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日常感情劇場 on mixiコミュのおうちをかうのはたいへんなのよ(短期集中連載5回目)

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上棟式、と聞いて「?」と思った方も少なくなかろう。
一戸建てならまだしも、マンションで上棟式をやるという話はあまり聞かない。
しかしこの住宅会社は、もともと木造一戸建ての工務店から始まっており、そのときからの習慣で、マンションであっても上棟式をやることにしているのだそうだ。マンションギャラリーは××駅のすぐ目の前にあるのだが、実際のマンションは駅から13分ほど歩いたところにある。今までに何度も現地に出向き、建設途中の状態を見ていたのだが、今回ほぼ出来上がった姿のマンションを見て「おおー」と声を上げる私たち。いままではマンションギャラリーにつくってあるミニチュアで見ていた形が、現実のものとなって目の前に。

しかも、まだ建築途中ではあるが、この日、内覧会に先立って室内に入れるのだ。上層のフロアによってはまだ入れる状態ではないところもあるようだが、私たちは入れるとの案内が届いていた。ええ、もちろん入りますよ。我が家だもの。説明資料と注意事項が書かれたクリアファイルをもらい、アンケート用紙をもらい、いざ部屋へ。

電気や水道を除き、ほとんど完成していた。

思っていたより広く、明るい。中に入れることはわかっていたのでコンベックスを取り出し、冷蔵庫スペースや押入れやウォークインクロゼットの寸法を測る。実際には半月ぐらい先に内覧会があり、そこで正式に測ることができるようにはなっているのだが、せっかくの機会なので有効に使わせていただく。押入れが予想外に大きく、作り付けのクローゼットやウォークインクローゼットも良くできている。私の書斎(という荷物置き場)となるはずの部屋も、北向きの割りにとても明るくできていた。

テンションの上がる私たち。一旦エントランスに下りて、アンケートに記入。提出すると、私たち一人一人に箱入りの紅白饅頭が手渡された。

そうだよね、上棟式だもんね。
昔だったら もちまき をしたりするおめでたい行事なんだもんね。

縁起物をもらってなんだかほんのりしあわせな私たち。

マンションの2階は集会室になっており、そこで再度オプション相談会。ウチは前回に追加して姿見を壁に貼り付けてもらうことにして、その説明を受ける。クローゼットの扉に埋め込む姿見は建築途中に言わないと作れないが、壁に貼り付けるものは建築が終わってからでも取り付け可能で、しかも少々お安め。パイプ椅子に座って説明を受ける。すると、横から、説明をしている人とは別の若いおねーさん社員が出てきて、「あの、夏井さま、すみません」と声をかける。
「前回のオプション代金のご入金がまだのようなのですが・・・?」
え?
「払い込み用紙は届いていなかったでしょうか?」
ええ、多分。(住宅会社)さんからの連絡はすべて開封していますから届いていれば多分わかるはずで・・・?
「左様でございましたか。ではあらためて払い込み用紙をお送りしますので、申し訳ありませんができるだけお早めにお支払いいただきますようお願いします」

食器洗い乾燥機と、浴室・トイレの手擦りの代金は、住宅そのものとは別の会社(同じ会社のグループ企業)が扱っているため、別のところに別の振込みが必要になる。しかしその用紙は届いていなかった。なので、後日、今回の姿見とあわせて請求書兼振込用紙が届くことに。


居候先である相方の実家へ帰宅。紅白饅頭を持っている私たちに相方の母親が言う。
「あれ、何かおめでたいことあったの? 家のこと?」
家を出るときに、今日は上棟式だといって出てきた。しかしこういうことは今までにも何回もあった。受け流しスキルがキャップしそうな私はすぐさま「今日上棟式だったんですよ」と言う。あらそうなの、おめでたいねー紅白で。昔も家建てたら棟上とかで饅頭とかもちとか振舞ったりしたよねー。マンションでもするんだこういうこと。屋根から まかれた のを持ってきたの?

