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ベンチャーキャピタリスト isコミュの会社は企業家の個性そのものである

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PE&HR 代表取締役 パートナー 山本 亮二郎

「なぜ、アップルCEOのスティーブ・ジョブスは音楽配信プレイヤーiPodを作ったのか。それは、彼は本当に音楽が好きなんだと思います」とPE&HR代表の山本亮二郎はいう。「会社とは企業家の個性そのものである」が山本の信条だ。起業支援を決めるときの基準は、経営者の執念を感じるかどうか。その事業に対して本気かどうか確認する。常に本質論で企業家に問いかけるヒューマン・キャピタリストだ。(文中敬称略)

人材だけでは足りない

山本は大学を卒業後、人材派遣のインテリジェンスに入社し京都支社の立ち上げを経験した。98年当時の日本はバブルが崩壊し不景気の真只中。そんな不況下でも、京都と大阪を中心に京セラや日本電産、ローム、任天堂といった高収益企業が点在していた。米国のシリコンバレーになぞらえ京阪バレーと呼ばれ、紙面で掲載された記事に山本は注目していた。創業者にオリジナリティーがあり、活力のあるビジョナリーカンパニーに関心があったのだ。
山本は新規クライアントを開拓する営業でベンチャー企業を訪問した際、総務部や人事部門の担当者と話をしていても仕事にならないと感じた。そこで、社長とだけアポイントを取ろうと決め、直接どんな人材を必要としているのかを聞いて回った。「社長と膝を突き合わせて話をしていくと、人材以外でも経営上の悩みがあることを打ち明けてくれた」と山本はいう。どの社長も資金繰りで苦労していたのだ。このまま人材紹介だけをしていても本当の意味でベンチャーを支援していることになるのだろうか悩んだ。そこで、「ベンチャーキャピタル(以下、VCという)から出資を受けたベンチャーに人材を紹介するか、あるいは自分が人材支援を行ったベンチャー企業にVCを紹介するスキームを考え、VC各社に提案して回った。とにかく、ヒトとカネの両方を支援しないとベンチャーは育たない」とこの時に確信した。

ベンチャーキャピタルに転身

クライアントの1社にVCがあった。以前からベンチャーを育てる仕事に関心のあった山本は、その社長が欲しがっている人材の条件を熱心に聞いているうちにVCの仕事内容に興味が湧いてきた。初めのうちは金融業であり専門性が高く自分にできる仕事ではないと考えていた。しかし、採用面談に同席しVCの社長が話すキャピタリストの資質を詳しく聞いていると、自分のことを指しているのではないかと感じた。「これはもう一線を越えて踏み込むしかない」と決心し、人材支援からVCへ転身した。早い時機からベンチャーは経営資源であるヒトとカネの支援がないと成長できないと考えていた山本は、ベンチャーに熱心に人材支援をする会社に投資しよとリストアップした。そうすれば、他に投資したベンチャー企業へもその人材会社から取引が可能になるので相乗効果があると考えた。しかし、実際は資金体力のないベンチャー企業を相手に取引を大きくすることに人材派遣会社は積極的ではなかった。5年後の売上げに期待するのにはリスクが大きすぎる。理想と現実には大きな隔たりが存在した。人材派遣と投資事業の2つの事業を経験し、ベンチャー支援の課題は分かった。自分が思い描くような方法で本格的なベンチャー支援がしたいと考えるようになった。山本の父親も事業をしており、その影響は否めない。

PE&HRを起業する

インテリジェンスでの人材紹介を経験し、VCで投資を経験した山本は、「どうやったってベンチャー企業は人材と資金の両方の支援がなければ立ち上がらない。以前から抱いていたこの問題を解決する方法として、PE(プライベートエクイティ=資金)&HR(ヒューマンリソース=人材)を起業した」と創業の経緯を語る。「まず、自分達から人材を出しベンチャー企業の創業から立会い、事業を一緒に作り上げていく。収益的には厳しいが身を削りながらやってきた。そして、事業が立ち上がったらファンドから投資を行う」とPE&HRのビジネスモデルを説明する。一般的なVCと違うところは、ファンド出資者の代理人としてベンチャー企業と接するのではなく、自ら人材を投入し事業を一緒に立ち上げる。ベンチャーで一番苦労が多いとされるゼロから1を創り出すステージから支援する。「そもそも起業するということは正気の沙汰ではない。本当に凄まじいことです。本気でなかったらできる仕業ではない。だから応援したくなる」と山本はいう。
山本の投資先の1つであるオンボード社長の古俣○○は、「執念という言葉をよく使います。夜遅くに出したメールに午前3時ごろ返信があり、翌朝8時に電話をくれる。情熱を感じます」と山本について語る。また、「人生観や仕事観について踏み込んで話をした。まだ実績もない頃だったので売上げは重視せずに仕事への取り組み方を評価し投資を決めてくれた。事業構想段階で信じてくれて感謝している」という。

