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本は常に携帯していたいコミュの読み終えた本11

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コメント(285)

 「ヨルダンの本屋に住んでみた」 フウ:著 産業編集センター:発行
 ネットで見つけた本屋にひかれ、渡航費用をバイトで貯めて行ってみた。メールで雇用を頼まれて「OK」と返答する店主も剛気だが、それで言ってしまう女の子も凄い。
 こういう世界もあるんだなあ。ブッ飛びすぎてついて行けないが。
  「あの子とQ」 万城目学:著 新潮社:発行
 万城目氏の小説はいつも、どうやったらこんなことを考えつくんだろう? と思う。発想もブッ飛んでいるが、それをそれっぽく読ませるディテールの付け方が上手い。その状況で登場人物は悩むのだけど、どこか暢気でトンデモない試練を受け入れてしまう。
 ネタバレは避けるけれど、今作も「そんなバカな」設定が、嘘っぽくない。面白い。
 しkし、最後はちょっとキツい。あり得ない状況は謎解きが必須だけど、よくあるパターンで、真相が明らかになると読んでる方は白ける。内容上、今作は一気に謎が明らかにならざるを得ないけれど、無理矢理感が強い。
 さんず   降田天
 自殺幇助業という特殊過ぎる仕事をテーマにしたミステリー。
  「若者が去っていく職場 人事部は知らない! 若者の離職の本音」 上田晶美:著 草思社:発行
 せっかく就職したのにすぐに辞める若者が多い。なぜかを解説した本。著者はハナマルキャリア総合研究所代表で、長年就職や雇用のコンサルタントをしてきた人だから、実例を挙げての説明に説得力がある。
 世の中は変わっていくのだと感じる。
  「去年、本能寺で」 円城塔:著 新潮社:発行
 連作小説。電脳というよりAIが歴史上の人物の人格を与えられた世界の物語、らしいのだが言及はない。まあ、そういうのはネタばらしをすると白けるものだが。
 ややこしいのは、太陽系が誕生する時代から、たぶん現代までの記憶が電気的記録というか四次元的に平行してごちゃ混ぜになっているらしいこと。
 どう表現していいのでしょうねえ。
 親鸞と息子の善鸞が、説法はライブでアイドル活動するのは面白い発想だと思う。ラノベでもないようなぶっちゃけた着想なのに、二人が人間的に仏道を悩む姿はリアルだ。
  「SNS選挙という罠 自分の頭で考え直すために」 物江潤:著 平凡社新書:発行
 帯に「SNS条で暴走するストーリーに飲み込まれる前に」とある。デマや誹謗中傷が横行して、予想と違った選挙結果になった事例に2024年11月の兵庫知事選を取り上げる。分かり易いストーリーに熱中してしまう理由を順序立てて説明する。
 SNSの嘘はこれからもっと巧妙で間違っているのか見抜けなくなるだろう。それに乗せられないためには吉本隆明のように理系的な理論を身につけるのだ、と。なるほどと思う。
  「トヨタに学ぶカイゼンのヒント71」 野地秩嘉:著 新潮新書:発行
 漢字の改善ではなく、片仮名のカイゼンなんだそうだ。
 無駄をなくして効率的に働くためにカイゼンする。労働強化のためではなく、ムダを削って仕事を楽にするのが目的なのだと。だから横着者ほどカイゼンが上手い。作中でもあるように、これを誤解していた。
 注文された分だけを生産する。だから出来たての車を提供できる、客にとってメリットがある。なるべく在庫を持たない、、だから経費を安くできる。なるほどと思う。
 それでも気になったのは、カローラの価格でレクサスの品質を作っては利益が出ない、とのくだり。レクサスの品質を求めるなら、客はレクサスを買うって。そうかもしれない。けど、私は本田宗一郎氏の、百円でも金を払ったら客は不備のなさを要求する、方がしっくりくる。
 トヨタの車は嫌いだ。ハンドルやペダルの感覚が合わない。運転していると気持ち悪くなる。
  「ルポ 京アニ放火殺人事件」 朝日新聞取材班:著 朝日新聞出版:発行
 死者32名、犠牲者36名の戦後最悪の殺人事件の裁判等の取材をまとめた本。
