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日本の政治を考える会コミュの「自由と繁栄の弧」構想は中国封じ込めか

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平成18年11月30日に麻生外務大臣がホテルオークラで「自由と繁栄の弧」という外交戦略について演説を行った。「自由と繁栄の弧」とはバルト3国から、東欧、ウクライナ、中央アジア、アフガニスタン、イラク、インド、そしてベトナムなどインドシナ3国までをつないだ国家の連携と定義している。

これらの国々は「民主主義」を指向し「市場経済」による発展を模索しており、日本は今後これら諸国に対し積極的な経済支援と文化交流などを深めていきたいとしている。この弧が持つ戦略的狙いは「ユーラシア大陸中央部の安定」をはかり日本の「安全保障」につなげるとともに、この地域の経済を活性化させることにある。

ところでこの弧の中には中国や朝鮮、ロシアは含まれていない。中国やロシアは中央アジアの国々と2001年に「上海協力機構(SCO)」を作り協力関係を強化しようとしている。外務省の「自由と繁栄の弧」構想は「上海協力機構(SCO)」と「競争関係」にあるのか「協力関係」にあるのか明確でない。

「自由と繁栄の弧」構想が単に地図上に弧を描いて、こうあるといいなだけでは話にならない。具体的に何をやるのか明確にすべきだろう。まさか米国の「中東民主化」を真似てテロ退治や民族紛争に日本が介入するわけではないだろうし、経済支援もODAの延長上では従来とあまり変わらない。

日中関係にヒビが入ることを恐れて外務省もはっきりとは言えないのだろうが、麻生外相の政治姿勢からみると「自由と繁栄の弧」は中国やロシアの南進を封じ込める戦略という意味にもとらえられる。もしそうであれば中国を2050年における世界1の超大国と位置づけ同盟関係も視野に置く米国との関係が微妙になる。

また「自由と繁栄の弧」を構成する弱小国と連携し、大国の中国、ロシアを相手に回して日本の安全保障が確保できるのかはなはだ疑問である。世界が多極化する中で、日本が「自由と繁栄の弧」の中核国家として頑張りたい気持ちは理解できるが東欧から東南アジアまで戦線が長すぎ機動性が低いように思える。

今や東アジアの経済規模は米州やEUに匹敵するようになっている。今年はじめに安倍総理や麻生外相が欧州、東欧を訪問したが「遠い国」という印象は免れない。やはり「中国封じ込め」戦略より中国を取り込み身近な「東アジア経済圏」でリーダシップを発揮しEUや米州連合と競合することに力を注ぐべきだろう。

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