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香港ノワール映画−英雄片−コミュの【香港ノワール/絶頂期】紅い愛の伝説

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原題:浪漫殺手自由人(Killer's Romance)
香港 レジェント・フィルム・リミテッド/ハイ・グロウ・フィルム・ディストリビューターズ作品 90年 95分 カラー 日本劇場未公開(ビデオ→TV)

製作総指揮:ノーマン・チェン/ジェニー・ライ 製作・監督:フィリップ・コー 撮影:ジョージ・マ アクション設計:鹿村泰祥/パンサー・ウォン 美術:レイモンド・クォック
出演:サイモン・ヤム/ジョイ・ウォン/フィリップ・コー/鹿村泰祥/チャン・フォンチー/カルメン・リー

−解説−
英国ロンドンの中華街を舞台に、育ての親の日本人を何者かに殺された中国人青年が、殺しの現場を目撃した留学生の女性と運命的な恋に落ちながら、暴力団の内部抗争に身を投じる姿を描いたアクション・ロマン。出演は『ワイルド・ブリット』(90年)などのサイモン・ヤム(任達華)、『スパイゲーム』(90年)などのジョイ・ウォン(王祖賢)、『仁義なき抗争』(90年)などの鹿村泰祥、チャン・フォンチー(陳鳳芝)、『パラダイス!』(97年)などのカルメン・リー(李若彤/卡文)ほか。監督は『ミレニアム・ドラゴン』(99年、DVDのみ)などのフィリップ・コー(高飛)が、劇中出演も兼ねて担当。90年作。

−物語−
舞台はロンドン。日本の暴力団・山田組組長が中華街の会合で暗殺され、養子の中国人"二代目"(任達華)は、復讐を誓い行動を開始する。一方留学中の女子大生ワン(王祖賢)は、ハイドパークで中華街の長老を仕留める"二代目"の姿を偶然撮影し、思わず声をかけた。ワンの部屋に忍び込み自分の写真を見付けた"二代目"は、戻った彼女を消そうとするが、互いに運命的な出逢いを感じる。しかし直後中国マフィアのチン(高飛)一味が襲撃し、ワンは撃たれ負傷した。その頃山田組幹部・吉川(鹿村)はチンと組んで麻薬取引で勢力拡大を企み、部下の恵子(陳鳳芝)に"二代目"抹殺を命じる。実は組長殺しの犯人も吉川だったのだ。

オリジナル予告編(北京語音声)動画↓

コメント(4)

