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アジア系アメリカ人研究会コミュのヤマト ダマシイ

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アート・ノムラのドキュメンタリー、Finding HomeをDVDで見ました。

6人の日系アメリカ人のインタビューに、日本の風景や祭りなどが織り込まれた作品です。

ハワイ出身の格闘家、エンセン井上や、山野美容専門学校のジェーン山野愛子さんらがインタビューされています。格闘技ファンのあたしとしてはエンセンは見逃せません。ノムラさんが彼にインタビューした2003年、彼は格闘一家、山本ファミリーの山本美憂と結婚していましたが、翌2004年に離婚しています。2006年に山本美憂は再婚。まあ、そんなことはどうでもいいのですが、、、。

マスコミがエンセンに「大和魂」というニックネームをつけたので、彼が着ているTシャツにも「大和魂」が大きく刻まれています。本人も気に入っているのでしょう。

この「大和魂」という言葉をみると、思い出すのが、同じくハワイ出身のタケシ藤(藤猛)というボクサーです。世界チャンピオンになったので覚えている人も多いと思いますが、彼もこの「大和魂」を売り物にしました。この言葉を聞いてもうひとつ思い出すのが、戦時中、マンザナー収容所で起きた暴動です。映画「愛と哀しみの旅路」(1990)にもこの場面が出てきて、日系人たちが「ヤマトダマシイ」の言葉を連呼していたのが印象的でした。

ですから、私にはこの「大和魂」という言葉は日本人よりも日系人と強く結びついています。サムライスピリットなども同様ですが、これらの言葉は日本人よりも外国人、または外国に住む日本人、日系人に使われる言葉のように思えます。

日本人より日本的、この言葉にはそんなニュアンスがこめられているのでしょう。6人のインタビューの中で、エンセンを含めて2人が、日本人から「あなたは日本人より日本的だ」と言われたことがあるといっていましたが、一人は、そういわれてどう受け止めていいかわからないと話していました。ほめ言葉なのか、そうでないのか。

ううん。微妙ですね。「あなたは日本人より日本的だ」といっている日本人の心理はどうなんでしょうか。ほめているのか、そこまでする必要はない、そこまでしても所詮日本人にはなれない、という皮肉をこめて言っているのでしょうか。いろんなケースがあるように思えますが、内と外を強く意識した言葉であるとは思います。ハワイなら、Japanese, Chinese, Portugese,といろいろあるけれど、日本には「日本人」と「外人」しかいない。それがショックだった、とエンセンも言っています。

日系人がアイデンティティを確認するために、日本の武道や華道、茶道、太鼓、和紙づくりなどに日本人以上に打ち込むことはよくあることで、そういった姿勢を純粋に受け止めたいと私は思います。

日本を棲家に選んでいる日系アメリカ人をインタビューしているわけですから、日本のいい部分に焦点があたりがちですが、おそらく大半の日系人は、日本に数年住んだあと、母国に帰る選択をしているでしょう。なぜ、日本を選ばなかったのか。日本人としてはむしろそちらを知りたい。また、日本以外の外国、たとえば欧州や他のアジア諸国に住まいを定めている日系アメリカ人も当然いるでしょう。彼らはどのような考えでその国を選んでいるのか。やりだすにはあまりに大変なプロジェクトだろうけれども、そこまでやると、もっと広い世界が見えてくるような気がします。

日本を住む場所に選んだのは、おそらくいろんな偶然が重なってのことでしょう。食べ物がうまいから、という人もいますが、仕事、結婚、出産もあります。一人、「湾岸戦争をアメリカが始めたのを見て、自分が戻るべき国ではないと思った」という意見があり、印象に残っています。

ともあれ、いろんなことを考えさせてくれる作品でした。映像もきれいです。6月にアートが来日するので、それにあわせて我々の研究会でも上映できたらいいと思っています。

コメント(6)

ものすごく興味あるドキュメンタリーです!!!!!
日本の中の盲点かもしれません。早く見たいですね。
どうかしら。「日本に住んでいるから日本の良い部分に焦点があたりがち」というより、インタビューされた時、カメラを前にして、自分が住んできた場所の良い部分を言いたいという心理が働くこともあるのかもしれませんね。
内と外という感覚、外人という感覚は、現実にここまで国際化した日本でも、未だにしつこくありますね。去年から、日本のテレビ人材の研究をしていて、この点を思い知らされることがたくさんありました。テレビというのは大衆メディアなので、もっとも保守的で、ステレオタイプに訴えるしね。

クロスカルチャーな話題になるとつい燃える私ですが、大和魂のことだけでなく、国籍、言語に関する見かたなども聞いてみたいですね。とにかく上映が楽しみ。
6月はアートノムラを含めて、アジア系アメリカ人研究会が二回になり、準備も大変ですが、頑張りましょう!

