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香港ノワール映画−英雄片−コミュの【番外編】天幻城市

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原題:少年吔, 安啦!(Dust of Angels)
台湾 シティ・フィルムズ作品 92年 110分 カラー ヒーロー配給

製作総指揮:ホウ・シャオシエン 製作:チャン・ウェン・シュン/チャン・ホアクン 監督・脚本:シュウ・シャオミン 撮影:チャン・ホイゴン 音楽:リン・チャン
出演:イェン・チェンクオ/タン・チーガン/ジャック・カオ(ガオ・ジェ)/チェン・ソンヨン/ヴィッキー・ウェイ/チャン・イーハン

−解説−
台湾の港町を舞台に、ヤクザの出入りを手伝ったことから転落の道を突き進んで行く不良少年ふたりの悲劇を描く。出演は『カンフーキッド』(86年)などのイェン・チェンクオ(顏正國)、『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(91年)のタン・チーガン(譚至剛)、『炎の大捜査線』(91年)などのジャック・カオ(ガオ・ジェ=高捷)、『悲情城市』(89年)などのチェン・ソンヨン(陳松勇)、『憂鬱な楽園』(96年)のヴィッキー・ウェイ(魏筱惠)ほか。監督はこれがデビュー作となったシュウ・シャオミン(徐小明)。92年作。

−物語−
さびれた港町・北港に住む不良少年グオ(顏正國)とドア(譚至剛)は喧嘩と麻薬に明け暮れる毎日を送っていた。ある日台北で親分を殺され自らも傷を負ったジー(高捷)が戻って来る。彼はドアの伯父で今は入獄したアハイの元部下だった。ジーはグオとドアの手助けで裏切ったウェンを台北にて始末するが、同行したビャオが撃たれ凄惨な状況にふたりは言葉を失う。ジーが姿を見せぬままビャオの葬儀が終わった夜、屋台でドアにからんだ不良をグオは銃で撃った。抗争の末散弾銃と薬物を奪い北港を出たふたりは、台北でジーと連絡を取ろうと安ホテルに泊るが、追手の男たちとの銃撃戦でグオは無残な最期を迎える。

コメント(2)

久々の番外編作品紹介となります。
どう番外かと申しますと、香港のプロダクションや資本がからんでいない台湾の作品ということです。
以前も80年代前中半に制作された台湾製のガン・アクションメインの映画を数本ご紹介したんですが、それらは元々カンフー・武俠映画を撮り続けていた独立プロダクションや映画人(香港でいえば"旧体制派")が、時代の流れを鑑みつつ習作的に撮った面もありました。何より作家性や思想性を前面に出さない純然たる商業映画、娯楽作品であったワケです。
本作は、80年代初め頃から勃興した"台湾ニューシネマ"と称された新潮流の筆頭的存在ともいえるホウ・シャオシエン(侯孝賢)監督が、次代を担う映画作家育成の為に設立したシティ・フィルムズ(城市電影、画像左がロゴ)の第1作目にあたり、同監督の『童年往事 時の流れ』(85年、画像中)で助監督を務めたシュウ・シャオミン(徐小明)が本作で監督デビューを果たしました。
内容自体は、過去当コミュニティでご紹介した『ギャングス』(88年)を思わせるストリートにたむろする不良少年を題材にしていますが、徹底したリアリズム重視の演出で、カメラは登場人物と一定の距離感を置いたアングルで、少年たちのとトラブルと転落していく軌跡を生々しく映し出していきます。また、当時の台湾の社会情勢や第二次大戦後台湾が抱え続けている人権問題なども物語へ巧みに織り込まれており、また劇中には所謂BGM、劇伴は挿入されていないものの、本編中の街に流れる音楽は当時台湾で人気を博していた人ミュージシャンたちによる楽曲の数々が使われています。
キャストは侯孝賢監督ほか"台湾ニューシネマ"作品と縁の深い面々がキャスティングされており、なかでも主役の少年のひとりグオに扮したイェン・チェンクオ(顏正國)は、元々侯孝賢監督作の子役としてキャリアをスタートし、台湾で大ヒットを飛ばしシリーズ化された『カンフーキッド』(86年、画像右)で台湾随一の子役と称されるようになり、日本公開の際にはプロモーションの為来日も果たしています。しかし、青年期にかかり俳優として転期を迎えようとするなか非行に走り、本作公開後も麻薬・窃盗・銃刀法違反など10数件もの逮捕歴を重ね、あげくある誘拐罪に関与したとして死刑を求刑されましたが、結局懲役15年の実刑が下り、2012年3月に11年の刑期を経て釈放されました。現在は刑務所内で学んだ書道をベースに芸能界にも復帰し、監督した映画が台湾で大ヒットするまでになりました。
本作は、台湾での興収は惨憺たる状況でしたが、その年の台湾ゴールデン・ホース賞で最優秀録音賞を獲得し、カンヌ国際映画祭やトロント国際映画祭といった国外の映画祭にも出品され、高い評価を受けました。
前述の通り地元台湾ではヒットしなかったものの、本作のガン・アクションも含めた暴力描写が、熱心な映画ファンの間で語り継がれ、現在では「最もリアルで激烈な台湾製黒社会(を描いた)映画」として、カルトムービー化しています。

台湾のファンによる本作の解説動画。本編の抜粋シーンもたくさん出てきますので、未見の方は雰囲気だけでも感じられるかと思います(日本語字幕無し)。
前項でもお伝えしたように、本作はBGMや劇伴は無く「街角に流れる音楽」に、台湾の気鋭のアーチストたちによる楽曲が使われています。特に印象的なのが原題の「少年吔, 安啦!」を冠したナンバーで、台湾のカリスマ的シンガー、ウー・バイ(伍佰)とバックバンドであるChina Blueが、気だるいスローテンポのメロディーにパワフルなヴォーカルを乗せ、鮮烈な印象を残します。

ウー・バイ&China Blue「少年吔, 安啦!」PV動画↓

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