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日常感情劇場 on mixiコミュのおうちをかうのはたいへんなのよ(短期集中連載1回目)

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17年勤めた自衛隊を、一身上の都合により、自衛隊側は厄介者を追い出したと思い、私はアホな組織に引導を渡したと思い、まぁお互いの思惑はともかくとして、退職することになった。今にして思えば防衛省はいま本当に大変なようで、こんなくだらないごたごたに巻き込まれなくて良かったと心から思っている。

私も3年ほど前に本庁(当時はまだ防衛「庁」だった)勤務をしていた頃、業務の上でかなり高額な、しかも今まで防衛庁が一度も買った事のないものの買い物をしなければならなくなった。だが、購入に関して前例がない上に、それが何なのかを説明するためにはコンピュータネットワークの公開かぎ暗号の知識が必要になるため、そんなこと全く知らないし知ろうともしないえらい人(決済権者)への説明が大変だった(パワーポイント1枚にさっくりとまとめろとか言われた。公開鍵暗号方式をご存知の方で、その仕組みを、コンピュータのことは良く知らない人、たとえば「フロッピーに入らない文書を保存するためにCD-ROMがあるんじゃないのか(CD-ROMには保存はできません)じゃあCDは何のためにあるんだ」と言うぐらいのレベルの人に、パワーポイントのスライド1枚でさっくり説明できる方いらっしゃったらぜひその知恵をお借りしたい)。さらに自衛隊には既に「暗号」というものがあるために「自衛隊の暗号とは明らかに違うものに対して同じ暗号という言葉を使うのはまかりならん。言い換える言葉を作れ」みたいなしょーもないことを言って現場を混乱させただけの守屋のおっちゃんと、そんななんだかわからないモノはウチでは扱っていないので買えないだとかくだらないことで山田ヨーコーが口を挟んでくるものだから本当に神経をすり減らした。あの頃はもう既におかしかったんだなぁ。あ、でも最終的に値段の高い高機能なほうが買えるような決済がおりたって事は、もしかして裏で何かカネが動いたのかも。そんなだもん。小池百合子がきーきー言ってたのもわかるわ。あの人だけだよね守屋にきーきー言えた人。私の退職の辞令書には久間大臣の署名があるんだけど、もし逮捕とかされちゃったらヤフオクで高値がつくかなぁ。だってもういらないもん。コレクターの人っていないかな。

で、ま、それはそれとして、本題。

私はそれまで15年ほどずっと官舎に住んでいたのだが、退職するとなると当然、出なければならない。出たあとはどこかに住まいが必要だ。で、仮に首都圏に住むとしたなら、おそらく毎月10万円もの家賃が飛んでゆくことになるだろう。

だったらいっそのこと家を買ってしまったほうがいいのではないか。もう遠方に転勤することもなかろうし、ちょっと腰を落ち着けた暮らしがしたいではないか。それに、特別職国家公務員である身分を持っているうちにローンの審査とかをやっちゃったほうが何かと有利だろう。よし今だ、今しかない。

この話は、そういう、結構やっつけな家探しから始まる。

まず、どのあたりに住むか。あれこれ悩むが、東京都内、とくに23区内はとてもじゃないが手が出ない。で、町田から相模原あたりだと多少は手が出せそうな価格帯になってくる。相方は子供のころからずっと京王線ユーザなので、できればその沿線で探したいな、という希望もあり、京王線沿線でめぼしいところを探す。私は九州の田舎の育ちなので別に地域の思い入れはない。強いて言えば東京で最初に暮らした街が三宿なので、その近辺だとうれしかったのだけれど、世田谷区と目黒区の境という高級住宅街のど真ん中は到底買える訳も無く撃沈した。

リクルートの住宅情報タウンズや住宅情報マンションズをこれでもかともらってきて、いくつかピックアップする。あーでもないこーでもないと考え、2箇所に絞った。3月。そのうちのひとつのマンションギャラリーへ。応対してくれたのは小柄でかわいい女性の社員さん。説明を聞き、現地を見る。ギャラリー内に作られたモデルルームを見る。そして価格。かなり安い。

