香港ノワール映画－英雄片－コミュの【香港ノワール／過渡期】男たちの挽歌外伝

原題：廟街故事(Mean Street Story)
香港　ウォン･ジンズ･ワークショップ作品　95年　101分　カラー　日本劇場未公開(ビデオ)

製作：ウォン･ジン　監督･撮影：アンドリュー･ラウ
出演：イーキン･チェン／ウー･チェンリン(ン･シンリン)／エリック･コット／アナベル･ラウ／ガイ･レイ／ミミ･チュウ／ロー･マン／トミー･ウォン

―解説―
誤って人を殺した下町育ちの青年が､出所後恋人の協力で堅気の生活を送ろうとするが､数々の嫌がらせを受け反撃する姿を描いたアクション･ドラマ。『決戦･紫禁城』(2000年)などのイーキン･チェン(鄭伊健)､『恋人たちの食卓』(94年)などのウー･チェンリン(ン･シンリン=吳倩蓮)､『ひとめ惚れ』(2000年)などのエリック･コット(葛民輝)､『死角都市･香港』(95年)などのアナベル･ラウ(劉曉彤)､『Mr.ノーボディ―』(79年)などのガイ･レイ(黎應就)､『ミラクル･マスクマン』(95年)などのミミ･チュウ(朱咪咪)､ロー･マン(羅莽)ほか。『インファナル･アフェア』(2002年)などのアンドリュー･ラウ(劉偉強)監督､95年作。

―物語―
香港･廟街で母(朱咪咪)や親友ハイ(葛民輝)と暮らすミュウ(鄭伊健)は､ある夜深センで出逢った女性スウ(吳倩蓮)にからむ男を殺し､４年の懲役に服した。出所後廟街へ戻ったミュウは､店をもったハイやラジオＤＪを務めるスウと再会するが､店を狙うチェチェ(羅莽)と禍根が生まれた。スウの父が経営する保険会社へ就職したミュウだが､職場で孤立するのを見かねたハイが押掛け騒動になる。父とモメたスウはミュウと暮らし始めるが､彼女の婿の座を狙うＫＹがチェチェと組んでミュウを陥れ､ハイは店を手放し義父ロウ(黎應就)は命を落とした。堪忍袋の緒が切れたミュウは､チェチェ一味が陣取る店へハイと乗込んで行く…!

オリジナル予告編動画↓

コメント(1)

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[1] mixiユーザー 07月01日 06:59

『男たちの挽歌４』(94年)に続き､｢男たちの挽歌｣と邦題の付いた"香港ノワール映画"に主演したイーキン･チェン(鄭伊健､左)。しかも今回プロデュースがウォン･ジン(王晶)､監督はアンドリュー･ラウ(劉偉強)。言うまでも無く翌年｢欲望の街古惑仔｣シリーズで､香港映画界に一大旋風を巻起こす布陣です。故に本作は同シリーズの習作的な趣があります。エリック･コット(葛民輝､画像中)のキャラクターなど､ジョーダン･チャン(チャン･シウチョン=陳小春)扮するサンカイのプロトタイプを思わせます。また廟街(テンプル･ストリート)が舞台となっているのは､92年のアンディ･ラウ(劉德華)主演作『九龍帝王』のイーキン版として見てもいいかもしれません。
ヒロインはウー･チェンリン(ン･シンリン=吳倩蓮､画像右)ですが､過去作に比べかなり垢抜けて､美貌に磨きがかかった感があります。役どころも現代的なキャリアウーマンで洗練されたファッションや所作がキマッてます。本作で彼女は文字通りイーキンの"ファム･ファタル(運命の女)"となるのですが…､同時に彼女が施す悪意無き善意が､結果的にイーキンを破滅へと追い込んで行くんですよね。そもそも彼女と会わなければイーキンも罪を犯すことはなかったワケですし。そういう意味では､なかなか業の深い役どころでもあります。
本作が同じイーキン主演でも｢欲望の街古惑仔｣シリーズと大きく異なるのは､香港の下町･廟街の人情ドラマでもあることで､ベテラン勢が多く参加していることです。イーキンの母親役に香港で長く活躍してきた歌手で､90年代に入りコメディエンヌとして映画に進出したミミ･チュウ(朱咪咪)､その情夫でイーキンの義父ともなるロウ役で映画プロデューサーで武術家としても著名なガイ･レイ(黎應就)､やはりプロデューサーや監督として活躍するジョー･チョン(張同祖)､そして敵役がショウ･ブラザースのカンフー映画で主演作をもつロー･マン(羅莽)が配役されているのもなかなかユニークです。

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