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蝮☆千夜一夜コミュの週刊『機動戦士ガンダム ガイスト〜鬼の啼く宇宙(そら)編〜』第26話〜ドン・キホーテ〜

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 星の海で漂うことは
 ロマンであると誰かが言う
 星の海で戦うことは
 愚か者のすることだと言う
 世相に流され
 意義を見失うものは同情され保護される
 それに逆らい抗うものは
 天に唾するものと呼ばれまた
 愚かな奴よと陰口を叩かれる
 どちらが正しいのではない
 どう生きるか
 それだけの問題なのだ



 ヨハン・クリスチャン・セガールは、ベッドに横たわっている。彼の各所につけられた明滅するいくつもの光の導子。一定期間のあと、それは全体に一瞬ひかり、そして、消滅した。
「セガール、終わったよ。」
 バートレット先生がセガールに声をかける。ゆっくりと起き上がるセガールだが、いままでの自分と、いったい何が変わっているのかまったくわからない。
「あははは、なんだ、その顔は。」
 バートレットが笑う。
「いや、もっと、こう、抑えられなくなるような衝動みたいなものがあるのかと・・・・」
 戸惑いながらセガールは答える。自分の手を見たり、景色を見たりしながら。
「セガール、これは感情の閾値を上げるものだと思ってくれればいい。リミッターをかけていたようなものなんだ。だから、日常生活には問題はないんだが、それを外すと、極度の興奮などが起きたときに、君の能力が発動しやすくなるんだ。」
 そう話すバートレットの顔をじっと見ながらセガールは黙って聞いている。
「今の君の状態に、これを行うことは、できればしたくはないんだが。」
 バートレットがそう呟く。セガールはかすかに笑って、
「でも先生、それしかないんでしょ。」
とバートレットにウインクして言った。バートレットも苦笑いして、同じようにウインクで応える。バートレットは、セガールの瞳が、以前にもまして透き通っているような感じがした。傷だらけの若者に、すべてを託さなければならないことに、苛立ちを覚えるが、だからといって、これ以上のことをバートレットができるはずもなかった。
 影のように付き添っているターニャは、これからの行く末に思いを馳せると冷静ではいられないのだが、取り乱したところで現状がどうなるものでもない、それならば、セガールのためにできるだけのことをしようと心に誓って、ずっと耐えていた。しかし、それにしても、セガールの透明さは、あまりにも淡々としすぎていて、ターニャも調子が狂う。どこか他人事のような、セガールのその言動。きっと、わたしたちはどこかおかしいのだろう・・・・そうターニャは思った。
「セガール、前にも言ったけど、この力は何も、ネガティブな感情でなければ発動しないってわけじゃない。だから、感情のコントロールが出来れば、能力を引き出すことのリスクは小さくなる。それだけは覚えておいてくれ。」
 バートレットはセガールに念を押すように、そう言った。


 地球連邦軍の鐘鬼討伐部隊の第二陣が出撃した。旗艦「カーツーン」他、マゼラン改級1隻、サラミス改級は、「レオニダス」を含めて7隻、コロンブス改級2隻である。コロンブス改級にいたっては、ほぼ、実験用MA「ゴルゴン」の母船としての運用であるから、もう一隻の「スネークアイ」母艦「メドゥーサ」の僚艦として行動していた。総勢約11隻にわたる艦隊である。第三陣は、少し遅れてサイド4に到着する。ちょうど第二陣と入れ替えになるような感じであり、一時の休息のあと、第三陣も後を追うことになっていた。
「艦長。」
 「レオニダス」のモビルスーツ隊隊長のカノン・ライヒ大尉は、「レオニダス」艦長のシュワルツェンベルグ艦長に問いかける。
「前回の第一陣が壊滅したのは、敵の情報におびき寄せられたからですが、今回は大丈夫なのですが?」
 艦長は顎に手を当てて、ライヒのほうを見、そして言った。
「心配はない。今度の情報源は、アナハイムだ。」
 それを聞いてライヒは我が耳を疑った。
「え?アナハイムが我々にどうしてそんな情報を?」
「鐘鬼を見限ったということだろうな。見事な二枚舌だよ。この前の鐘鬼の演説はどうやらアナハイムから発信されていたようだが、それはこの件で不問にするということなのだろうな。」
 政治的な力学といえば、そうなのかもしれない。しかし、ライヒはどうにも納得がいかない。いや、いままでもそんなことはあった。わかっているはずなのに。命のやり取りをしてきた相手である。それは互いにそういう立場でなければわからないものがある。だからこそ、アナハイムや連邦軍の上層部のように、生き残るためだけの無節操な馴れ合いに嫌気がさすライヒであった。ブリッジを去り、パイロット控え室に向かうライヒは、
「ホマレ・マツナガとかいったな、敵の御大将は。ゴミ溜めのような世界からでも星を見上げられるといったが、どうやら俺たちが見あげることの出来る星は、クズ星だけらしい。」
と、やるせない感情をぶつけるかのように、壁に拳を当てて呟いた。