安い理由について、明快な説明がある。施工主は不動産以外にも、医薬品事業などを広く扱っているあなたもきっと知っている有名な企業。で、この土地に長年にわたって広い倉庫を持っていた。その倉庫が移転したのを機に、この土地を同族の不動産会社に格安で売り、そこにマンションを建てるという次第。土地の仕入れが安く済んだので価格もぐっと抑えられたという説明。倉庫が長年建っていた土地なので地盤の不安などは一切ない。念のために地図を見てみたが河川の跡や水に関連した地名などは一切なく、駅からもずっと平らな土地。東京電力の重要な施設も近くにあるような場所である。ターミナルの駅から歩いて15分ほどとちょっと距離があるが、今まで住んでいた官舎も駅から歩けばそのぐらい時間がかかっていたので気にならない。

なにより、ここは免震構造。耐震ではなく、免震。地震に耐える構造ではなく、地震の揺れそのものを建物の土台で吸収して建物自体にその揺れを伝えない仕組み。もうまもなく大きな地震が来るらしい首都圏に住む場合、このあたりは重要。首都圏全体でも免震構造のマンションは数%しかない。貴重だ。

もう1箇所を見ず、ここを買うことを前提に話を進めることに決めた。決めると早いのだ。

まず、顧客登録をする。正式に買うか買わないかはともかくとして、住宅会社から定期的な連絡やこの物件に関するイベント情報、このマンションは見送ったとしてもまだほかに発売されるマンション情報などを発信するために必要なのだという。住所氏名生年月日電話番号。会社名はちょっと迷ったが、その時点では自衛官だったので陸上自衛隊と書く。従業員数とか年商とかを書く欄に困惑するが、公務員さんはそのあたりは空白で結構ですよ、とのことで白紙のまま。で、予算と購入希望物件の価格。これはあまりにもリアルなものを書くとナンなのでここも空白。昨年度の年収などは割と正直に書く。あんなアホな仕事だったのにこんなにもらってたんだなぁ。でも守屋とかはそれ以上に(以下厳重に略)。

何回かやり取りしながら、購入の意思を住宅会社に伝える。購入希望は11階建ての6階。二人暮しなのでさほど広くなくても十分。値段はこの全戸数の中では一番平均的。エレベータの前なので少々音がするらしく、それでまた少し値段が下げてあるらしい。

この部屋を買いたいです、と言う。普通はその後、その部屋の購入希望者同士での抽選会ということになるのだが、抽選にならないようなある配慮がなされていた。購入の意思を示した人がいる場合、マンションギャラリーの壁に貼ってある価格表のパネルのその住居の部分に、すぐにリボンの花を付けてしまうのだ。リボンの花がついていても希望することはできますよ、と次からの人には言うのだが、抽選が既に決まっている住居をどうしても欲しいという人は、ペントハウスだったり専用庭があったりという目玉物件でない限り、まず、いない。どうやら法律で、全くの無抽選というのはいけないとされているらしいのだが、そのあたりは海千山千の住宅会社。なにやら裏技をお使いのご様子。かくしてめでたく無抽選で私たちがその部屋の購入権を入手した。

しかし、少々困った問題が起こる。

このマンションは現在建築中である。棟上は10月、引渡しと入居は12月。つまり、住宅ローンの本審査はおそらく10月から11月頃に行われる。今は4月。退職は5月15日予定。ということは、「国家公務員でいるうちに審査を通しちゃえ計画」は、早くも頓挫してしまうのだ。

これは、黙っていてもしょうがない。審査の時には絶対ばれる。しかし、たいていこの手のローンものは、転職してから数年間は下りないというのが定説である。

マンションギャラリーで担当の小柄な女性に、「あの、ちょっとご相談があるのですが」と持ちかける。

概要を聞いた彼女は、少々お待ちください、と、奥から宅地建物取扱主任者の男性を連れてきた。包み隠さず話す。

主任者の話は意外なものだった。

「そうしたら、審査は10月頃になりますので、それまでの給与明細書は全部とっておいてください。最低3か月分あれば審査はできますのでよろしくお願いします」
「あの・・・こういう状態で審査は通るのでしょうか?」
「いまは転職するってことは特別でもなんでもなくて当たり前のことになりつつありますから、それが審査に不利に働くってことはありませんよ」

