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藤富保男コミュの藤富保男さん『詩の窓』第7回―抽象的な内容を具体的に目に見える言葉にして書くー殿岡秀秋筆

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藤富保男さん『詩の窓』第7回――

藤富保男『詩の窓』(思潮社2011年12月25日発行)より
引用は特にことわりのないかぎり本書からです。

藤富保男さん『詩の窓』第7回――1−8「詩作にふれて(1)」より
その4

★抽象的な内容を具体的に目に見える言葉にして書く

「自然に湧き出た感情の吐露で、風景や人情の模倣を表現していた時代の詩は、平易明解であったが、文化が進むに従って、より深い感性の詩が要求されるようになったことは言うまでもない。それに伴って何を言いたいのか判らない詩が多くなって来た。しかし真によい詩は内容面を探って行けば、その発想の点でも、展開の上でも全くうなずけるほど、感情と思考を酔わせてくれる何かを秘めている。
 けれども平易に表現してもよい箇所を二語の漢語をもってきて、晦渋な熟語で言いあらわしたり、論説まがいの抽象名詞で表現したりすることはやめた方がよい。詩が観念の繃帯でぐるぐる巻きになってしまうのである。そういう人の詩に限って主語が、自分でも不明であったり、「そのことは何にかかるのですか」とたずねると、自分でも答えられない、という詩文を作っている人である。自分では正装して踊っている気持であるが、人から見ると乱舞としか見えないという悲劇である。」

☆辞書から
晦渋=かいじゅう=言葉や文章がむずかしくて、意味や論旨がわかりにくい・こと(さま)。難解。

☆comment
「文化が進むに従って、より深い感性の詩が要求されるようになったことは言うまでもない。それに伴って何を言いたいのか判らない詩が多くなって来た。」ことを藤富保男さんは、嘆いているのです。現代詩をみると、何を言いたいのか判らない詩がたくさんあります。それらを観ただけでうんざりして現代詩を読むのも書くのもあきらめてしまう人がいるかもしれません。
 一読者として、対策を立てるとするなら、わからない詩はわからないでいいので、ほうり投げるしかないのです。わかった箇所をつないで理解していけばいいとおもいます。
 そしてわかりにくくはあるけれど、どうしてもわかりたい詩を辛抱強くよみこんでいくのがいいと想います。ぼくは今、このメルマガ(ブログ)で吉本隆明さんとポールヴァレリーの訳詩を読んでいます。こういう詩は「主語が、自分でも不明であったり、『そのことは何にかかるのですか』とたずねると、自分でも答えられない、ということはありません。
「平易に表現してもよい箇所を二語の漢語をもってきて、晦渋な熟語で言いあらわしたり、論説まがいの抽象名詞で表現したりすることはやめた方がよい。」というところが大きな問題です。
ポールヴァレリーの詩は訳詩でよむかぎり、二語の漢語や晦渋な熟語があります。
 詩の表現において、抽象名詞で表現することを一概に否定することはできません。
 ぼくは今、抽象的なテーマを立てて、詩を書く試みをはじめています。なるべく晦渋な熟語で言いあらわしたり、論説まがいの抽象名詞で表現したりすることはしないようにしていこうと考えています。
 抽象的な内容を具体的に目に見える言葉にして書くように努めています。それがどのような形で実を結ぶか、自分でも期待と不安をもって日々取り組んでいます。

(この項つづく)

(メールマガジン「詩を作る楽しみ」2012年3月13日号よりhttp://www.mag2.com/m/0000163957.html)

(http://blogs.dion.ne.jp/poem_and_fantasy/=詩とファンタジーのレシピ)

(http://plaza.rakuten.co.jp/poetry2005/=詩を作る楽しみ)

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