近々、渡米ですね。楽しんできてください。
そうですね。カメラの前ですからね。何度もインタビューすると矛盾することも言うでしょうし。

日本でもう20年ちかく英語の教師をしている男性は、ヨーロッパにも行ったけれど、ヨーロッパはアメリカと同じようにアジア系であることが目立ってしまうので、日本がいいと言っていました。でも、日系であることは、下の階層に見られるとも話していました。私が覚えている限りではこれが唯一、ネガティブな意見でしたが、アートさんはインタビューの中でそこを突っつくことはしませんでした。

今月20日にLAでアートさんに会う予定です。同日夜、日米劇場で、ソウジ・カシワギのミュージカル「日本町」のリハーサルを見る予定。本番を見られないので、せめてリハーサルを、ということで許可いただきました。

写真は、Finding Homeに出てくる写真のひとつ。この3人の中で日系アメリカ人は誰でしょう、というクイズになっています。さて、当ててみてください。

答は、左の女の子です。

以下、アート・ノムラのサイト
http://www.artnomura.com/
J.K. Yamamoto経由でアートさんから頼まれ、日本に定住を決めた日系アメリカ人を数人紹介したのは不肖asianimprovなのですが、インタビューされた日系アメリカ人も、例えフィルムには取り上げられなくても、アートさんの取材姿勢と人柄に惹かれたそうです。

シアトル出身の剣道の達人ピーター・ミズキ(日大教授。専門は英語教育論)は、1970年代に京都へ来てそのまま定住した三世ですが、「またアートと会いたい」と言ってます。

アートさんとは拙宅でアジア系アメリカ人によるドキュメンタリー作品の評価などを話し合いましたが、批評が的を射ていて感心させられました。アートさんは映像作家であるとともに大学で映像制作やテレビメディア論などを教える教授でもありますから、視野が広いのかもしれません。元Visual Communicationsの中心メンバーですしね。若い頃、IBMに就職が決まっていたのに、たまたま"Doors"(伝説のロックグループ)の公演を見たために、やめてしまった60年代的なエピソードには爆笑しました。軍隊経験(エンジニア)もある苦労人です。

By the way, 「日系アメリカ人に興味を持つ日本人」を取材するために日本に来たふたりの日系アメリカ人からインタビューを受けた経験があります。J.K. Yamamoto(北米毎日の英語紙面編集長)とAyako Takamori(ニューヨーク大学大学院で文化人類学を専攻する日系アメリカ人)ですが、なかなか面白い体験でした。

sudoraku席亭や僕などは、日系アメリカ人から見れば、不思議な日本人なのかもしれません。(笑)
Yamato damashii wa nihonjin yorimo nikkeijin to tsunagatte toraerareru, toiu kansou wa totemo omoshiroi desu ne! Tashikani Burajiru no nikkeijin no rekishi wo manandemo sou kanjirareru koto ga arimasu. Nihon hongoku to hanareteirukara koso umareru dokutoku no kanjo keisei no kontekusuto ga aruto omoimasu.
Shikashi, motto yoku kangaetemiruto, kono yamato damashii toiu kotoba wa nihon no haisen made tsuyoi riaritii wo motte itano desukara (sou suisatsu shimasu), jibun no sodatta nihonsyakai ga ikani soushita jidai kara kyokutan ni henbou shita mono de attaka, aruiwa ikani sorewo boukyaku shitekitaka, toiu koto no houni odorokasaremasu. Watashi wa jibun no shintai ni kizamareta nihonteki kindaisei no nakani, yamato damashiito ieruyou na mono wo, aruiwa sore wo kataru tame no zentei to naru you na tegakari sura jikkan wo motte miidasenai koto ni osoroshisa wo kanjimashita.
Burajiru no koto nitsuite furemasuto, Burajiru no nikkeisyakai dewa masani nihonkara hanareteiru tameni, konoyouna henbou ya boukyaku no dainamizumu ga hatarakinikuku natta no dewanaika toomoimasu. Genzai, kono kotobaga mattaku kokkei na imi wo motsukoto wanai tomadewa iemasenga, kore ni nitayou na imino gainen ya ikenhyoumei ga, ukeirerareru sojiwa kyokoni sonzaisuru to omoimasu.
Senjitsu, Burajiru no nikkeijin tachi to Iwojima kara no Tegami wo mimashitaga, sokoni egakareru syakai no arikata ga jibunga umare sodatta syakai no nichijo no souzou ryoku kara kanzen ni mienaku natte ita kotoni taihenni odorokimashita. Shikashi, nikkei syakai wo kontekusuto nishite miruto, sorehodo tooi jidai no monogatari no youni mienai koto ga fushigi deshita. Jibun no ru-tsu dearu issei ya nisei no fubo ya sofubo tachi no jidai no keiken toshite yori mijikani rikai dekiru youna kigashimashita.

