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訪問介護事業経営者の会コミュの介護 News(3)「地域コミュニティー」

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孤立死ゼロと「監視社会」
 孤立死がゼロの社会は、個人情報の管理が徹底された「監視社会」だろうか。独り暮らしで誰にもみとられずに死亡する「孤独死」が社会問題となる中、厚生労働省は孤立死をなくすための検討会を昨年8月から開催している。この会議では、独り暮らしの高齢者だけでなく、地域社会から「孤立」している人を広く対象にした情報取得が必要であるという方向で議論が進んでいる。高齢者らが安心して暮らせる地域のコミュニティーづくりは社会福祉に欠かせない重要な取り組みだが、互いに見張り合う監視社会に向かう危険性もはらんでいる。(新井裕充)


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 厚労省は2月19日、「高齢者などが一人でも安心して暮らせるコミュニティーづくり推進会議(「孤立死ゼロ」を目指して)」(議長=高橋紘士・立教大大学院21世紀社会デザイン研究科教授)を開催し、これまでの議論をまとめた「論点整理案」を示した。

 整理案によると、高齢化や核家族化の進行、マンション世帯の増加などにより地域における「つながり」が喪失しているため、孤立死を防止するためには地域のつながりを再構築する必要があるとしている。
 その上で、災害時などに支援を必要とする者の情報を関係者間で共有する必要性を述べている。

 具体的には、高齢者などが地域社会から孤立しないよう、福祉行政、消防、水道などの公的機関や、あらゆる世帯を対象とする公共サービス(電気、ガス)、社会福祉協議会、自治会、民生委員やケアマネジャーなどが主体となって多様な「つながり」をつくることが重要であり、「多様な主体の間で一定の情報を共有することが肝要である」としている。

 これに対して、この日の会合で園田眞理子委員(明治大理工学部建築学科教授)が「情報を共有する以前に、個人情報をどう把握するか、情報をいかに作るかが重要だ」と指摘。その後の議論は、情報の取得や提供などをめぐる問題に集中した。

 これまでの議論では、自分の情報を開示することを望まない人や、地域社会とのつながりを持つことを望まない人が少なくないことが個人情報を取得する上で障害になっていることが指摘されている。
 この日は、個人情報保護法やプライバシーに対する関係者の「過剰反応」が問題になった。本人の同意を得ないで情報を共有することは「情報の第三者提供となり、個人情報保護法で禁止されるのではないか」との意識が関係者の間にあるという。
 鷲見よしみ委員(日本介護支援専門員協会副会長)は「民生委員から情報を提供されることは少ないが、逆は多い。ケアマネジャーから民生委員に情報を出していいのかが難しい。ここがスムーズにいくことがカギだろう」と指摘した。

■ 孤立死と社会的コスト
 厚労省は、「孤立死」という言葉を使用し、「孤独死」と区別している。「孤独死」という言葉は、1995年の阪神・淡路大震災で仮設住宅に1人で暮らす高齢者が誰にも知られずに亡くなったことが発端とも言われている。
 厚労省は、高齢者が1人で亡くなる場合だけでなく、高齢の夫婦が2人で亡くなるような場合も防止する必要があるため、「地域から孤立している状態」も含める意味で「孤立死」としている。市町村や町内会、民生委員など高齢者にかかわる関係者を中心とした「地域コミュニティー」の形成を進めることで地域から隔絶した高齢者や障害者をなくし、孤立死を防ぐ。

 昨年3月の能登半島地震では、地域の民生委員らが作成した「高齢者マップ」が被災者の安否確認に力を発揮したことが報道されている。
 しかし、災害時などに支援が必要な高齢者の情報を記した「高齢者マップ」の作成には、民生委員らが高齢者宅を戸別訪問して、高齢者の個人情報をきめ細かに取得することが必要となる。これに対して、「誰の世話にもなりたくない」として、地域社会との関係づくりを拒否する高齢者もいるという。
 しかし、孤立死した場合の遺体の処理やマンションの価値の下落など、社会的コストを指摘する意見もある。前回の会合で、高橋議長は「支援を潔しとしないと言えば格好がいいが、やはり迷惑は掛ける。自分で自分のお墓を作って自分で骨つぼに入ればいいということはあり得ない」と述べた。
 厚労省の論点整理案も、孤立死と社会的コストの問題に触れている。

■ 「地域コミュニティー」と「監視社会」
 この日の会合で、高橋議長は「要援護者(高齢者や障害者など)ではないが、何かあると支援が必要な人たちがいる。そういう意味で“リスクを持っている人たち”と言うべきかもしれない」と述べ、支援の範囲を社会福祉の対象者よりも広げる必要があるとした。
 その上で、「網掛け型で効果が上がるものもある。世話焼き型、良い意味でのおせっかいをすることが社会的にも本人にとっても良い。この理屈を考えていただきたい」と求めた。
 この検討会は次回に提言書を取りまとめて終了する予定だが、記者団から「次回で本当にまとめられるのか」との厳しい指摘もなされた。

 高齢者などが社会から孤立しない「地域コミュニティーづくり」の問題と、地域が「どう見守るか」という問題は混同されやすい。災害時の「安否確認」に備えた活動と平常時の「見守り」とを区別すべきではあるが、その線引きが難しい。「地域コミュニティー」という名の下に、見守る範囲を広げれば広げるほど監視社会に近づいていく危険性がある。

 現代社会は、隣人とあいさつを交わさないことが多い都市化社会、匿名社会とも言われる。「他人に干渉されたくない」という私的自由の領域と、困っている人に手を差し伸べる「福祉」がぶつかり合う難しさがある。


更新:2008/02/20 19:39 キャリアブレイン

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