香港ノワール映画－英雄片－コミュの【香港ノワール／新時代】上海グランド

原題：新上海灘(Shanghai Grand)
香港　フィルム･ワークショップ作品　96年　96分　カラー　東光徳間配給

製作総指揮：チャールズ･ヒョン／ティファニー･チェン　製作：ツイ･ハーク　企画：スタンリー･ウー　監督：プーン･マンキッ　脚本：サンディ･ショー／プーン･マンキッ　撮影：プーン･ハンサン　アクション指導：スティーブン･トン　音楽：ウィリアム･フー　美術：ブルース･ユー　主題歌：アンディ･ラウ

出演：(３点リーダー以降の人名は日本語吹替版ビデオ/DVDのキャスト)
レスリー･チャン(張國榮)=ホイ･マンキョン(アーカン)…安井邦彦
アンディ･ラウ(劉德華)=ディン･リク…平田広明
ニン･チン(寧靜)=ファン･ティンティン…小山裕香
アマンダ･リー(李蕙敏)=ライ…幸田夏穂
ウー･シングォ(吳興國)=ファン…廣田行生
ラウ･シュン(劉洵)=執事ラウ…チョー
アルメン･ウォン(黃佩霞)…くればやしたくみ
チョン･ウソン(鄭雨盛)

ー解説ー
チョウ･ユンファ(周潤發)の出世作であるＴＶドラマ｢上海灘｣(80年)をレスリー･チャン(張國榮)とアンディ･ラウ(劉德華)の２大スター共演でリメイクしたアクション･ドラマ。1930年代の上海で出逢ったふたりの男が､固い友情で結ばれ暗黒街でのし上がるが､一人の女性が現れ対立していく。共演は『太陽の少年』(94年)などのニン･チン(寧靜)､『流星』(99年)などのアマンダ･リー(李蕙敏)､『アクシデンタル･スパイ』(2001年)などのウー･シングォ(吳興國)､『デイジー』(2005年)などのチョン･ウソン(鄭雨盛)､『レディ･ウェポン』(2002年)などのアルメン･ウォン(黃佩霞)ほか。プーン･マンキッ(潘文傑)監督､96年作。

ー物語ー
正体不明のボスとチャイナドレスの女(黃佩霞)に台湾反日同盟の同志を虐殺されたホイ(張國榮)は､復讐を誓い護送船から嵐の海へ飛込む。行き倒れのホイを連れ帰ったリク(劉德華)は､ウィン一家に拉致されたティンティン(寧靜)を助け､報復に根城を焼討ちされるが､炎のなかリクの母親を救出したのはホイだった。ホイと友情を結んだリクは､ウィンを葬りティンティンの父で大富豪ファン(吳興國)の後ろ盾を得て勢力を伸ばすが､ティンティンとホイが相思相愛と解り衝撃を受ける。その後ファンが仇敵のボスと知ったホイは､ティンティンの目前で彼を刺殺､ボスの座を継いだリクはホイとの決着の場へに赴いた…。

デジタル･リマスター版DVD発売中↓
https://paramount.jp/search/detail.php?id=8221

オリジナル予告編動画↓

コメント(3)

