香港ノワール映画－英雄片－コミュの【香港ノワール／千年紀】OVER SUMMER

原題：爆裂刑警(Bullets Over Summer)
香港　ブリリアント･アイディア･グループ作品　99年　90分　カラー　ギャガ･コミュニケーションズ配給

製作総指揮：リー･クォシン／パトリック･タン　製作：ジョー･マー　監督：ウィルソン･イップ　脚本：マット･チョウ／ウィルソン･イップ／チャン･マン　撮影：ラム･ワーチョン　美術：スタンリー･チャン

出演：(３点リーダー以降の人名は日本語吹替版ビデオのキャスト)
フランシス･ン/ン･ジャンユー(吳鎮宇)=マイク…堀内賢雄
ルイス･クー(古天樂)=ブライアン…小山力也
ロー･ラン(羅蘭)=おばあちゃん…磯辺万沙子
ステファニー･ラム(林美貞)=ティン･ユン…日野由利加
ミッシェル･アリシア･サラーム(莫雅倫/雪兒)=イエン…落合るみ
ウェイン･ライ(黎耀祥)=ストーン
デビット･リー(李尚文)=プリンス
ロー･マン(羅莽)=ライター
ジョー･リー(李耀明)=ドラゴン…辻親八

―解説―
兇悪な強盗犯逮捕の為アパートへ張込むことになったふたりの刑事と､彼らに関わる女性たちとの交流を描いたアクション･ドラマ。出演は『エグザイル/絆』(2006年)などのフランシス･ン(ン･ジャンユー=吳鎮宇)､『コネクテッド』(2008年)などのルイス･クー(古天樂)､『スパイチーム』(2000年)などのミッシェル･アリシア･サラーム(莫雅倫/雪兒)､ステファニー･ラム(林美貞)､『硝子のジェネレーション』(98年)などのロー･ラン(羅蘭)､『風雲ストームライダーズ』(98年)などのウェイン･ライ(黎耀祥)､『ファイティングラブ』(2001年)などのジョー･リー(李耀明)ほか。ウィルソン･イップ(葉偉信)監督､99年作。

―物語―
マイク(吳鎮宇)とブライアン(古天樂)の刑事コンビは､強盗殺人犯ドラゴン(李耀明)を追っていた。情報屋ストーン(黎耀祥)からドラゴンに銃を流すライターの存在を知り､隠れ家向いのアパートで張込むことに。部屋の主は痴呆気味の老婆(羅蘭)で､顔を合せる度ふたりの素性を間違える。さらには押掛けて来たストーンの妹分イエン(莫雅倫/雪兒)にブライアンが夢中になり､マイクはクリーニング店に勤める妊婦ユン(林美貞)と親しくなった。結局相手はライターではなく､ふたりが張込みを終えイエンやユンも招き最後の夕食を取っている時､ドラゴン一味がアパートに現れマイクは思わぬ行動に出る。

オリジナル予告編動画↓

コメント(1)

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[1] mixiユーザー 10月26日 20:05

他作品トピでもふれていますが､ジョニー･トー(杜琪峰)監督が｢ダーク･トリロジー三部作｣を手掛ける98年前後から､過酷な勤務に従事する警察官の日常を描いた”警匪片(ポリス･アクション)”系の｢香港ノワール映画｣が登場してきます。それらは所謂｢香港ニューウェーブ｣勃興期に制作された『香港極道警察(サツ)』(79年､テレビ放送)や『漆黒ノワール』(84年､テレビ放送)といった作品への先祖帰りと言えなくもないのですが､『香港極道警察(サツ)』や『漆黒ノワール』がリアル志向だったのに対し､98年前後に制作され注目を浴びたポリス･アクション系の｢香港ノワール｣作品は､警官同士の友情や絆､また恋愛模様などの描写を多分に盛り込み､よりロマンチックな方向性に仕上げています。現地では映画賞の授賞など高い評価を受けているにもかかわらず､日本では軒並み劇場未公開となりましたが､そのなかでも日本公開にたどり着いたのが本作です。
プロデューサーのジョー･マー(馬偉豪)は､所謂アクション畑の映画人ではなく､80年代なかばから当時映画界で快進撃を続けていた新興映画会社シネマ･シティ(新藝城)にて､香港で大ヒットしたコメディー映画『ハッピー･キョンシー』(84年､ソフトのみ)の共同脚本家としてキャリアをスタートし､その後もD&B(德寶)でコメディー映画の脚本執筆を続け､92年には映画界での師匠といえるクリフトン･コウ監督(高志森)の映画会社で監督デビューを果たします。以降は監督として若者向けのラブコメディー映画を手掛けてきました。日本では本作の後になりますが､トニー･レオン(梁朝偉)＆サミー･チェン(鄭秀文)競演の『ファイティングラブ』(2001年､画像左)や日本から水野美紀さんを主演に招いた異色作『さそり』(2008年)が公開されています。プロデューサーとしての活躍も目覚ましく､本作以外でも後年｢インファナル･アフェア｣３部作(2002～2003年)で大ブレイクを果たすアラン･マック(麥兆輝)監督の作品も手掛けています。
そして､監督のウィルソン･イップ(葉偉信)は､95年に監督デビュー後着実にキャリアを積み､98年の『香港ゾンビ』(98年､画像中)にて注目を集め､次に撮った本作で次代を担う実力派若手監督の地位を確固たるものとしました。実際彼は世紀が明けてからも作品を続々と発表し､ドニー･イェン(甄子丹)やサモ･ハン(洪金寶)と組んだ『SPL/狼よ静かに死ね』(2005年)が大きな話題を呼び､その後もドニーと組んで意欲的なアクション作を手掛け､2008年に発表した『イップ･マン序章』(画像右)が大ヒットを飛ばし､全４部作を監督して代表作としています。『SPL/狼よ静かに死ね』は後刻当コミュニティで取上げる予定です。

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