 青葉被告は両親が離婚、父親から虐待される、働きながら通った定時制高校に皆勤だけど報われず、いわゆるロストジェネレーションで定職につけない、等々、なかなかに悲惨な半生だ。
 だからといって放火を擁護できるはずもない。しかし、彼が妄想に取り付かれて京アニを逆恨みした原因は考えさせられる。
 簡単に結論が出るものではないにしろ、こういった事件が繰り返されないための方策はないものかと、考える意義はあろう。
  「炎上系ユーテューバー 過激動画が生み出すカネと信者」 日沼和之:著 幻冬舎新書:発行
 炎上と云えば選挙や政治の話かと思ったら、私人逮捕系ユーチューバーが主な内容だった。
 かなり慎重な言い回しをしているが、私人逮捕による犯罪の抑止効果を認めている。読んでいくと否定はできない。が、それでも危険が伴う行為なので、問題はあると思う。
  「零を継ぐもの1 開戦」 横山信義:著 中央公論新社C★NOVELS:発行
 太平洋戦争の開戦が一年遅れて、その間に零戦の後続機の開発が進む、って架空戦記。それを成立させるために、あれこれ史実をいじくる。やたら細かいので確認してないけど、考証はたぶん合ってるんでしょう。そう簡単に英米が勝たしてくれないってのがいい。
 その後続機のエンジンは零戦の栄エンジンを発展させた誉エンジンではなく、金星エンジンを元にしているってのが、、なかなかの説得力。しかしまあ、この種の話で細かく描写すると、「ラバウル烈風空戦録」と比べられて、難儀な話になるかな。
 大筋として、こういう架空戦記もアリでしょうね。
  「ニュースが消える日」 堂場瞬一:著 講談社:発行
 新聞は全国紙と地方紙で置かれた情勢は違うが、どちらも読者は減って経営は厳しい。
 若い政治家にはSNSで「無名より悪名」で政治家としてもレベルが低い人がいる。それに反発する人もいるが、金と政治の問題に嫌気がさした人はそういう政治家を支持する人が多い。
 その観点で前崎市(架空の市名のようだが、描写が細かいので群馬県に本当にありそうに感じる)を舞台に、市長襲撃事件を取材する記者の活動を描く。
 悪くはないが、どうしてこういう犯罪に至ったのか、心情とか状勢の描写が足りないと感じる。エンタメとしては派手な事件性が足りない。
 さよならの保険金   額賀澪
 保険金詐欺のリアルに人間ドラマのあるお仕事エンタメでした。
『ありか』  瀬尾まいこ
シングルマザーの美空と5歳のひかりをめぐる物語。
春夏秋冬の一年間を描いている。
別れた夫の弟の颯斗。
職場の先輩の宮崎さん。
親子で仲良しになった三池さん親子。
そんな人たちに囲まれてひかりが成長していく。
テイストとしては映画にもなった『そして、バトンは渡された』と近い気がする。
血のつながりよりも濃い関係がある。
そんな印象が残った。
宮崎さんのように若い子育て世代に気配りができる大人になりたいな。
わが職場には若い人はいないが……
  「締切と戦え!」 島本和彦:著 ちくまプリマー新書:発行
 『締切(ほとんど)守って四〇年。熱血漫画家が教えるスケジュール管理 ピンチを乗り切る方法 そして行き方。』と帯にある。
 内容はそのとおりです。若いころはかなり無茶な仕事をしてきたけど、今は家族を大事にしているそうだ。
 寝不足やらで限界を超えてハイパー島本和彦になると、トンデモなく面白い漫画が出来ちゃったりする、らしい。
 「燃えよペン」は人気がなかったそうだ。「レッドカード 男の一枚』は編集者と上手くいかず、短期で終わってしまったそうだ。意外です。面白かったんだけどなあ。ことほどさように、作者の考えと読者の受け取り方は違ってくる。  
  「プロジェクト・ヘイル・メアリー 上」 アンディー・ウィアー:著 小野田和子:訳 早川書房:発行
 太陽の熱が急激に奪われている。このままでは人類は死に絶える。その理由に途方もない発想を持ってきた。考え方がSFで好感度が高い。
 読み進めていくと、更に奇抜な着想が登場していく。科学的に整合性が取れているのか?、とも思うけど、計算は合ってるんでしょう、たぶん。こういう『あっと驚く』があるからSFは楽しい。