えっと。説明するので少々お待ちください。

説明を聞いた相方の母親。
「あ、そうなの、まだ屋根はできてないの?」

説明するので少々お待ちください。

「あ、そうなの。じゃあこれはみんなに配られたの?」(だからもって帰ってきてるんだけどな)
「まぁまぁだけど縁起物だからね、おめでたいおめでたいねー。もう中には入れるの?」(ええ、入れました。もうほとんどできてましたよ)
「駅からはどのぐらい時間かかるの?」(ここと同じぐらいです)
「あらそうなの。もう屋根とかできてたの?」

説明したくないので少々お待ちください。

−−−
次の週末、住宅会社の本社で登記説明会が実施される。いよいよ登記である。事前に届いた資料には、セキュリティ会社(警備保障の会社)からのパンフレットや、インターネット業者のパンフレット、ケーブルテレビ業者のパンフレット、重要事項説明書の追補、NHK受信料自動引き落としの案内などが入っていた。どうやら登記の説明の際に一緒に説明されるらしい。わざわざ ななみちゃん(NHK−BSのキャラクタ) のクリアファイルに入れてあったNHKの自動引き落としについては、このマンションはオートロックなので集金人が入れないから自動引き落としにしてくれという、そういう理由で入っていた。そうかそういうのも必要か。

初めて降りるその駅から5分も歩けばその住宅会社の本社である。どこから入るのか一瞬わからないエントランスを通り、受付で部屋番号をいい、大きな会議室へ通される。(もう部屋番号で個人が特定できるので、渡される資料やクリアファイルにも部屋番号だけが書いてある。)

銀行の担当者、登記の担当者、セキュリティ会社の担当者、建物の管理会社などがそれぞれシマをつくっている。受付で渡されたチェック用紙にはそれぞれの名前が入っていて、立ち寄ったところでチェックを入れてもらい、すべてチェックが入ったら登記説明は終了、というスタンプラリー方式。

まずは銀行。今まで取引のない++銀行の行員さん・・・にしてはずいぶん年かさのおっちゃん(じーちゃん、に近いかもしれない)が対応してくださる。おそらくは定年退職後の再任用みたいなものか。既に住宅会社を通じて提出済みの書類が用意してあり、詳細の確認といったところ。で、最終的な審査に向けての、保険の条項だとか申告書の内容だとか優遇金利の最終点検だとか、そういう話、だったんだろうと思う、多分。

多分、と言っているのは、実はこのおじーちゃん行員、髪型がとっても変で、私はそこばかり見てしまっていたのである。

本当に、リアルに、「ちびまる子ちゃん」の花輪くんの髪型なのだ。

うわー、すげー、本当にこんな横にたなびいた形で固めるヘアスタイルって作れるんだー。どうやって固めてるんだろー。寝癖にはならないのかなー。毎日セットにどのぐらい時間かかってるんだろー。家族は何も言わなかったのー。もしかして花輪くんのモデルなのー。それにしてもすげー。ホントにすげー。

あ、え、えっもう終わり?、ああ、ええっと、いや、あの、その、よろしくお願いいたします。

こんな客によろしくお願いされても困るだろう++銀行。

ただ、重要な話のひとつは、しっかり聞いた。その銀行に口座を持っていない私は、指定された期日までに++銀行のどこかの支店に口座を作らなければならないらしい。

さて、困った。

私の今のメインバンクは20年ほど前に九州で作った、都市銀行の口座。今年の春先、転職に伴って給与振込みの口座を指定するに当たり、いくらなんでも九州の小さな支店の口座をまだまだ使うのはナンだろう、と思って、まだ引っ越していないマンションの近くのその銀行の支店に口座を作りに行ったのだが、
「現在のお住まいの最寄か、お仕事先の最寄ではない支店での口座開設はお受けしておりません」
と言われてしまったのだ。その銀行のウェブサイトを見てみても確かにそういう断り書きが書いてある。
「あのー、■■銀行で、実際に住んでないところの支店での口座開設はできないって言われたことがあるんですけど・・・」
「(担当者数名顔を見合わせて)当行はそういうことは言わないですよ。もし窓口でそういうことを言われたら(名刺を出しながら)これが『作れると言った』と担当にお伝えください。それでもお断りすることはないはずです」

うわ。

いいのかそれで。でもいいんだろうな。名詞を恭しく受け取って、銀行エリアは終わり。

セキュリティ会社(つまりは警備会社)とは実際に建築会社との間で交わされているセキュリティ契約についての説明があり、万が一のときどのように対処すればよいのか言われた。状況によってはドアを壊して中に入ることもありますがそれはご了承くださいませ、と言われ、ご了承した。管理会社とは、修繕積立金の話と、毎月の共益費の振込先の説明。火災保険の会社からは、火災保険と家財保険と地震保険の話。ただ、このマンションは免震なので地震保険は軽め。

で、やっと登記を担当する司法書士さんのシマへ。今日は「登記説明会」なのだ。一番のメインイベントなのだ。いやがおうにも緊張する私。印鑑を持ってきているかどうか今一度確認する。

担当者はかっちりとしたスーツを着た、みたところ30代中盤ぐらいのお綺麗な女性。
「登記を担当します×◎司法書士事務所でございます。このたびはおめでとうございます。つきましては、当事務所が登記に伴う諸手続きに関して一括で実施することにしておりますがそれでよろしいでしょうか?」

拍子抜け。

でもまぁしかし、そういうことなんだろうな、きっと。この女性はこれだけのために週末返上で来てるのか、大変だな。
「お手数をおかけしますがよろしくお願いします」
「ではお引き受けいたします。つきましては代行手数料として25万円を再来週までにこちらまでお振込みくださいますようお願い申し上げます。本日はありがとうございました」

えええええーーーーーっ。もう終わり?