TOPの中国語原題を見てお気付きになった方もいるかと存じますが…、本作は日本の人気劇画「クライング フリーマン」(画像左)をモチーフにしています。チャイニーズ・マフィアがテーマになっている為か、香港では実写化映画が複数制作されており、本作と同じ年にはサミュエル・ホイ(許冠傑)主演で『赤の広場の龍』(画像中、CS局MATVジャパンのみで放送)が撮られ、その後も本作を手掛けたフィリップ・コー(高飛)監督により、99年にチン・シュウホウ(錢小豪)、2001年にルイス・ファン(樊少皇)主演版が制作されています。日本でも96年にハリウッドシステムにてマーク・ダカスコス主演で実写映画化されています。
管理人はチン・シュウホウ版とルイス・ファン版は未見ですが、それを除いた3本の実写化映画作の中では、本作が1番マシな作りと感じました。『赤の広場の龍』はモスクワロケを敢行した大作ですが、原作を明らかに曲解しており、ワイヤーワークを濫発したドタバタコメディーのようなトンデモ映画に成り果てています。日本版はダカスコスのアクションは悪くないのですが、映画全体が異様なまでにローテンションでキツい出来です。
本作も雑な点は多いのですが、原作のトンデモな設定にふれることなく、シリアスさとロマンチックな部分のみいい塩梅で抽出した"香港ノワール"に仕上げており、相応に愉しめる内容となっています。
別作品のトピックでもふれておりますが、本作もまた当時盛り上がっていた"香港映画の世界進出"の流れで制作された1本で、全編イギリスのロンドンでロケしています。後述するメインキャストの厚着ぶりやロケ地の様子から冬場の撮影だったようですね。しかし寒々とした風景が作品の雰囲気にマッチしていて効果的だったのも確かです。
監督はフィリップ・コー(高飛・画像左)。空手のインストラクターとして台湾や香港で活動後、ショウ・ブラザース入りしカンフー映画の悪役俳優として活躍。80年代にはゴールデン・ハーベストでジャッキー・チェン(成龍)やサモ・ハン(洪金寶)の作品にやはり悪役で参加しますが、その間にフィルマークやIFDといった独立プロで欧米向けの低予算"ニンジャ映画"の制作にかかわり、時には武術指導や出演も兼任しながら10数本監督します。当コミュニティでもご紹介済の彼の主演作『マグナム・サンダーボルト』(86年、ビデオのみ)を海外向けに英語版を配給したのもIFDです。それが一段落すると引続き同様のやり方でB級・低予算の長編アクション映画を2000年代までに香港・台湾・そして東南アジアを股にかけ50本以上監督していきます。同じショウ・ブラザースの悪役俳優出身の監督といえばワン・ロンウェイ(王龍威)やレオン・カーヤン(梁家仁)がいますが、彼らは過激なアクション描写といった作風、作家性が多少なりともあるのですが、フィリップ・コーの場合多作ですけどもそのほとんどが早撮りの低予算作品で、ただ大雑把なだけの二番煎じな映画も少なくありません。よくも悪くも職人監督ということです。たださすがに本作にかんしては、海外ロケでオールスター級のキャストを揃えていることから、彼が手掛けた他の作品に比べると一応手堅くは仕上げてます。もしかすると彼のベスト作品かもしれません。
主演はサイモン・ヤム(任達華・画像中)とジョイ・ウォン(王祖賢・画像右)という魅力的な顔合せですが…、このふたりにフィリップ・コー監督の大雑把さゆえの仕打ち?が炸裂しちゃってます。
実はサイモン・ヤムとジョイ・ウォンの役には名前がないんです。サイモン・ヤムは劇中で"二代目"としか呼ばれません。ジョイ・ウォンに至っては名前すら呼ばれないまま物語が進みます。当コミュでは、国内版ビデオの裏ジャケにあったワンという名前を便宜上採用していますが、実際香港のネットでのアーカイブを見るとジョイの役は"学生"としか記されてないのです。資料によっては原作の役名を入れてるものもありますが、信憑性は薄いですね。しかし、それでも一応話を成立させてしまうのが、香港映画の底力といえます。
他の作品でも言及しますが、本作でもジョイ・ウォンは中華街の抗争に巻込まれ、かなりヒドい目に遭うのですが、本作は彼女の扱いを投げっ放しにせず、ラストシーンをラブストーリーとして帰結させてるのは好感度が高いです。
本作はジョイ・ウォンがメインのヒロインですが、もうひとり、90年代の香港映画を担う女優が、本作でデビューを果たしています。カルメン・リー(李若彤、画像左)です。本作では英語名のみのカルメン(卡文)名義で、ジョイのルームメイト役で眼鏡姿も初々しい理知的な美貌を披露していますが、後半フィリップ・コーにボコられて退場するなど、B級香港アクションの洗礼を受けてしまっています。
彼女はその後日本でも劇場公開された『妖獣都市 香港魔界篇』(92年、画像中)にて、本作とは一転してショートヘアに白のボディコンもセクシーな銃器も使いこなす準ヒロインに扮し鮮烈な印象を残します。その後はトップクラスの監督たちが手掛ける話題作に次々起用され、ジョイ・ウォンが一線を退いた後の香港映画界を返還直後まで牽引していくトップ女優へと成長していきました。
また、本作は日本のヤクザをテーマにしている為、ラスボスにはフィリップ・コー監督も縁の深い鹿村泰祥さんが出演しているほか、もうひとり日本から石田憲一さん(画像右)という俳優が、配下の組員役でサイモン・ヤム相手にキレ味鋭い蹴りを放っていました。日本のアクション・チーム・メンバーから大島ゆかりさんのサポートで香港映画出演を果たした石田さんは、現在も日本でアクション・インストラクターとして活動を続けています。
前項でも述べた通り、B級色の強い本作ですが、実は「心中有愛」という主題歌がちゃんとあります。しかも切ないムードのラヴソングなんですね。82年のミス・アジアに選出され、女優としても『ワイルド・ヒーローズ』(89年、テレビ放送)に出演していた香港の人気歌手キャリー・クォン(鄺美雲)が歌い上げるなかなかの名曲ですので、音源動画を貼っておきます↓

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