おや。

「・・・どちらにせよタイミングが良かったですね。1ヶ月遅かったら書類がそろわずに審査ができなかったかもしれません。今からだったら大丈夫でしょう。私は全く心配していません」

いろいろ気にしていたのに拍子抜けの私たち。仮審査用の書類に新しい職場の名称と連絡先を書いて、一件落着。

念のためにお願いしておいた住宅金融公庫(フラット35)の予備審査は無事に下りた。銀行の審査は書類がそろってからである。審査が下りたことで、いよいよ実際の購入に向けて動き出すことになる。

さて、次の問題は引越しである。

ひとまず、今住んでいる官舎を引き払わなければならない。退職後2ヶ月は延長して住むことができるので、正当にその権利を行使して、2ヶ月延長して住んだ。次の家に住めるようになるまでの仮住まいは、相方の実家が近いので、しばらくそこの1部屋にご厄介になることに。ということは、そこに今の家財道具をすべて持っていくわけにはいかない。1部屋しかないのだから。

いろいろ考えた末、必要最小限のものだけを相方の実家に持って行き、それ以外はレンタルコンテナに預けることにした。

実家にもって行くものを除けておき、それ以外をすべてコンテナ業者のところに持っていってもらう。そして家を買うときに、そのコンテナから新居まで運んでもらう、という二段構えである。

引越し業者は、エレベータのない5階からの引越に、作業員を6人連れてきた。さすがに6人もいると早い早い。あっという間にトラックに家財道具一式が積み込まれ、お疲れ様でした。

が。

普通の引越だったらすべての荷物を一切合財運んでもらうので何の問題もないのだが、今回は荷物の一部だけは残すことになる。その「残す」荷物の指示を徹底することができず、いくつか実家にもって行くはずのものをコンテナに持っていってしまうという状況が起きた。

手数をかけて申し訳ないのだけれどこれは取り戻すしかない。コンテナに向けて移動中と思われる業者さんの携帯に電話して、これとこれを持ち帰ってくれないかと頼む。と、もう既にすべての荷物はコンテナに収めてしまった後らしい。むちゃくちゃ仕事が速い。恐縮するが仕方ないのでお願いする。業者さん、すぐにコンテナに戻り、一旦コンテナのものを出した上で、言ったとおりのモノを持ち帰ってきてくださった。

うわーうわーすみません、本当にありがとうございます、えっと、これ、昼食代です、むき出しですみません、と、現金を渡す。業者さん、恐縮しつつも受け取ってくださる。そりゃそうだよね、余分な(本当に余分な)作業を追加でお願いしたんだもん。それぐらいのことしなきゃこっちが気の毒で。

数時間後、掃除中のウチに別の引越し業者さんが来る。今度はこれからご厄介になる相方の実家に運ぶものを持っていってもらう。自分で運ぶつもりのものを残し、さっぱり持っていってもらった。掃除を済ませ、車に荷物を載せ、隣町のシティホテルに今日は一泊・・・のつもりが。

車に載せるつもりの荷物が思いのほか多く、全部乗り切らないことが判明。仕方がないので、段ボール箱に入っているものや大きな袋に入っているものをコンビニに運び、宅配便で送ってもらうことに。それでも車の中は結構きちきち。なので、相方には電車で移動してもらい、助手席にまで荷物を乗せてホテルまで移動する。

しかしそういう状態なので、車の後ろが全く見えない。この状態で運転するのは危険だと判断し、翌日、宅配便で送る。宅配便にならない大きな荷物については、ホテルのコンシェルジュに協力を依頼して配送を手配してもらう。

少しでも配送料を節約しようとちまちまやってたら、結局配送料と同じぐらいの追加出費が発生してしまった。ちまちま節約など考えず、すべて業者さんに持っていってもらったほうが結局は早いし安いということを学習した。

まぁしかし、ばたつきながらも新しい仮の生活がスタートし、家を買うためのいろいろもゆっくりと動き出したのだった。

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