 鐘鬼の旗艦「スカーヴァティー」のブリッジでけたたましく警報が響く。オペレータのルッキーニが叫んだ。
「熱源多数接近中。識別コード不明。敵艦隊と思われます!数は10隻以上!!」
 クルー全員に緊張が走った。思いのほか敵の攻撃が手早い。エウーゴとの合流点までは、まだまだ遠い。
「クッ!敵さん、動きが早い上に正確だな。」
 ブリッジで大佐は毒づいた。
「どうしてこんなに早く我々の行動がわかったんでしょう?スパイがいるのでしょうか?」
 ティドウィルが大佐に聞く。
「いや、そうではあるまい。おそらくだが、アナハイムがタレ込んだんだろうな。」
 平然と言ってのける大佐に、ブリッジのクルーは驚いた。
「いや、しかし・・・・」
 ティドウィルが反論しようとするが、
「別におかしくはないさ。俺がアナハイムの幹部なら、そうするからな。」
 大佐は笑っていた。
「第一種警報発令!モビルスーツ隊、発信準備!!」
 大佐はそれだけ言うと、あとをティドウィルに任せて、モビルスーツデッキへと向かっていった。


「セガール、よいな。このザク?は、もとはゲルググ先行試作型ザクだったものを改造してある。改造といっても、もう5年以上の歳月がかかっているから別機体と呼んでも良いくらいじゃ。したがって、ザクどころか、ゲルググですら、この機体の性能には遠くは及ばんのお。ただな、ワシも万能ではのうて、コクピットだけが新しい技術だけで作るわけにはいかんじゃって、この機体の性能を最大限に発揮してしまうと、パイロットへの付加が大きいのじゃよ・・・やれやれ、どうやら、こんな話ばかりじゃな、セガールにとっては。」
 ザク?αのコクピットにセガールが乗り込み、イズ部長の説明を受けている。セガールの専用機としていろいろなデバイスなどが組み込まれたカスタム機ではあるが、鐘鬼の現状では「万能」とはいかなかったらしい。
「部長、この機体の最大の特徴って?」
「ああ、お前さんも聴いていると思うが、ジオンのサイコミュほどじゃないんだが、感情のエネルギーを機体に反映させるシステムを積み込んである。これはニュータイプじゃのうてもある程度使用することは可能じゃ。もっとも、ジオンのサイコミュは、それを特に攻撃に利用して、オールレンジ攻撃というものを生み出したのじゃが、コイツはそこまではできん。唯一、両肩のビーム砲は、操作系を必要とせず、パイロットの感情で操作することが可能じゃが。咄嗟の時には活躍してくれよう。ほれ、やってみろ。」
 セガールは言われたとおりに専用のヘルメットをつけ、意識を集中する。そうすると、両肩のビーム砲の仰角が自然と上がった。
「そうじゃ、そういう感じじゃよ。さすがじゃな。」
 部長は嬉しそうだ。セガールも不思議な感じがする。イメージするだけで砲が動いている。
「セガール、あと、この機体の最大の特徴は、強大な機動力と反応速度、大火力を生かしたオーソドックスな攻撃にある。機動力はスラスター系を見ればすぐにわかるじゃろうが、反応速度は、連邦軍が一年戦争であのガンダムとやらに使用した、マグネットコーティングの技術を応用している。ジオンでも独自に研究はしていたのじゃが、そうではのうて、このザク?に使ってあるのは連邦の技術じゃ。アナハイムからちょろまかしてもらったものじゃがな。それと、擬似サイコミュの装置が連動しておる。」
