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脳神経内科コミュの重症筋無力症(MG)の治療法(一般論) /『本当に、治療法は無いの?(補足題:『MGとMSの合併について』)』トピ関連その1

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さて、長い道のりになりそうですが、少しづつトピ立てしていきましょうか。


MGの疾患概念と、ごく簡単な治療方針については、
既出トピの『Q1:MGの治療についてひとつ教えて下さい』
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=12720878&comm_id=1565183
を参考にしてください。

他に参考として、
http://www.nanbyou.or.jp/pdf2/049_k.pdf#search='%E9%87%8D%E7%97%87%E7%AD%8B%E7%84%A1%E5%8A%9B%E7%97%87%20IVIg'
難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/049_i.htm#
(一般の方向け http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/049.htm )

既出ですが、もう一度Wikiへのリンクも張っておきます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8D%E7%97%87%E7%AD%8B%E7%84%A1%E5%8A%9B%E7%97%87


さて、ではここからが実際の治療戦略です。主にseropositive(抗アセチルコリン受容体抗体陽性)MGの、成人の治療を中心として書きます。新生児や子供、seronegative MGは少し事情が異なります。


MGは眼筋型と全身型に大別されます。

眼筋型の基本は抗コリンエステラーゼ製剤(メスチノン、マイテラーゼなど)による対処療法です。拡大胸腺摘除術(thymectomy)は適応になりません。

全身型MGの治療は、内服による免疫治療と、拡大胸腺摘除術の二本立てです。現在日本では、病院によって大きく二つの治療戦略がとられています。
一つはまず拡大胸腺摘除術をして、術後にステロイドによる免疫治療を始める方法、もう一つは、術前にステロイドを導入して、その後拡大胸腺摘除術を行う方法です。
まだ前者の病院が多いと思いますが、徐々に後者の方法を採用する病院も増えてきていると思います。

少し薬の知識がある方は、『術前にステロイドを始めるの?』という疑問をもたれる方がいるかもしれません。ステロイドという薬は、創傷治癒(傷が治る)にとってマイナスになるばかりでなく、感染にかかりやすくなったり、糖尿病を起こしたりと、一般に手術をするには不利な状況を招くと考えられるため、そのような疑問が出るのは当然です。術前にステロイドを投与される病院の先生方も、同様な『術前にステロイドを投与するデメリット』を主張されています。

しかし実際には術前にステロイドを投与しても、懸念されるような周術期のステロイドによるトラブルはほとんど経験されません。

ではステロイドを術前に投与するメリットは何でしょうか?それは、あらかじめステロイドを投与した方が、術後クリーゼと呼ばれる手術後の急なMG症状の増悪を有意に減らすことが出来るからです。

ステロイド術前投与に反対する方々は、術後クリーゼになっても人工呼吸器で管理すればよい、と主張される方がいますが、MGのクリーゼの状態は、意識ははっきりしているの呼吸が上手くできず、非常に苦しい状態である為、ただ『(人工呼吸器を使えば)死なないから良いだろう』という論調は、個人的にはいささか乱暴であると思います。

ステロイドを術前・術後のどちらに投与する方が良いのか、というのは、単にエビデンスの問題だけでなく、治療にあたる医師のスタンス(考え方)も影響すると思うのですが、少なくとも術前投与では?周術期のトラブルは増えず、?有意に術後クリーゼを減らすことが出来る、という2点に関しては、既にエビデンスに足りうるデータが出ていると思います(※)。


術前・後のどちらにステロイドを導入するにせよ、手術が終わればその後は内服薬による免疫療法が基本になります。最初にステロイドを導入したあと、徐々に量を減らしていき、場合によっては免疫抑制剤(タクロリムス)を加えることで、ステロイドの投与量を抑える、といったやり方を行います。


内服と手術以外の治療としては、MG症状の急性増悪時や、術前に症状を軽快させたい時等に用いる治療法として、血液浄化療法と免疫グロブリン大量療法(IVIg)があります。
血液浄化療法に関しては、上記の既出トピが詳しいので、そちらを参照してください。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=12720878&comm_id=1565183

IVIgは点滴で免疫グロブリンといわれる血液製剤を投与する方法ですが、血液浄化療法と同等の効果があるとされています。

参考文献をいくつか。
1. Gajdos P et al., Intravenous immunoglobulin for myasthenia gravis. Cochrane Database Syst Rev. 2003;2:CD002277.
2. Gajdos P et al., Myasthenia Gravis Clinical Study Group. Clinical trial of plasma exchange and high-dose immunoglobulin in myasthenia gravis. Ann Neurol. 1997;41:789-796.

最後に免疫性神経疾患に関する調査研究班の成果報告を参考までに
http://www.nanbyou.or.jp/pdf2/049_k.pdf

コメント(4)

>murakoさん
こんにちは(^^)
やはりクリーゼの状態は、相当お辛いですよね。
色々な考え方はあるとは思いますが、自分がMGの治療を受けるなら、術前にステロイド導入して欲しいと思います。

>♡佳音♡
ひょっとしたら呼吸器がついている苦しい期間を、眠るお薬を使われていたのかもしれませんね。それでも最後は薬を切らなければ管が抜けないので、やはりお辛いとは思いますが・・・。

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