朝に道をきかば夕べに死すとも可なり」の一日でした。

コメント(2)

その講演なら「サイエンスチャンネル」にて無料配信されていたのを視聴しました。なかなか面白かったです。どうぞ参考までに…

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