じゃなくて、

えええええーーーーーっ。そんなに高いのーーーーっ

くらくらする私。メインイベントが1分ぐらいで終わったという、あとはキムタクから贈られたマイクでリングの上で歌って放送時間を埋めるしかないようなすっぽ抜け感と、何でこんなに登記費用がかかるのというのと。だって、100世帯だとこれだけで2500万円になるんだよ。そりゃあ週末ぐらい返上するって。

ここに至るまでに、既に、保険会社にかなりの金額を提示されている。火災保険は一括20年加入とかで、20年分の保険料。家財保険や地震保険は5年見直しなので5年分の保険料。これらを一括で支払うことになる。約20万円。つまり今日だけで既に50万円を超える金が動くのだ。100世帯で5000万円である。ちょっとした宝くじの1等賞金ではないか。

家を買う場合、本体価格以外の金がかかるというのは、半ば常識的に知ってはいる。しかし、それらの具体的なところについては、びっくりするぐらい情報がない。

再度、リクルート住宅情報マンションズの担当者さんに進言するが、そういう情報をちゃんと載せようよ。もしかしたらそういうカネが払えなくてキャンセル住居になってしまったりとか、なくはないんじゃないの? これにオプションとか、新たに買い揃える家具や家電品とか入れたら・・・

相方はその昔、建築業界にいた人だったからか、そういう事情はわかっていたらしく、その分の現金はちゃんと別に用意していた。しかしそれにしても登記代行費用は予想外だったらしい。

だいたい1時間ぐらいでメインの登記説明会は終わったのだが、その後オプションとして別会場で、台所の埋め込み浄水器のカートリッジ交換に関する話、ケーブルテレビの話、インターネットの話、清掃用品レンタルの話などを聞く。インターネットは今までの説明ではJ−COMとUSENから選ぶように言われていたけれども、今日になってNTT東日本が選べるようになったとのことで急にテンションの変わる私たち。事前に送られてきた資料には載ってなかったから本当に急だったんだな。やっぱり安定しているのはNTTでしょ。NTTの担当者の前で散々突っ込んだことを聞く私たち。

私の仕事は、今はコンピュータ専門。相方の仕事は、今は電話に関するちょっと突っ込んだ特殊な仕事。
コンピュータの専門家と電話の専門家。NTTにとってこんなに扱いにくい客は無かろう。
しかも、どうやらNTTの担当者のアサインも急だったらしく、資料も知識もまともにそろっていなかった。でもまぁ仕方ないか。

なにやらかにやらで結局3時間ぐらいかかって登記説明会は終了。しかし肝心の登記の説明は約1分。そんなものか、そんなものなのか。

スタンプラリーを完走すると、記念品がもらえた。このマンションの外観の絵(広告とかに使われてるあれ)と、最寄り駅からの道順の地図と、番地まで印刷されていてあとは部屋番号と名前とメールアドレスを書き込むと、転居のお知らせが出来上がるはがき100枚。

今年の年賀状はこれにしようか? 年賀用の切手を買って。100枚もあれば足りるだろう。


帰宅後。相方の母。
「今日はどこに行ってきたの? 家を見に行ったの?」
(相方)「ううん、今日は登記。住宅の会社に行って、手続きとかの説明」
「あらそうなの。家は? もうちゃんとできてるの?」
(相方)「今日は家には行ってない。家の会社の本社に行ってきたの。もう先週部屋には入れたから」
「あらそうなの。屋根とかもうちゃんとできてるの?」
(私)「電気とか水道以外はもうほとんどできてます」
「あらそうなの。駅からはどのぐらい・・・」
(私)「(さえぎって)ここと同じぐらいです」
「あらそうなの。あの見にいった部屋(モデルルームのことと思われる)と同じなんでしょ?」
(相方)「私たちが入るところは、あれよりちょっと狭くて、部屋がひとつ少ないの」
「なんで部屋が少ないの?」

いまどきエラー訂正機能がついていないアナログモデムを使っているのか私たちは。

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