経営は創業者の個性そのものだ

「本気なのかどうか」
起業支援を行うかどうかのポイントだ。「例えば和民の渡邉美樹社長は起業前にきついアルバイトをして創業資金を貯めました。こういう経営者は少ない。だから東証一部上場まで行くんだと思う。ここまででなくても覚悟というか伝わってくるものがないと何かを成し遂げることは不可能だと思う」と起業家の本質について語る。
「なぜ、アップル社長のスティーブ・ジョブスが音楽配信のiPodを始めたのか。それは、単純に彼は音楽が好きなんですね。社長の個性と事業は直結している」と山本は分析する。加えて、世のため人のために自分の人生はあると、当然のごとく思っている人が企業家ではないかと山本はいう。以前にセコムの創業者である飯田亮に会ったことがある。「悪を排除する。正義を追求するという飯田さんの思いの具現化がセコムという事業そのものだ」と悟った。多くの企業家にいえることだが、その人の心の在り方と選んだ事業はピタリと一致してくる。「企業家の個性そのものであり、極めてシンプルにそこだけを見ているので誰よりも適正がありリスクは軽減できるのではないか」と鋭いキャピタリストの視点で指摘する。

とことんやろう

「目先の利益のことは考えずに、もっと長期的に事業を考えよう。ワクワク感を伝えられるような商品開発という創業時の想いを忘れないように」と、よく励まされると山本の投資先の1社であるTORICO社長の安藤○○はいう。つい数字を上げることに気を取られてしまうが、社会にどういう影響が与えることができるか考えるように助言を受けることが多いという。「事業の本質的なところをいつも見守ってくれていて、気付きを与えてくれる」と山本を信頼している。事業の方向性がブレると敏感に感じ取り、「意を決して事業に打ち込んでいるか。とことんやろう」と檄を飛ばす。また、「我々が販売しているスニーカーはカジュアルでスーツに合うデザインではないのですが、いつも打ち合わせの時には気を使って履いてくれています」とさり気ない心配りも忘れない。
 創業時からの支援ということもあり投資先企業とは多くの時間を一緒に過ごすが、食事に行ったり、お酒の席を設けたりはしないという。ケースによるが必要ないものと考えている。「私たちは出資者から大切な資金を預かり運用しています。投資をして得るのは未公開株であり、冷静に考えると非常に責任の重いデリケートな仕事だと自覚している。投資先には厳しい意見も伝えなければならないケースがある。そういう場面では親しさが正しい判断を下すのに邪魔をすることがある。その弊害を考えるとお酒は必要ないと思う。常に自らを律する意識を持っていないといけない」と理由を明かす。

起業学として体系化したい

「現在20社投資をしているが、早く100社くらい投資できるようになりたい。我々自身もベンチャーなので、人材の質も量も増やしていき力を付けて行きたい」と将来の構想に目を輝かして語る。穏やかであるが、ベンチャー支援の話になると実直で情熱があるのが伝わってくる。
「企業家の個性から事業は生まれているので全て個別事象だが、何か共通項があるように思える。何とか起業という事象を科学して体系化したいという希望がある」と山本は未来について語る。経営学とは違う、創業時のベンチャーに起こっている事象を自らの体験を基に体系化することで今後起業する人たちの役に立てるのではないかと考えている。現在でもベンチャー企業論の講義がある大学はあるが、「創業時のベンチャー企業で行われている壮絶な人間ドラマを何とか体系化し学問としてまとめてみたい」、と夢は膨らんでいる。

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