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香港ノワール映画−英雄片−コミュの【香港ノワール/絶頂期】銃弾に追われた街

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原題:都市煞星/殺手無名(Point of No Return)
香港 Y.C.ライ・フィルム・プロダクション・カンパニー作品 90年 95分 カラー 日本劇場未公開(ビデオ→TV→DVD)

製作・監督:ガイ・レイ 脚本:ジョン・チン/チャウ・チェンウィン 撮影:ホン・ヒンシン 音楽:ジョン・ウォン
出演:ジャッキー・チュン/ジョイ・ウォン/タム・ユウマン/チェリー・チョイ/ケネス・ツァン/ケン・ロー/ピーター・K・ヤン

−解説−
殺し屋の青年と恋に落ちたDJの女性が、彼が属する組織に警官の父を殺され、マフィアの抗争に巻込まれていく姿を描いたサスペンス・アクション。出演は『楽園の瑕』(94年)などのジャッキー・チュン(張學友)、『シティーハンター』(93年)などのジョイ・ウォン(王祖賢)、『決戦・紫禁城』(2000年)などのタム・ユウマン(譚耀文)、チェリー・チョイ(蔡立兒)、『ラッシュアワー2』(2000年)などのケネス・ツァン(曾江)、『酔拳2』(94年)などのケン・ロー(盧惠光)、『燃えよデブゴン』(78年)などのピーター・K・ヤン(楊羣)ほか。ガイ・レイ(黎應就)監督、90年作。

−物語−
イーグルの異名をもつ殺し屋ディー(張學友)は、義弟KK(譚耀文)の乱入に悩まされながら、タイで裏切者マイケルを仕留めた。マイケルの兄弟分ピューマ(盧惠光)がイーグルを狙うなか、義父ミン(曾江)から新たな依頼を受けたディーだが、ミンの実子であるKKが強引に同行してくる。現場のディスコでディーは以前知合ったDJのジュリー(王祖賢)と再会するが、待構えるピューマとの銃撃戦でKKをかばい彼女は負傷した。ジュリーを介抱し国際警察と名乗ったディーは彼女と交際を始める。だがピューマたちがジュリーを付狙い、彼女の父である警官カオを殺す依頼が組織に入り、KKが暗殺を実行してしまった…。

コメント(4)

既に当コミュニティでご紹介済の『いますぐ抱きしめたい』(88年)や『ワイルド・ブリット』(90年)で、強い印象を残した"香港四大天王"の一角ジャッキー・チュン(張學友、画像左)の主演作です。
デビュー当初は大スター、ジャッキー・チェン(成龍)と似た風貌から、"リトル・ジャッキー"とも呼ばれていましたが、卓越した歌唱力と演技力でスター街道を上り詰めて来ました。
同じ四大天王仲間でも"香港ノワール映画"への主演が多いアンディ・ラウ(劉��華)と異なるのは、悪役もこなせる表現力の幅広さにあります。その華やかなキャラクターゆえどうしても主役に限定されがちなアンディに対し、ジャッキー・チュンの場合冷酷さや狂気の表現が飛び抜けています。そういう意味ではアレックス・マン(萬梓良)と通じる面もあるのですが、アレックスがケダモノの様な凶暴性を表現するのに対し、ジャッキー・チュンは鋭利な刃物のようなシャープでクールな狂気を表現します。それゆえ映画ではストレートなヒーローを演じることは少なく、コミカルだったりクセが強い役どころを演じることが多いです。本作でもそんな彼の個性を活かした腕利きの殺し屋役で主演しています。
ただ本作では前年に歌手として芸能界入りしたタム・ユウマン(譚耀文、画像中)を売出そうとした節も見えます。彼が本作が映画デビューですが、いきなり若手トップスターのジャッキー・チュンやジョイ・ウォン(王祖賢、画像右)と肩を並べる形で共演させたところに周囲の期待が伺えます。しかし彼はその後歌手活動やTVBでのドラマ出演に向い、次の映画出演は香港返還後の98年まで延びることとなります。
そのヒロインとなったジョイ・ウォンですが、ディスコでDJをしながら、生活の為に保険外交員もこなすアクティブで地に足の付いた女性像を好演しています。父親が警官だったことから、犯罪組織の不興を買い、銃弾で負傷するなどまたもやヒドい目に遭うのですが、他作品ではもっとエゲツない仕打ちを受けているので、まだマシに見えるのも不思議なモノです(笑)
本作は脇のキャストにベテラン勢を配して、物語を厚みを加えています。ジャッキー・チュンの義父で殺しの師匠的役どころに「男たちの挽歌」第1・2作(86〜87年)に出演していたケネス・ツァン(曾江、画像左)。後半に登場する黒幕的存在に「愛と復讐の挽歌」2部作(87年)などのピーター・K・ヤン(楊羣、画像中)。ベテランふたりの渋さあふれる重厚な演技も見どころです。
そしてジョイ・ウォンをねらう冷酷な殺し屋にケン・ロー(盧惠光、画像右)。当時彼はもうジャッキー・チェン(成龍)のアクション・チームに合流していたはずですが、本作の時点ではそのイメージはほとんど感じられないですね。
監督のガイ・レイ(黎應就)は、70年代なかばから映画界でプロデューサー、監督、俳優、武術指導とマルチに活躍してきた映画人で、香港で盛んな武術・詠春拳の名手という一面もあります。本作はレスリー・チャン(張國榮)主演の『あの日にかえりたい』(85年、DVDのみ)で監督デビューしてから5作目にあたります。
本日、香港公開から35周年を迎えました。

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