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エッセイストコミュの「アマポーラ」(ひなげし)と誕生日

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「アマポーラ」(ひなげし)と誕生日

今日は不詳ぼくの誕生日である。

夕方には、さよりが予約してくれた韓国料理店でぼくの誕生祝いをしてくれる。
彼女とは約七年の付き合いであるが、よく続いているとおもう。それはきっと彼女の性格にある。
「ひなげし」の花言葉は、慰め、いたわり、陽気で優しい、思いやりなどだ。まさにさよりはひなげしなのである。さよりは水商売の女で昨年まで韓国スナックを経営していたが、心悪しき韓国人の女どもの悪意によって店を辞めた。多額の借金を背負ってはいるが、とても陽気で優しく人に対する思いやりが強い。もはや日本人が失った畏敬、尊敬、感謝、感動の念を持っている。

二年前の誕生日には店に招待してくれた。その客席にはネーム入りのケーキと料理それにドンペリが用意されていた。もちろん無料であった。今日もおそらく彼女がその費用を負担するのであろうとおもうと心が痛む。さよりはたしか20年前にことばがわからないまま来日した。そして日本人のお客に大切にされてことばを覚えたのだ。その日本人のお客さんにも格別の感謝の念をもっている。

昨夜、無料洋画をすべて観尽くしたので韓流映画にした。
ある映画でヒロインの孤児女性が孤児院の院長にこういわれた。
「商売は心を売るものだ、金が欲しければ金を喰え、どうだ美味しいか・・・、商売には基盤が必要だ、おまえにはその基盤があるか」
ヒロインの孤児はしきりに考えた。その頃、闇市を取り仕切る者たちの企みで孤児院の存続が危うくなった。そのときヒロインの孤児は気が付いた。
「そうか、わたしの基盤は孤児仲間と共に生きることだ」
実話をアレンジした物語のようであり、やがて大商人になっていくようだが、第一話、第二話の幼少の頃しか観られない連続ものであったが、結構おもしろい。「おしん」とは異なり、その頃の朝鮮がとても世界に開かれていることと、朝鮮人のいわば真髄が伝わってくる。

さよりが経営者になる前にはホステスをしていた。その店でチーママがぼくに失礼をした。そのときさよりは怒ってこういった。
「なんだよママ、わたしたちはお客さんからお給料をいただいているでしょう。なんて失礼なことをするんだ」と。彼女はそれからいろんなことがあり、彼女自身、韓国人に対して嫌気がさしていった。そして自身が韓国人であることを恥じた。彼女は亡き父からこう教わったという。
「戦争で日本人にはとてもひどい目に遭ったがなあ、さより。けっして恨んではいけない。日本人から学ぶべきものはとても多い・・・」
さよりは、ぼくが腰をやられて歩けなくなったとき、ぼくを支えて鍼灸院に連れていった。その途中で知り合いの韓国人に逢った。後で知ったが、その韓国人は、ぼくを支えているさよりをバカと言ったらしい。要するに、そんな男のために労わるのは無駄で馬鹿らしいということだ。

この世の中、電波が思考を停止させ、概念の洪水でまさに「基盤」を失ってしまって、自分本位になってしまった。

今日はそのさよりに敬意を払う意味で、久しぶりにスーツを着ていこうとおもう。ぼくにとっても節目であるから。

雛罌粟 (ひなげし)。

いずれも英名の「ポピー」の名で親しまれるのだが、それは18世紀に北極探検隊がシベリアでこの花を発見したことからとある。「アイスランドポピー」である。なお、スペインでは「アマポーラ」、フランスでは「コクリコ」の名で呼ばれる。ぼくはスペインが好きだから、この「アマポーラ」がしっくりくる。歌にもある。日本には江戸時代に渡来したヨーロッパ原産といわれる。

《スペインのカディスで生まれ、アメリカ合衆国に移住したホセ・ラカジェが、1922年 (1924年説も) にこの曲をスペイン語の歌詞 (詩:ルイス・ロルダン) で発表した。1924年、アルバート・ゲイムスが歌詞を英訳。1935年にロベール・シャンフルーリとルイ・ソーヴァがフランス語のルンバにアレンジした。

1941年、ジミー・ドーシーオーケストラ演奏、ヘレン・オコーネルとボブ・エバーリー歌唱のレコードを、デッカ・レコードがカタログナンバー3629として発売したところ、大ヒットし、1941年3月14日から14週間にわたってビルボードに載り続けた。1937年頃には日本にも淡谷のり子により紹介された。

