２つの違い、説明できますか？コミュの歩くと走る

先日、職場の看護師数人に
「『歩行』と『走行』って、決定的に何が違うか解る？」
と聞いてみた。
すると、「スピード！」と答える看護師が大多数 …。
あのなぁ、お前のジョギングのスピードなんかよりも
オリンピックの競歩の選手が「歩く」スピードの方がよっぽど速いぞ？
（「競歩」は「歩く」速さを競うスポーツです！）

他に「息切れするのが走行で、しないのが歩行！」という珍回答も。
… 心不全の患者は歩いただけで息切れを訴えますけど？
彼らは走っていると？

そんな曖昧な定義ではありません。
両者には「見た目」で判断できる、明確な定義の違いがあります。

人間は「二本足」で立ったり歩いたり走ったりしますが、
「足が地面に着いているかいないか」が重要なのです。

「両足が地面に着いている状態」を『二重立脚』といいます。
それに対し、
「両足が地面から離れている状態（中に浮いている状態）」を
『二重遊脚』といいます。
歩行と走行の違いを述べるなら、この「二重立脚」・「二重遊脚」という
キーワードを入れないと正解とは言えません。

【歩く】

どちらか片方の足が『必ず』地面に着いており、
両足が地面に着いている瞬間：『二重立脚期』も存在する。
しかし、両足が宙に浮いている瞬間：『二重遊脚期』は存在しない。

【走る】

どちらか片方の足が地面を蹴って推力を得る点は歩行と同じだが、
両足が地面から離れる瞬間（宙に浮いている瞬間）：『二重遊脚期』
が存在する。
しかし、両足が地面に着いている瞬間：『二重立脚期』は存在しない。

尚、運動学的には「左右の足を交互に前に出して推進する」
という定義もあり、この点を考えると「スキップ」は
「走る」に当てはまらない。
スキップにも両足が宙に浮いている瞬間：『二重遊脚期』
が存在するが、「右・右、左・左、右・右、 … 」という具合に
同じ足で２回以上地面を蹴るので、「走る」の定義から外れる。

競歩では、どちらか片方の足が常に地面に接地している事が必要であり、
両足が地面から離れるとロス・オブ・コンタクト（接地していない）
という反則になる。

≪ 最終的な結論 ≫

【歩く】
　両足が地面に着いている瞬間がある。
　しかし、両足が宙に浮いている瞬間はない。

【走る】
　両足が地面から離れる瞬間（宙に浮いている瞬間）がある。
　しかし、両足が地面に着いている瞬間はない。

≪ 参考資料 ≫
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A9%E3%81%8F
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%B0%E3%82%8B
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%B6%E6%AD%A9