  「成瀬は信じた道をいく」 宮島未奈:著 新潮社:発行
 分類すると青春小説になるのですか。ラノベほど素っ頓狂でも軽くもない。さりとて主人公は普通ではない。文芸と呼ぶほど哲学はなく、重さはない。
 真面目で優秀ではあるのだが、一般感覚から外れている主人公に振り回される周囲の一人称で続く連作小説。サクサク読めるから、文章は上手いのだろう、たぶん。
 正直、大して面白いとは思わないが、反発もない。こんなのもアリなんだな、と思う。
 「零を継ぐもの2 激撃」 横山信義:著 中央公論新社C★NOVELS:発行
『げきエウ‥【邀撃】
〘 名詞 〙 ( 「邀」は待ち受けるの意 ) 来襲して来る敵を待ち受けて攻撃すること。むかえうつこと。迎撃。』だそうです。
 太平洋戦争の開戦が1年遅れて、史実よりも主力艦隊の戦闘が激しくなる話だから、なるほど、題名に合ってる。と、書きながら思い至った。実際には戦艦同士の艦隊戦なんかそうそう起こらないから、こうやって歴史を改編しないとエンターテイメントの海戦が成り立たないんだ。
 いまだ、零戦の後継機は登場しない。
  「成瀬は天下を取りにいく」 宮島未奈:著 新潮社:発行
 いや、そんな大層なタイトルをつけるような内容じゃないだろ。中学生〜高校生に成長していく、ちょっと変わった女の子の日常を身近な人達の観点で描いた連作小説。とはいえ、この人目を引く表題だからこそヒットしたのではないかと思う。
 悪くはないのだが、さして掘り下げがあるわけでは無い。軽い読み物として、気楽に読むのにちょうど良いかな、って感じ。
  「60分で分かる! トランプ関税と自由貿易」 バウンド:著 小田正規:監修 技術評論社:発行
 60分で読める分量ではないだろ。簡潔で分かり易く書いてくれているが、けっこう情報量が多い。
 おまけに国際的な話だから、当然アルファベットの略号が出てくる。GATTぐらいは耳慣れてるけど、CBAM、RCEP、EPA等々、無知蒙昧の身は出てくる度に読み直して確認する。
 いわゆるトランプ関税はアメリカのみ不利益をもたらす可能性がある、との主張。それだけでなく、現在の自由貿易を廻る状勢は、なかなかに複雑だと分かる。
  「プロジェクト・ヘイル・メアリー 下」 アンディー・ウィアー:著 小野田和子:訳 早川書房:発行
 最後まで予想外の展開が続く。SF設定の上手さもあるけど、物語の進め方がいいのだ。
 それでいて突拍子もない、リアリティーのないアイデアはない。SF的な『そんなバカな』は少ないけれど、この小説の場合はそれが魅力的だ。だから映像を想像しやすい、読みやすい。なるほど、映画化が期待されるわけだ。
  「プロジェクト・ヘイル・メアリー 下」 アンディー・ウィアー:著 小野田和子:訳 早川書房:発行
 こういうのは主人公の活躍で地球が救われると相場が決まってる。そこに至るまで、次々に予想できない困難が発生する。もうダメかと思うような事態を、知恵を絞って乗り越える。このアイデアの豊富さは凄い。
 最後は最大に予想できなかった展開になる。これは映画化されるほど売れるはずだ。
  「火星の女王」 小川哲:著 早川書房:発行
 タイトルの意味は終盤に明らかになる。こう来ましたか。
 大がかりなSF設定で展開するかと思いきや、謎解きはされない。不満に感じるけど、「驚愕の事実が」なんてやると、白けるかもしれない。これはこれで有りなのだろう。
 サクサク読めたから、まあ、いい小説なのだろう。
  「相続した空き家の整理整頓術」 安部洋行:著 合同フォレスト:発行
 副題が「放置したままではキケンがいっぱい!?」。本文を読むと、なるほど思う。 空き家が身近な現代では、多くの人が当事者であろう。
 住まないのなら売るか貸すかする。放置しておくと急速に傷んで近所に迷惑をかける。解体しなくても利用できる場合もある。その方法を具体的に説明していく。
  「池袋NOT NAME  池袋ウエストゲートパーク21」 石田衣良:著 文藝春秋:著
 番号が時計数字からアラビア数字になった。このシリーズも長い。サザエさんのようにマコトもタケシも年を取らない。