Ro-maji de sumimasen.
Kojiさん

<大和魂>という言葉自体、戦後の社会の中で、ネガティブな概念として扱われました。そこに、世界王者になったハワイのボクサー藤猛が「ボクは大和魂で勝ったよ!」と言い放った。日本人は「このハワイの日系人は私たちより日本的で、古いタイプの日本人だなぁ」と驚いたのです。ボクの子どものころの出来事で、よく覚えています。

Kojiさんの世代には<大和魂>は更に遠い概念だと思いますが、海外の日系人社会では、結構、生き残っているタームではないでしょうか。「シカタガナイ」というのも日系アメリカ人を象徴するタームとしていまだに使われます。

しかし、Kojiさんのご指摘通り、私たち戦後生まれの日本人には、<大和魂>を身体的に理解することは難しい。右翼や国家主義者が特攻服に<大和魂>と縫いつけて誇示することはありますが、逆に考えれば、文字を縫いつけなければ<大和魂>を表現できないというのは誠になさけない話です。(苦笑)

渡辺正清氏は著書『ヤマト魂―アメリカ・日系二世自由への戦い』で、442ndの二世兵士は<大和魂>で戦ったと断言します。勿論、これには異論もありますが、完全に否定することもできないでしょう。

私の知人の日本人の先生(専門は社会心理学)が、1980年代に、米国で、日系アメリカ人二世と帰米二世を対象に社会意識調査をされました。その中で、「日の丸(日本の国旗)について良いイメージを持つか、悪いイメージを持つか」という質問に対し、意外な結果が出ました。「日の丸」に「良いイメージ」を持つ二世が多く、反対に、帰米二世には「悪いイメージ」を持つ人が多かったのです。

対日戦争を戦った二世は「日の丸」には嫌なイメージを持ち、日本で教育を受けた帰米二世は「日の丸」に親しみを持つと考えるのが普通でしょう。しかし、アンケートの結果はその反対だった。こういうメンタルな部分も無視はできないと思います。

なお、北米とブラジルの日系人を比較することは、簡単そうで難しいと思います。しかし、『ぶらじる丸』などで有名なカレン・テイ・ヤマシタのような作家も出てきました。時代は変化しつつあります。
 大和魂という言葉は、日本人には国粋的なイメージがあり、一般にはネガティブな印象を与える語だと思います。

 一方、日系兵士がヤマトダマシイがあったから戦えた、というのはポジティブだろうし、日系ファイターの藤猛やエンセン井上に貼られたヤマトダマシイというレッテルも「強い精神力」ということで、やはりポジティブでしょう。ただ、後者の場合は、マスコミの演出が多分にありますが。

 それに比べて、日系人収容所の親日派が唱えた「ヤマトダマシイ」は、多分に国粋主義的です。ですから、同じ日系人でも、日系兵士が使ったゴーフォーブロークのヤマトダマシイと、収容所にいた日系人が使ったヤマトダマシイには、かなり意味の開きがあります。この点は興味深いですね。

 日系人関連の本で、「大和魂」を冠した本は、asianimproveさんが紹介していた『ヤマト魂―アメリカ・日系二世自由への戦い』のほかに、トーマス・竹下が書いた『大和魂と星条旗』(1967)があります。竹下は次のように書いています。

 「いたるところで徹底的な打撃を与えたのはゴーフォーブロークの気魄と勇敢さだった。こうした気魄がいったいどこから出てきたかといえば、もちろん民族的素因によるものであるが、その上二世たちは、出征当時アメリカ人からその忠誠をかなり疑いの眼でみられていた。それがいかに見当違いのものであるかということを彼らはここで実証してみようという強い意地のようなものが働いていた」

 これを読むと、民族的素因プラス意地、が彼らのヤマトダマシイを形成していったような気がします。ところで、この精神は、今の世代に受け継がれているのでしょうか。

 エンセン井上はハワイ出身ですが、ヤマトダマシイという言葉を日本に来るまで聞いたことがなかった、とドキュメンタリーの中で語っています。おそらく、藤猛のこともエンセンは知らないのでしょう。たまたまエンセンがこの言葉を知らなかったのかどうかわかりませんが、ヤマトダマシイなどの言葉がどの程度若い日系人に受け継がれているのか、また受け継がれているとすればどのようなイメージで受け継がれているのか。調べてみると、日系人の精神史、のようなものを辿ることができるかもしれません。

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