「アマポーラ」はスペイン語でヒナゲシの花を意味する。ヒナゲシの花を愛しい人に見立てたラブソングである。》 

「スペインのカディス」はぼくの約束の地であるが、どうも行けそうにない。

『Amapola, lindisima amapola,Será siempre mi alma tuya sola.Yo te quiero, amada niña mia,Igual que ama la flor la luz del día.Amapola, lindisima amapola,No seas tan ingrata y ámame.Amapola, amapolaCómo puedes tú vivir tan sola 
Yo te quiero, amada niña mía.Igual que ama la flor la luz del día.
Amapola, lindísima amapola,No seas tan ingrata y ámame.Amapola, amapolaCómo puedes tú vivir tan sola』
『ひなげしよ、美しきひなげしよ、いつだって僕の心は君だけのもの。君が好きだ、僕の愛しい子、花が昼の陽射しを愛するように。ひなげしよ、美しきひなげしよ、嫌な顔をせずに私を愛しておくれ。ひなげしよ、ひなげしよ君はどうして一人でいられるのだろうか。
君が好きだ、僕の愛しい子、花が昼の陽射しを愛するように。
ひなげしよ、美しきひなげしよ、嫌な顔をせずに私を愛しておくれ。ひなげしよ、ひなげしよ君はどうして一人でいられるのだろうか』

おっと忘れていけないのは「虞美人草(ぐびじんそう)」だ。  
中国歴史上の絶世の美女である虞美人にたとえたのだ。

<古代中国のお話「虞美人草」>
項羽(こうう)と劉邦(りゅうほう)の最期の戦いのとき、項羽は愛する虞妃(ぐき)とともに、劉邦の大軍にまわりを包囲された。
項羽は別れの宴を開いてから最後の出撃をし、虞妃も自刃して殉じたが、彼女のお墓にヒナゲシの美しい花が咲いた。そのため人々はこの花を「虞美人草(ぐびじんそう)」と呼んだ。

〜もう」少し小話を続けよう〜

夏目漱石の小説に「虞美人草」があるが、その由来。
漱石が新しい小説のタイトル名を決めあぐねていたときに、街角の花屋さんで見た「虞美人草」の名に‘おっ、いい名前♪’ということで名づけたということらしい。

「ああ皐月(さつき) 仏蘭西(フランス)の野は 火の色す 君も雛罌粟(こくりこ) われも雛罌粟(こくりこ)」(与謝野晶子)

「陽(ひ)に倦(う)みて 雛罌粟(ひなげし)いよよ くれなゐに」(木下夕爾 )

調べていたら、ひなげしはフランスの国旗の赤を表す花で、リメンブランス・デー:11月11日。1918年の11月11日に第一次世界大戦が講和したことからヨーロッパでは追悼記念式典が行われる。
ヒナゲシは主にイギリス連邦の国々で戦没者の象徴とされている。カナダの詩人で従軍したジョン・マクレーの詩「フランダースの野に」にちなむ。とある。
それではそのジョン・マクレーの詩「フランダースの野に」を記載しよう。

「ロンドン発 -庶民的生活-」フランダースの野に
フランダースの野に ジョン・マクレー 詩

『フランダースの野にケシの花がそよぐ
十字架が幾重にも並ぶ
そこは私たちの場所
そして、空にはヒバリたちが勇ましくさえずりながら飛んでいる
銃声の轟にかき消されても

私たちは死者である
数日前までは生きていた
朝焼けを感じ、夕日が真っ赤に輝くのを見た
愛し、愛された
そして今、私たちは眠る
フランダースの野に

どうか戦ってほしい
私たちのすでに力尽きた手から松明を明渡そう
松明を高くかかげてほしい
あなたがたが、ここに死んだ者たちの想いを忘れるなら
私たちは眠らない
どんなにケシの花が咲き乱れても
フランダースの野に

〜In Flanders Fields by John McCrae〜

In Flanders fields the poppies blow
Between the crosses, row on row, 
That mark our place; and in the sky 
The larks, still bravely singing, fly 
Scarce heard amid the guns below.

We are the Dead. Short days ago
We lived, felt dawn, saw sunset glow,
Loved and were loved, and now we lie,
In Flanders fields.

Take up our quarrel with the foe:
To you from failing hands we throw
The torch; be yours to hold it high.
If ye break faith with us who die
We shall not sleep, though poppies grow
In Flanders fields.』

うーん、とてもよく韻を踏んだ詩だ。

花言葉はとても面白い。
さよりもぼくもドジばっかり踏んでいるが、まあ似た者同士ってことか。
ぼくは、多くの嘘と悪意の中に生きている。
でも、さよりといるととてもそんなこと忘れてしまう。

‘ひなげしの花言葉、慰め、いたわり、陽気で優しい、思いやり’

花屋でひなげしを買って行こう。
まさにさよりは「アマポーラ」なのだ。

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