「と、いうことは、自分の反射神経にもっとも近い速度で反応できる・・・・そういう機体であるわけですね。」
 セガールが部長のほうに微笑んで答えた。
「そうじゃ。そして、セガール、お前の戦闘データもフィードバックしてあるから、ザク?は早い話、お前自身というわけじゃな。そのかわり、機体の反応速度が速すぎて、それがかえってパイロットの身体に付加をかけてしまうんじゃがな。もうちょっとコクピットの設計を考えなおさないと、パイロットへのダメージが大きすぎるんじゃなあ。機体の色は、赤い彗星と呼ばれた、シャア・アズナブル大佐の機体にあやかっておるが、これを見たら敵さんも驚くかもしれんのう。」
 そして、警報が鳴り響き、モビルスーツ隊の発進が命令される。ブリッジからの報告によると、敵艦10隻以上に、モビルスーツと思われる機影が約30機を越えるとのことである。
「とうとう、敵さんも本腰を入れてきたというわけじゃなあ。」
 報告を聞いてイズ部長が何気なく言った。
出撃命令が下る。ゲルザク、ザク?G、リックドム?、ザクスナイパー、ザク?、そしてマザ・Eの6機。セガールのザク?には出撃命令はくだらなかった。
 各機に大佐の声が響き渡る。セガールは大佐の機に向かって叫んだ。
「大佐!どうしてザク?は待機なんですか!!」
 すぐに大佐が返事をする。
「お前は切り札だ。すぐに出すわけにはいかんし、何より、その機体はリスキーな機体だ。だからこそ、ここ一番で使わないことにはな。今はじっとしてろ!」
「しかし、相手はこちらの五倍以上の数で、そんな相手に旧式機体で立ち向かうなんて・・・」
 セガールが反論しようとしたその時だ、
「大佐の言うとおり、ごちゃごちゃいってないで、大人しくしてろって。」
 ジョナサンが割って入ってきた。彼だけではない。
「そうだ、パイロット。あんな奴らは、このカシラッス・ムレノにかかればオチャノコサイサイってやつ・・・・」
「おい、ムレノさんよ、いまどきオチャノコサイサイとは言わねえぞ、なあ、ジョン。」
「ウェイヴェルの言うとおりだな。ムレノさん、あんたには、ジオン流の戦い方をきっちりと俺が教えてやるよ。」
「じゃあ、自分のかわりは、ムレノさんが頑張るということで。」
「こら、ミッチェル!我がジョナサン隊に臆病者はおらんのだぞ!今日は晩飯抜きだな。」
「ええええ!そ、そんなあ。なんとか言ってくださいよ、大佐ぁ。」
 パイロットの全員が通信で割り込んできた。みんな陽気だ。これからあの大軍を相手に命をかけにいくという感じがしない。
「わはははは。ミッチェル、まあ、お前の活躍次第ということだろう。セガール、何も敵を全滅させようってんじゃない。艦が後退できるような時間を稼ぐことが目的だ。もし、それでも俺たちが危ないときには、お前に助けてもらうしかないが、それまでは待機だ。わかったな。」
 最後に大佐がしめる。ここまで全員に言われると、セガールとしては、待機するより他にない。
「わかりましたよ。仲間はずれだなんて。」
「いじけやがったよ。」
 ジョナサンが大声で笑った。
 大佐が大声で命令する。
「よし!ガトルが先行してデータを集めている、俺たちも発進する。いくぞ、野郎ども!」


