香港ノワール映画－英雄片－コミュの【香港ノワール／新時代】裏切りのメロディ

原題：豪情蓋天(Theft Under the Sun)
香港　コンセプト･リンク･プロダクションズ作品　97年　110分　カラー　日本劇場未公開(DVD)

製作：ジョン･チョン　監督：チャー･チェン･イー　脚本：ラム･チュウ･ウィン／チャン･カイ･チェン　アクション監督：ブルース･ロー
出演：ジュリアン･チャン(チョン･チーラム)／マイケル･ウォン／ジジ･ライ／エドモンド･ソウ／ティミー･ホー／フランシス･ン(ン･ジャンユー)

－解説－
犯人逮捕に失敗し寝返りを疑われた武器密輸組織潜入中の警察官が､組織のリーダーと共にモンゴルへ渡り､武器密輸トラックを使って香港へ脱出を図る姿を描いたサスペンス･アクション。出演は『ホーク/Ｂ計画』(98年)などのジュリアン･チャンことチョン･チーラム(張智霖)､『世界の涯てに』(96年)などのマイケル･ウォン(王敏德)､『ラッキー･ファミリー』(97年)などのジジ･ライ(黎姿)､『ゴージャス』(99年)などのエドモンド･ソウ(蘇志威)､『無問題』(99年)などのフランシス･ン(ン･ジャンユー=吳鎮宇)ほか。『溶屍鬼』(93年､ビデオのみ)などのチャー･チェン･イー(查傳誼)監督､97年作。

－物語－
オトリとしてダン(王敏德)率いる武器密輸組織に潜入していた若き警官ホー(張智霖)は､組織の摘発に失敗し上司のウォン警部(蘇志威)から寝返ったと疑いをかけられた。警官への復帰もかなわず､逆に警部たちから監視されいら立つホーの前にダンが現れる。再度手を組んだふたりは警察の追撃を振切り､モンゴルとロシアの国境地帯から中国北部の山岳地帯へ渡り､中東への密輸用ミサイルを積んだトラックを駆って香港へ脱出を図った。多くを語らないダンとの危険な旅の末､ホーは恋人フェイ(黎姿)へ香港との境界線に近付いたと連絡する。しかし既に警察はダンとホーを指名手配してしまっていた…。

マレーシア版予告編動画↓

コメント(2)

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[1] mixiユーザー 02月24日 22:54

『友は風の彼方に』(87年)に始まり､｢インファナル･アフェア｣３部作(2002～2003年)で頂点に達する”香港ノワール映画”の所謂｢警匪片｣でも代表的かつ人気の高い”潜入捜査官(アンダーカバー)”モノの1作です。苛酷な捜査と銃撃戦のなかで､立場の異なる者同士が出会い､紡がれる友情と葛藤のドラマ。本作もまさにそうした”香港ノワール”の不文律を踏襲してはいるのですが､途中から舞台が香港から中国とロシアの国境地帯に移り､冒険映画の要素も加えたロードムービー的な展開になるところは異色です。そこにミサイル密輸のサスペンスがからむところなど､大元のモチーフはジョン･ウー(吳宇森)監督のハリウッド進出第２作『ブロークン･アロー』(96年､画像左)を彷彿とさせます。
主役の若き潜入警官ホーに扮していたジュリアン･チャン(チョン･チーラム=張智霖､画像中)は､90年代初頭歌手としてキャリアをスタートし､翌年からはTVドラマや映画にも出演。香港の｢四大天王｣に続く存在として大きな注目を集めていました。本作ではハードなアクションをノースタントでこなし､この後も『Ｇ４特工/オプション･ゼロ』(97年､ＤＶＤのみ)や『ホーク/Ｂ計画』(98年)といったアクション大作へ続々と主演を重ねていきます。
ホーが潜入した武器密輸組織のリーダー､ダン役は長いスランプから脱し実力派俳優として再度のブレイクを果たしつつあったマイケル･ウォン(王敏德､画像右)。甘いマスクの長身に英語も交えた軽妙な台詞回し､そして人生のヴェテランならではの起点と冷静さ､それゆえの不気味さもにじませ終始強烈な存在感を劇中に刻み付けています。

[2] mixiユーザー 04月10日 16:58

ジュリアン･チャン(チョン･チーラム)の恋人に扮するのは､本作の前年に｢欲望の街古惑仔｣シリーズでブレイクしたジジ･ライ(黎姿､画像左)。本作でも(旧い言い回しですが)”不良性感度”の高い役どころをキュートに演じています。
ジュリアン･チャン(チョン･チーラム)に協力するふりをしつつ､追い詰めることになるウォン警部には､音楽ユニット｢グラスホッパー｣で活躍したエドモンド･ソー(蘇志威､画像中)。また特別出演的な立ち位置で主人公を陰ながら支援する心理学者役でフランシス･ン(ン･ジャンユー=吳鎮宇､画像右)が登場しています。そういえばフランシスは2003年のベニー･チャン(陳木勝)監督作『ヒロイック･デュオ－英雄捜査線－』にて､心理学を悪用する犯罪者に扮していましたね。

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