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[1] mixiユーザー 07月18日 18:22

去る7月13日に香港公開25周年を迎えた本作。皆様ご存知のように､この年の香港映画界では｢欲望の街古惑仔｣シリーズという"香港ノワール映画"の新たな潮流が誕生しました。その一方で"香港ノワール"の金字塔『男たちの挽歌』(86年)の制作･公開から10年という節目を迎え､その影響下で撮られてきた映画の総決算､集大成的な作品を観たいという想いと声も業界内外で挙がっていました。そこで動いたのが『男たちの挽歌』(86年)のプロデュースを手掛けた"香港のリメイク＆リブート王"ツイ･ハーク(徐克)です。90年代に入ってからも｢ワンス･アポン･ア･タイム･イン･チャイナ｣と｢スウォーズマン｣シリーズに始まる"古装片(時代劇アクション)ブーム"で､往年のモノクロ期の功夫映画や武俠映画を洗練されたワイヤーアクションとカメラワークでリブートし､観客の度肝を抜いただけでなく､ジェット･リー(李連杰)やブリジット･リン(林青霞)など､当時不遇を囲っていたスター俳優を第一線へ復活させました。そんな彼が満を持して着手したのが､『男たちの挽歌』(86年)の主演でスーパースターとなったチョウ･ユンファ(周潤發)主演のTVドラマ｢上海灘｣(80年)のリメイク映画だったのです。該当の作品トピでもご紹介してるように､香港でも放送時驚異的な高視聴率を獲得し､その後香港や台湾で作られるアクション映画の一定型を確立するほどに影響を与えた作品です。
この制作にあたり､ツイ･ハークは２人のスターをキャスティングしました。ひとりは『男たちの挽歌』(86年)でユンファと共演して若手俳優として本格ブレイク､その後は歌手としても成功を収め俳優としても国際的な名声を手にし､本作前後はツイ･ハークと組んでいたレスリー･チャン(張國榮､画像左)。そして『男たちの挽歌』以降量産された"香港ノワール映画"､ひいては香港映画全体の"顔"として活躍を続けてきたアンディ･ラウ(劉德華､画像中)。ウォン･カーウァイ(王家衞)監督の『欲望の翼』(90年､画像右)で顔を合わせてはいるものの､コレだけがっぷり四つでふたりが共演するのは初めてです。またアンディとツイ･ハークは本作が実質初の共作となりました。

[2] mixiユーザー 09月20日 12:06

本作のレスリー(画像左)はオリジナルでチョウ･ユンファが演じた革命の壮士役にアレンジを加え､軍人上がりという非常にワイルドで骨太なキャラクターを熱演しています。繊細なイメージが強かったレスリーが､ここまで男臭い役を演じたのは当時としては異色でした。
ヒロインに中国本土で活躍するニン･チン(寧靜､画像中)を起用したのも､当時の"香港ノワール"としては､かなり画期的でした。レスリーとアンディ双方から想いを寄せられ､彼らの運命をも翻弄していく"ファム･ファタル(運命の女)"でもありますが､香港の女優とは一味違った生々しいエロティシズムを体現しており､ハマり役だったと思います。その後彼女は世紀をまたいで『ディバージェンス運命の交差点』や『ベルベット･ゲーム偽りの守護者たち』(共に2005年､後者はDVDのみ)といった"香港ノワール"作品に参加。本作とは全く違った姿で登場しますので､そちらも注目です。
本作のプロモーションで来日を果たしたアンディ(画像左)は､オリジナルでレイ･ロイ(呂良偉)が演じた準主演の丁力役です。来日時のインタビューでアンディは｢どちらをやりたいかと聞かれ､迷わず丁力を選んだ。今まで以上に自身の演技の何かを発揮させる余地があると思った｣と語っています。確かにアンディは映画の冒頭から最後までほぼ出ずっぱりですし､容姿もひげ無しの若々しいスタイルから､後半では髭をたくわえ貫禄のあるボスになっていくまで変化を付けています。この流れ自体がアンディの"香港ノワール映画"での役どころの変遷を奇しくも表現している形となり､言うまでも無く本作はアンディにとって代表作の１本となりました。更にアンディは香港でスタンダード･ソングとなっていたオリジナル主題歌｢上海灘｣をカヴァー。本作の主題歌としてオリジナルとはまた違った味のナンバーに仕上げました。

アンディ･ラウ主唱の主題歌｢上海灘｣音源動画↓

本編はメインキャストの役名を冠した３部構成となっており､アンディ→ニン･チン→レスリーの順で物語は進行していきます。コレはオリジナルから変化を付ける意味合いと主人公たちの｢青春群像劇｣であることを強調したかったツイ･ハークとプーン･マンキッ(潘文傑)監督の演出意図でもありました。

[3] mixiユーザー 03月06日 23:20

今月と来月､レスリー･チャンとアンディ･ラウが共演する映画『上海グランド』がCS･ムービープラスにて字幕スーパー版で放送されます。放送日時など詳細は下記のリンクからご覧ください↓

番組HP：https://www.movieplus.jp/lineup/detail/?film_id=CS-0000000200300002-000

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