 この狭い空間にこれだけの数の連邦軍モビルスーツが使用されるのは、総合演習を除けば、おそらくデラーズの反乱以降、はじめてのことではなかろうか・・・・・ライヒはそう思った。
「大尉、あれですね、S.O.Gが我々だけだなんて、なんだか将来が不安っすねえ。」
 トーマス・ウッズ中尉が気の抜けたことを言う。
「たく、何言ってんだ、トーマス。」
「だって、我々のレオニダス以外はみんなティターンズ艦なんですよ。肩身が狭いじゃないですかあ。」
「お前は肩身で戦するのか?」
「いやあ、そうじゃないですけど・・・・」
 今度の会戦で、S.O.Gの艦は、ライヒの艦、レオニダスと第一陣で撃破されてしまったペロピダスの二隻だけである。もはやティターンズに実権を奪われた連邦軍内では、特殊機構分遣隊であるS.O.Gは消滅していく運命であろう。
「そのうち、俺たちは連邦本隊に吸収されるだろうよ。」
 吐き捨てるようにライヒは言った。少なくともS.O.Gは実戦的な部隊であったし、男としてもそれなりの誇りを持つことが出来た部隊であったけれども、連邦本隊となると、もはや軍隊と言う名のサラリーマンと化していて、そのことがまたティターンズの跳梁を許している背景にもなっているので、ライヒのようなアウトローには、連邦本隊への復帰はあまり気の進むことではなかった。
 すでに30機を越えるモビルスーツが展開している。鐘鬼の艦隊までは目と鼻の先だ。おそらくは鐘鬼のほうでもこちらを探知しているだろう。
 先行する部隊はティターンズである。ゴッドフレイ大尉の機体の姿も見えた。
「ネザルの野郎の化け物機体は、出てこねえみたいだな。」
 ライヒは呟いた。使うまでもないと判断されたのか、それとも機会をうかがっているのか。
「そうですね、でも大尉、あんな機体が出てきたら、戦いにくいですよね。」
 ウッズ中尉が言う。その通りであった。大型兵器である上に、火力が強力すぎる機体は、味方を巻き込む危険性を孕んでいる。おそらく混戦になると踏んだ上層部が出撃を見合わせているのだろう。
「トーマス、あの馬鹿野郎が出撃してくるまえに、片付けちまったほうがよさそうだな。」
 ライヒは笑いながら言った。


「アルニム、状況はどうだ?」
 大佐が先行して情報を収集していたガトルに合流して報告を聞く。
「ほとんどティターンズのようです。30機ほどの機体がクウェルばかりという異常な構成ですね。あと、例によって、2機のGMカスタムがおりますが。」
「あの2機だろうな。ここまで付き合うと、多少愛着がわいてくる。しかし、もともとコロニー用のクウェルをこれだけ集めてくるということは、ティターンズめ、我々をとことん利用しようって腹積もりだな。」
 大佐がぼやいた。
「どういうことですか?大佐。」
 ジョナサンが尋ねた。
「プロパガンダさ。ティターンズはいつも全力でジオンの残党と戦っていますってな。勝ったって思っているんだろうが、そう簡単にはいかないことを思い知らしめてやらんとな。」
 大佐が言った。
「まあ、5対1だと、我々も勝てる気はしませんがね。」
 苦笑いしながらムレノが答えた。
「わははは。ムレノ、それを言うな。これでもア・バオア・クーの後退戦のときよりはマシなんだぞ。なあ、ジョン。」
「ええ。あのときは10対1ぐらいの感じでしたねえ。」
 連邦軍出身のムレノからは信じられない会話である。たしかに、ムレノ自身は当時連邦軍だったので、数にものを言わせて戦える立場にはいたが、末期にはそれほどの比率になっていようとは考えたこともなかった。鐘鬼のしぶとさというものが、こういうところにも現れているのだろう。
「俺とムレノ、それからウェイヴェルが先行する。ジョンとジョナサンはガトルと連携して、遠方からの狙撃。ミッチェルは狙撃隊の援護に回ってくれ。」
 隊を二つ、前後に分ける。接敵すれば混戦は必至である。
「ジョン、ジョナサン、これからそちらにデータを転送する。こちらで分析した予測位置があるから、そこへ射撃を開始してくれ。まぐれでもいいから、数を減らしておこう。」
 ガトルの機長アルニムが、狙撃隊にそう言う。最大射程から射撃して、数の少なさを少しでもカバーしようということである。敵はおそらく、こちらに狙撃隊があることは知らないだろう。
 ジョンのリックドム?がビームバズーカを、ジョナサンのザクスナイパーが対艦ライフルを三斉射する。ビームの閃光とライフルの曳光弾が吸い込まれていく。
「熱源拡大、おそらく何機かに命中したようです!」
 索敵手のガードナーが叫ぶ。
「当たるもんだな。」
 みんな驚いた。どちらにせよ、射撃は続けるほうがよい。
「散開し始めるだろうが、それまで撃ち続けよう。」
 ジョンが言った。なし崩しに戦いは始まる。チャンスとみたときに叩き続けなければ、数の少ないほうは不利である。
「敵さんも馬鹿じゃないだろうから、そろそろこちらも本腰を入れて対応しないとな。」
 大佐が全員に促した。