 作中にもあるように、マコトの語り口を軽く読むものなのだろう。時々人生訓っぽい台詞が入る。今巻は、いくら働いても生活が苦しいヤツが極右やトランプに投票するって。熱狂的な支持者が出るのはそういう厳しい社会があるからだって、さらりと言う。マコトは世界をよく見てる。
 今回の中編はトクリュウ。実態がない犯罪集団をどうつるし上げるか。ちと御都合な展開だが、このくらいで軽く収める方が良いのだろう。
  「荒木飛呂彦の漫画術」 荒木飛呂彦:著 集英社新書:発行
 荒木氏は漫画を分析して、読者の共感を得るためにはどうすればいいのかを体系づけて創作していたのか。整理されて説得力のある内容に、漫画を描けるような気になってくる。
 そんな簡単なわけがないけど、ノウハウが分かった様な気にさせる学問的な構築のわかりやすさで、そう思わせてしまう。
 頭がいいのはもちろんだけど、そこにたどり着くまでに考え抜いて努力を化されたのだろうなあ。
  「ブレイクショットの軌跡」 逢坂冬馬:著 早川書房:発行
 577ページの分厚い本だが、読みやすい文体と面白さで長く感じさせない。
 「ブレイクショット」は架空のSUV車の名前。ビリヤードのナインボールの最初の一打ともかけている。
製造ラインから中央アフリカで戦闘車両として果てるまでの軌跡を、それに関わった人の物語で描く。その組み合わせ方で物語は多様性を持ち、色あせない。が、最後は話が長くなり、やや強引な感じにはなる。
 著者の他の作品もそうだけど、考証が細かい。知らないことばかりで、上手に説明と物語を組み合わせている。そこにも引き込まれる。たぶん、合っているのだろう。
  「地球壮年期の終わり」 林譲治:著 早川書房:発行
 表題はクラークの傑作「地球幼年期の終わり」(早川書房版には「地球」が付かない)のもじりなのは間違いないだろう。
 元ネタは人類初の月ロケット発射寸前に、突如現れた巨大な空飛ぶ円盤が地球文明に干渉してくる。圧倒的な科学技術によって宇宙に進出しようとする未来を奪われた人類は。実は壮大な宇宙の意思が背景にあり…………。
 本作はその対比で、「食べるためでもないのに大量に同族を殺す理由が分からない」と宇宙人に指摘される、かなり閉塞感で話が進む。
 人類の文明は滅びると言われるのは、こうも戦争が終わらない状況から説得力がある。
  「デフレの正体 ――経済は「人口の波」で動く」 藻谷浩介:著 角川ONEテーマ21:発行
 初版発行は2010年8月10日。経済は生き物だから、今とは状勢が違う。けど、納得がいく部分が多々ある。
 景気が悪いと漠然と言う。その原因は労働生産人口が減っているから。年寄りはさほど消費しないから、金は貯蓄に回る。等々。
 
  「時間資本主義の到来 あなたの時間価値はどこまで高められるか」 松岡真宏:著 草思社:発行
 スマホが発達すると隙間時間を有効活用するようになる。時間の価値が変わってくる。説得力はある。2014年10月25日、第1刷発行。10年で世の中はそう変わっていないようにも、書かれているように動いたとも感じる。
  「デキる大人になるレシピ 経済まるわかり」
 2018年5月24日発行。8年経つと経済情勢は随分と違う。このころはデフレ対策が上手く機能しなかったから、物価高で庶民が苦しむなんて想定していなかったろう。
 プライマリーバランスの健全化をめざしていたころか。日本はギリシャと違って資産があるし、国際は日本で買われているから、経済破綻は考えにくとの説明が抜けているのはわざとかな。
  「自然、文化、そして不平等 国際比較と歴史の観点から」 トマ・ピケティ:著 村井章子:訳 文藝春秋:発行
 著名な経済学者の講演を書籍化したもの。
 所得や資産の不平等は解消されてきているものの、またまだ不十分というもの。データを元に説明されると説得力がある。教育格差、一人あたり二酸化炭素排出量にも格差がある。
  「なぜ金融の勝者はいつも同じ顔ぶれなのか 共用としての金融市場」 鹿子木健:著 降参者+α新書:発行
