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藤富保男コミュの藤富保男さん『詩の窓』第8回―自分だけの言葉を持とうして生まれる比喩ー殿岡秀秋筆

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藤富保男さん『詩の窓』第8回――

藤富保男『詩の窓』(思潮社2011年12月25日発行)より
引用は特にことわりのないかぎり本書からです。

藤富保男さん『詩の窓』第8回――1−9「詩作にふれて(2)」より その1

★自分だけの言葉を持とうして生まれる比喩

「一つの詩を作るとき、そこにある形を不具のように変形することをデフォルメと言う。作者の眼の幻想、空想によって現実に正しくあるものがゆがめられることーーデフォルメされることはしばしばある。創造の一つの意義はここからはじまるといっても過言ではない。そのためには作者は技術を学ばねばならない。写実そのものは、芸術の場合は決して現実とはならないのである。現実にまつわりついている約束や観念などをとりはらって、新しい形や言葉、修辞法などを加えることによって、作者から見た現実となるのである。そこには作者の冷えた感情と知性がなくてはならないのは当然だろう。
 形や物を変えるのが比喩である。」(59頁)
☆辞書から

不具=ないこと。そなわらないこと。また、そのさま。不備。
デフォルメ=フランス語。変形の意味。作家の感情の表現や造形的な意図の強調などのために、自然の再現を捨て、何らかの不自然さや不快さを感じさせるとしても、意図的に施す変形のこと。 特に、美術において対象を変形させて表現すること。古代エジプト美術やマニエリスムにみられるが、特に、近代の絵画・彫刻に特徴的。変形。歪曲(わいきよく)。デフォルメとは、あくまで作り手の主観の反映として意図して変形させた造形表現である。よって、単に現実的ではない造形を指してデフォルメと呼ぶのは妥当ではない。
修辞法=言葉を効果的に使って、適切に表現すること。また、美しく巧みな言葉で飾って表現すること。また、その技術。
知性=物事を考え、理解し、判断する能力。人間の知的能力。感覚によって得られた素材を整理・統一して、新しい認識を形成する精神のはたらき。
比喩=物事を説明するとき、相手のよく知っている物事を借りてきて、それになぞらえて表現すること。転義法とは、修辞学の修辞技法の一種で、例えば、言葉を文字通りの使い方あるいは標準的な使い方とは別の方法で用いることを指すための学術的な用語で、比喩とはこのことを指すことが多い。

☆comment
 言葉は現実を模写できません。どんなに精緻に描こうとしても現実そのものとはならないのです。
 現実を概念をつかって指示することはできます。これで言葉のよる交通が行われます。つまり意思疎通を図ることができるのです。
 詩の言葉はそれらとは役割が異なります。詩人は言わく言い難い、胸のもやもやした世界に言葉を与えようとします。それは流通する言葉ではうまく言い表せないことが多いのです。
 それで自分だけの言葉で書こうとします。しかし、流通する言語でなければ読者にまったく伝わりません。それで言語を通常の意味から転義(言葉の意味を変える)することによって、自分だけのもやもやした世界を描こうとします。このために使われるのが比喩という修辞法です。
比喩は詩人が自分だけの言葉を持とうして、言葉の意味を変えて新たに咲くりだそうとして生まれる表現なのです。


(この項つづく)

(メールマガジン「詩を作る楽しみ」2012年3月19日号よりhttp://www.mag2.com/m/0000163957.html)

(http://blogs.dion.ne.jp/poem_and_fantasy/=詩とファンタジーのレシピ)

(http://plaza.rakuten.co.jp/poetry2005/=詩を作る楽しみ)

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