 ティターンズのモビルスーツ隊は、こちらの見えないところからの狙撃で3機も撃破されてしまった。ゴッドフレイは散開を命じ、突入させる。距離をつめなければこちらが不利である。なぜ、敵がこちらの動向をつかめるのかはわからなかったが、今はそんなことを考えている暇はない。
 しかし、また1機、撃墜されたようである。大口径ビーム砲の直撃だ。いつものことながら、鐘鬼を相手にすると、どんなにこちらが有利な状況でも、それを感じさせてはくれない。厄介な相手であった。
「モビルスーツ隊は適当にあしらえ。母艦を狙えば、嫌でも敵のモビルスーツはこちらに向かってくる。」
 ゴッドフレイはそう言った。相手がアウトレンジに徹するかもしれない危険性を考えてのことであった。
 ライヒは、ティターンズ隊のやや後方に位置して、ゴッドフレイの戦いを眺めていた。彼らしい指揮である。もっとも、ああするより他はないだろうが。ライヒはゴッドフレイに通信を送り、自分達の行動を告げた。ゴッドフレイも了承する。ゴッドフレイはこの全体の指揮権を持っている。スネークアイのパイロットたちもクウェルに乗ってゴッドフレイの指揮下にいる。外れているのはネザルの大型MAと護衛用のモビルスーツ、ガルバルディβが一機のみ。これはネザルとカクタス、それからグラバーの例の三人組であった。これらはまだ出撃してはいない。


 大佐達の眼前に現れた、ティターンズのモビルスーツ部隊。毎度のことだが、気でもふれていないかぎり、こんな戦いは続けられそうにもないほどの戦力差がある。
「みんな、聞いてくれ。よく今まで俺についてきてくれた。礼を言う。」
 大佐が全員に言った。すると、
「何を言ってんですか、大佐。そんなこと言って、また明日から俺たちをこき使おうって魂胆でしょ?」
 ジョナサンが揶揄する。
「そうですよ、まともに給金すらもらってないんですから、自分たち。明日ぐらいは休暇もらいますよ!」
 これはウェイヴェルだ。明日・・・それほど不確かなものはなかった。
「ああ、そうだったな。わかった。生き残れば明日みんなに休暇をやろう。だからそれまで・・・・みんな死ぬなよ!全機突撃!!」
 6機のドン・キホーテたちが突撃していく。その先に明日が掴めるのかどうかは、誰にも答えられない。



 戦いが終わったら
 波に足を浸して詩集でも読もう
 戦いが終わったら
 女をまわりにはべらせて馬鹿な話で夜明かししよう
 戦いが終わったら
 最低三日は酒に溺れよう
 戦いが終わったら
 土産を手にしてわが子に会おう
 戦いが終わったら
 戦いが終わったら
 戦いが・・・・・



〜つづく〜

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