 同じことが繰り返し書かれる。金融市場で生き残るのは、予想外の事態が送ると思っている人、市場は法則とか勉強した理屈で動かないことがおこる。金融市場はユダヤ・キリスト教の考え方で動いているから、日本人の倫理観とは違う。
 なるほどと思う。
  「闘う経済学 未来をつくる[公共政策論]入門」 竹中平蔵:著 集英社インターナショナル:発行
 政界から離れた2008年の発行、小泉内閣の、2001年くらいからの経済政策を説明したもの。
 小さな政府を目指して郵政民営化したそうだ。その割には国家予算はさほど減ってはいないようだが。
 失われた10年を打開する目的だって。その後、失われた20年と言われたようだが。
 多くの人のの生活を苦しくした非正規雇用の問題には触れられていない。
 やはり、竹中平蔵という人は信用できない。
  「界隈経済圏 「平成女児」「風呂キャンセル」から「伊能忠敬」「皇居ラン」まで」 牧口松二:著 日経プレミアシリーズ:発行
 『マーケティング理論で長らく教科書の主流だったのは、SPTと呼ばれる考え方でした。(略)市場を細かく分けて(セグメンテーション)、狙う相手を選び(ターゲティング)、自分たちの立ち位置を決める(ポジショニング)』
『CEPは、「どんなときに、そのカテゴリーが頭に浮かぶか」を拡張する方区へ進みます』。ドンキホーテで「風呂キャンセル」界隈の商品を時間帯を狙ってまとめて並べるとか。好悪すると同じターゲットを同じような商品開発して取り合いすることはない。なるほどねえ。
 
  「職場の憂鬱 「無気力な毎日」には理由(わけ)がある」 前野隆司:著 SBクリエイティブ:発行
 幸せと不幸せは同時に起こる。不幸せに感じるのは自分のせいではなく、環境の要因がある。
 終身雇用や会社が家族的なのに代わり、アメリカ流の能力主義が導入されたが日本には馴染めないので、お互いの悪いところばかりを取り入れてしまった。
 他人を思いやる他利主義は自分も幸せにする。
 なるほどと思う。
 
  「木挽町のあだ討ち」 永井紗耶子:著 新潮社:発行
 芝居待ちで起こった派手な敵討ちを、二年後に聞いて回る男。六幕で目撃者たちが語って聞かせる。
 段々と事の真相が明らかになっていき、最後は真相が明かされる。
 こういう構成は良くある。組立がちゃんとしていると面白い。武士だの人間だの哲学的なのがちょっと入ってくるのも良い味付けになっている。 
  「世界一わかりやすい日本の農業の教科書」 鈴木宣弘:著 平凡社新書:発行
 『(有機農業は)環境保全、食の安全、そして持続可能な社会を築くための重要な鍵として、近年その存在感を増している』
 出たなショッカーの――もとい、有機農業の信奉者。
 日本の自給率を高めるのが目的でしょ。人手不足の中、手間がかかって収量が減る農法を推進する発想は愚かとしか言いようがない。家庭菜園を引き合いに指すに至っては、呆れるしかない。ソ連崩壊後のロシアが食糧危機にならなかったのは菜園があったからだそうだ。どのくらいの規模で、どのくらいの生産量があったの? それを狭い日本の都市部で真似できるの?
 欧州やオーストラリアで有機農業が多くなっているなら、どうやって量を確保しているかの検証が必要だ。
 ちょっと視察で見て、わかったような気になって、上っ面の成果を紹介する。現場を知らない学者や高級官僚の悪癖だ。
 世界征服を企む悪の秘密結社なみの杜撰な論説、と酷評させていただく。
  「地図をグルグル回しても全然わからない人の方向オンチ矯正読本」 北村壮一郎:著 秀和システム:発行
 方向オンチが直るものかと思いながら読む。要点を押さえて練習すれば、脳が鍛えられて矯正されるそうだ。
 曲がり角にアンカーを設定して地図を描いてみるとか、練習して行き着くようになるのは、そうかもしれない。けど、初めての場所だから道に迷うので、それに対応する手段は書いてない。意味ないじゃん、と思う。けど、何事も練習しないと上手くはならないのだから、やってみる価値はありそうだ。

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