●あなたは何を基準に日々の食べ物を選んでいますか。 英語には《You are what you eat.》という格言があります。これは「あなたはあなたが何を食べているかで決まる」ということです。私たちの体は、日々の食事によって養われています。つまり、健康も病気も日々の食事の積み重ねの結果であるということです。 日本の厚生省(現厚生労働省)は1996年、ガン、心臓病、肝臓病、糖尿病、脳血管疾患、高血圧症、高脂血症など、それまで「成人病」といっていたものを「生活習慣病」と改めました。それは、これらの病気が「年齢」ではなく「生活習慣」に由来するものであることが明らかになったからです。 いま、私たちのまわりには多種多様な食物があふれています。多くの食物のなかから、日々何を選ぶかによって、あなたの健康状態は決まります。健康で長生きしたいと思うなら、単においしいから、好きだからということだけで食べ物を選んではいけないことがおわかりいただけると思います。 ところが現代西洋医学では、その人がこれまで何を食べてきたかという「食歴」について患者さんに尋ねることはほとんどありません。食歴と病気の関係がもっと研究されるようになれば、「原因不明」の病気はずっと少なくなるはずです。 どんな人でも、若いときからたばこを吸って、毎日お酒を飲み、食事は肉中心で野菜や果物はほとんど食べない、そして牛乳やヨーグルト、バターなどの乳製品を食べていたら、60歳ぐらいには間違いなく生活習慣病になります。 病院で診察を受けるときなどに生活習慣を聞かれることがあっても、多くの場合、「現在」のことしか注目していません。でも、それではあまり意味がないのです。なぜ病気になったかを知るには、「食歴」つまりその人がいつどのようなものをどれぐらいの頻度で食べてきたのかを知る必要があるのです。